滋賀県に引っ越してくる前から数えて三台目のパソコンを使っている。同じメーカーを愛用しこれまで何度もアップデートを重ねてきた。ところが三年くらい前のアップデート以後、それまであらかじめ付いていた文字変換機能が大幅に削られた。なかでもひどいのは外国語がほとんど出ないという危機的事態。
ドイツ語、フランス語、中国語といった世界の主要言語はいうまでもなく、ここ数年で急速に存在感を増したグローバルサウスの諸言語はまるで出ない。逆に英語は出るのだが驚くべきことに肝心の発音記号が出ない。いくら探してみても出てこない。発音記号が出ないというのは諸々の学問研究はもちろん、学問研究以前に必要となる場合が多い言語学学習にとってはどうしようもない役立たず。もはやポンコツ。
もし諸言語を打ち込みたい場合、また別にアプリケーションを購入しなくてはならないらしい。低所得者層の家計を考えるとそんな予算はない。今後購入できるかどうかの見込みも立たない。ますます情報弱者を作り出していくばかり。政府が意図的に作り出し拡大再生産させていくのであり、どれほど学習意欲があるとしても低所得者層は常に切り捨てられていく一方。さらにわるいことに、この日本の惨状を少しでも改善しようとする政治家は残念ながら与党にも野党にも見あたらない。いたとしても大勢に影響しないため嘲笑われている始末。大人のいじめは以前よりはるかに陰湿になった。
ともあれ、こんなパソコンでも迷惑メールをはじき飛ばしシャットアウトする機能はおそらく世界一。日本ではあまり知られていないかもしれないが海外では当たり前によく知られている。世界を相手にしていると言いながら実はいつも世界に対して転倒しており「ひとりよがり」ばかり繰り返し、そのつけを税金で埋め合わせる税金依存症から抜け出せないし抜け出すつもりひとつ見られない日本政府。そんな政府を積極的に支援しつづける人々のことはしらないが、その子や孫がどんな逆襲に遭うか、これまで遭ってきたかを教えようとしない教育現場。目に見えて沈没していく日本にとどまって生きていくというのはもはや困難を通り越して日に日にしらける一方なのだ。