LGBT差別発言で一躍脚光を浴びた女性衆議院議員。「差別された被害体験を売りものにお金儲けをしている人々と闘ってきた」という主旨の発言を今なおしている。
それはそれで野党側から批判されるわけだが批判する野党にしても知ってか知らずか問題を国内に限定している印象は否定できない。また、問題発言の問題性が現在の海外、特に欧米で発生している幾つもの社会運動とリンクしている点で、注意深く国内に限定しておかないと議論が収拾できそうにないという配慮を働かせるからなのだろう。ところがこの種の配慮は必ずしも必要不可欠だろうか。
「差別された被害体験を売りものにお金儲けをしている人々と闘ってきた」と議員はいう。では「差別された被害体験を売りものにお金儲けをしている人々」とは誰か。その世界最大勢力は言うまでもなく今のイスラエルである。紀元前三世紀頃の「旧約聖書」にある差別迫害の記述と二十世紀ナチスドイツによるジェノサイド(大量虐殺)とを安易に結びつけ「二〇〇〇年以上もの間ずっと史上空前の被害者だった」と公言してきた。関連書籍や漫画、映画はどんどんお金へ換金された。一方、世界中に張り巡らされた金融資本網を用いて東西冷戦中のソ連政府にもせっせと大金を貸し付けてお金儲けしていた。
そんなイスラエル政府と「闘ってきた」だろうか、例の女性衆議院議員は。
さらにナチスドイツは同性愛者(今でいう性的マイノリティ)をジェノサイド(大量虐殺)した。イスラエルの優生思想とナチスドイツのジェノサイド(大量虐殺)との両方を持ち合わせている国会議員。それこそ例の女性衆議院議員なのではという疑問はどこまでも拭いきれないのである。