Rio/Paul Winter
(Columbia CL2315)
60年代初期から中期にかけて,アメリカのジャズプレイヤーはこぞってブラジルを訪れ,現地で誕生したばかりのボサノバを演るプレイやーと親交を持ちました。代表はゲッツ/ジルベルトでしょうが,ジャズでの知名度は落ちますがサックスプレイヤー,Paul Winterもこのブラジル訪問で一定の成功をおさめたプレイヤーだと思います。
有名なのは以前にアップしたカルロス・リラのボーカルとの共演”The Sound of Ipanema”でしょうが,本日アップの第二作”リオ”もインストボッサですが注目すべき一枚といえるのではないでしょうか?何と言ってもタイトル副題に"Paul Winter and Luis Bonfa・Roberto Menescal・Luis Eca Brazil's Great Young Musicians"とあるように、共演陣の豪華さはボッサファンの琴線を刺激しまくりです。演奏曲もA-1の”Reza"、Aラスのタイトル曲”Rio", B-1の"Avion(ジェット機のサンバ)", Bラスの”彼女はカリオカ”など名曲揃い,決して出しゃばらないWinterのサックスと物悲しく鳴るボンファのギターがいい味を出しています。今回,オヤッと思ったのがB-2の"Adriana"です。ちょっとデスモンドのテイク5を思わせる5/4拍子の名曲です。とにかく聴き所満載のインストボッサの名盤と言えると思います。
所有盤は,コロンビアの2eyeモノラルプロモ盤です。もちろん録音もバッチリです。65年録音ですが,モダンジャズにはない斬新なカバーもユルいボサのバらしくていいですね。
インストものも良いですが,個人的にはボッサは独特のポルトガル語の濁音を交えたボーカルものが贔屓です。と言う事で「the sound of ipanema」のすばらしさはボッサ好きだけでなく音楽ファン全体を納得させるだけの魅力を持った名盤だと思いますね。ボッサのメロディの美しさは格別ですから・・・。
ポール・ウィンターという人はジャズをやるとなにか物足りなくて、とても一流とは思えないのですが、こういうセッティングでボサノヴァをやると抜群のフィーリングを発揮しますよね。
ゲッツのボサノヴァというのはもうあまり聴くことはありませんが、このアルバムと「the sound of ipanema」はいまでもよく聴いてます。
もう一枚は”jazz meets the bossa nova"ですよね。リオの風景をバックにセクステットのメンバーが映っているジャケ写がいかしています。このアルバムはタイトル通りで他の2枚に比べるとややジャズよりな感じですよね。やはり3枚そろえたいものですな。
camperさんの記事を見て、これはやはり2eyeを入手せねば!と意を新たにしております(笑)
僕もcolumbiaのこの辺の「録音」は好きです。暖かい感じがして、適度な湿り気もいい感じです。