暑いが、衛星放送が面白い。ニュルンベルグ裁判、近未来テクノロジ-、地中海世界史探訪に毛沢東。録画で追っかけて、一般の放送は見なかった。ユン チアン著作の「マオ―誰も知らなかった毛沢東」をはじめ、周恩来などの共産党幹部の影の顔の本が多々出回ってる。その中、映像の、この4回シリ-ズのフランス人製作は出色のドキュメンタリ-だった。革命は宴会でないと副題がある。思えば、加賀の国にいた頃は夜毎、日本海を越えて、北京放送がラジオで聴けた。中国のフルシチョフ、修正主義者などと声高に叫んでいた放送が、いつのまにか「劉少奇」と名指しになったのもしっかり記憶している。また、雀狩りを全国一斉にやった運動を誇らしげに語るのも聴いた。そのあと、天敵害虫が多量に発生、飢饉で戦争並みの死者が出た話は、どこかの国の放送だったか、聴いた。当時、日本海沿岸は物騒だった。夕方は海辺に行くなと言われていた。地元新聞では行方不明者や不審上陸者の痕跡が報じられていた。今も考え方によっては物騒は変わりない。脱線だが作田啓一なんて人はチェックしたらまだいた。農民はじめ全土で人々が粗悪な鉄を簡単な土法高炉で作り出していた。彼は筑摩書房から出した本でこれを革命の成果、知恵としたヨイショしていた。学生ながら、杉並の下宿でこの噴飯著作を笑い、そのうち、怒りがこみ上げてきた。不屈の努力で指先と目を鍛錬して、パチンコで稼いだ金をこんな本に費やすなんて。駅前の美味しいとんかつ屋に行くべきだったと今でも悔やんでいる。革命は土饅頭から鉄を作るのではない、権力闘争で、人も死ぬのだ。
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