Toshiko Meets Her Old Pals/Toshiko Mariano(秋吉敏子)
(King SKA3019, reissue)
(King SKA3019, reissue)
我が国を代表するジャズメンと言うと、この方をおいていないと思います。最近は、ナベサダやヒノテルもメジャーになったかもしれないですが、このアルバムが録音された61年という時代には日本人では彼女以外、世界に認められたジャズメンはいなかったといっても過言ではないと思います。この時代はチャーリー・マリアーノと結婚しており日本語ライナーにはToshiko Marianoのクレジットも見られます。ここで共演するナベサダと宮沢昭のフロントラインは彼女にとっては旧友であり,ある意味師弟関係にあったのかも知れません。特に,その後の活躍で知られるナベサダを含む四重奏団,即ちコージーカルテットは我が国のジャズ史を紐解くときに避けては通れないスーパーバンドであったと思われます。このアルバムは渡米していた敏子が一時帰国したときに旧友を集めて東京は杉並公会堂および文京公会堂で録音されたアルバムです。
メンバーは敏子(p), ナベサダ(as), 宮沢昭(ts), 原田長政・栗田八郎(b), 富樫雅彦・白木秀雄・猪俣タケシ(ds)のクインテットです。A-1の"So What"からしびれまくりです。原田の力強いウォーキングベースに導かれて始まり,富樫のゆったりとした多彩なドラムが絡んでいき敏子がピアノソロをかぶせていくあたりの緊張感は最高です。続く宮沢も良いプレイなのでしょうが,やはりナベサダの第一人者の片鱗を見せたアルトが素晴らしいです。続く"A Night Has A Thousand Eyes"でも富樫と敏子のインタープレイがいいですね。B面トップの"Quebec”は夫,チャーリーの作品ですがここでも敏子/ナベサダのプレイが群を抜いています。ラストの”わたすのビートーヴィン”もノン・リズムの部分が多いこった作りの敏子のオリジナルです。 ノンリズムのため音の出だしに敏子はタクトを振ったため音のつながりが出来ずその部分の2音を夫チャーリーが弾いたと言われています。
当時の敏子の楽旅スタイル,日本のホテルの玄関で微笑むイラストカバーが生かしています。60年代初頭の日本のジャズシーンが目に浮かぶようなアルバムだと思います。
ご指摘のように、敏子&富樫の鋭い感性は、最高だと思います。確かに、当時の世界に通じる演奏でしょう。
不幸にして、このドラマーは全盛期の輝きを断ち切られてしまい、別次元に転移してしまいましたですねぇ……。人生シミジミです。
あとジャケット写真が、当時の東宝映画みたいで、大好きです♪
秋吉敏子といえばしばらく前に彼女の自伝的な1冊岩波新書“ジャズと生きる”読みました。オスピーが敏子の演奏を聴きに来てそのままラジオ局での初レコーディングとなるあたりや、渡米してロスのクラブでマイルスから誘われた?がビビッてしまったくだりなんかわくわくしながら読みました。当時女性でバークリー行ってジャズやるなんて途方もない挑戦だったんですね。まるで日本人にメジャーへの道を切り拓いた野茂のような存在でしょうか。
自分は専らストーリービルやヴァーブのトリオ盤聴いてますが、この盤やマリアーノとの共演盤も聴いてみたいですね!
さて富樫が演奏する曲は,"So What"と"A Night Has A Thousand Eyes"の2曲ですが,他のドラマーとは全く異なるセンスの良さを感じますね。下半身不随の事故が原因でドラマーを断念することになったのでしたね。この敏子のアルバムを聴けば,彼のドラマーとしての未来は相当に明るかったはずです。惜しいとしか言いようがありません。
“ジャズと生きる”は未読です。ぜひ読んでみたい物です。
VERVEのトリオ盤"Amazing TOSHIKO AKIYOSHI", 素晴らしいです。また別の機会に取り上げたいアルバムですね。
ジャケも最高です。
camperさんの紹介盤は、こちらもWAVEだかの復刻盤で聴いてます。so whatのドラムス・・・確かに1961年という時代を考えれば、やけに新しいフィーリングで叩いてたような・・・またしっかり聴いてみよう!
「トシコ・マリアーノ・カルテット」、勿論所有していますよ。
barnabyの再発盤ですが・・・。
「黄色い長い道」はB面最後ですね。この面トップの「エレジー」と並びトシコを代表する曲ですよね。
ともに何度か再演があると思います。
富樫は2曲ですが本当に良いです。惜しいですね,ほんと!