二〇二三年十一月二十五日(土)。
早朝(午前五時)。ピュリナワン(子猫用)その他の混合適量。
朝食(午前八時)。ピュリナワン(子猫用)その他の混合適量。
昼食(午後一時)。ピュリナワン(子猫用)その他の混合適量。
夕食(午後六時)。ピュリナワン(子猫用)その他の混合適量。
来客中にそろそろと顔を覗かせては椅子の影へ引っ込み、また顔を覗かせては椅子の影へ引っ込む。二度ほど繰り返したあとお客さんへすたすた近づきくんくん鼻先を持っていったのはコーヒーの香りに釣られてではない。二代目タマは初代と違ってぜんぜん人見知りしない。お客の手に鼻を持っていき、さらには相手の指に鼻先をくっつけた。
嗅覚で相手の身元を特定しようというのではなくすでに自分の匂いをせっせとこすり付けてテリトリー拡張にいそしみ始める。さいわい今日のお客は大の犬猫好きで自分も子どもの頃からずっと飼ってきた後期高齢者ということもあり、猫のテリトリー拡張行動へすっかり身をゆだね、その傘下へ編入されつつあることを重々承知でタマのやりたいようにやらせてくれた。「人↔︎猫」交通/交換にとってはとてもありがたい。
飼い主として厳密にいえば、「人↔︎人」コミュニケーションと混同するのは妥当でないと考えるからでもある。人間と動物の認識論では一致する部分とどこまで行っても異なる部分と両方あるため、ただ単なるコミュニケーションというより両者のあいだで常に不均衡かつ遂に重なり合うことのない残余をめぐる「交通/交換」が逆に可能性として有意義な距離を出現させてみせ、どちらにとっても素直に可視化されて話が早い。
黒猫繋がりの楽曲はノン・ジャンルな世界へ。ユール。その2。「XWX」。アルバムタイトルだけを見れば「SOFTSCARS」なのだがこの傷(楽曲)の痛々しさはかなり深々。もっともどの楽曲もPTSDレベルなのだろうと想いはすれど、それでも「SOFT」といえるのは「Don’t Mind」という詐欺にも等しい(マインドコントロール的)励ましではまるでなく、何も知らない大人が上手いとか下手とか理解しかねるとかいうおぞましい価値基準を安易に持ち込んでくる致命的勘違いほどには痛くないからなのかもしれない。