英語圏やフランス語圏あるいはポルトガル語圏の貧困地区を舞台に、あえて「多言語」でヒップホップする人々の登場が少しずつ目に止まるようになってきた。
頭角を現したアーティストの特権的なMVのロケ地もまた貧困地区。旧植民地が多い。富裕層居住地区から貧困層居住地区を見上げることも見下げることもできる。かつてこんな動画があった。現状はますます悪化しているらしいが。
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一方アフロ・フューチャリズムの流れがフランスやドイツの実験音楽の影響下で変化を遂げてきたことはよく知られている。ところがこのところ、これといった変化が見られないというか、停滞している印象が拭えない。今後に期待といった感じ。
さて、少し前にフランスへ視察に行ったが現地での撮影写真が問題になった日本の国会議員がいる。誰と何を見て何をどのように情報交換してきたのかよくわからない。ともかく現地の人気ラッパーは次のような変化を見せている。日本の国会議員が見てもほとんど何一つわからないか、法螺丸出しで「見てきた」と言ってのけることしかできないほどの変化でしかないかもしれないが。
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画像に写り込んでいるフランスで悪名高いHLM(低家賃住宅)はもう十年くらい変化がない。大っぴらな薬物吸引シーンも出てくるがそんなことはこれまた二十年以上も前からの話で驚くことはひとつもない。
ちなみに東京五輪跡地に開発されたHARUMI FLAG(晴海高層マンション群)は五輪へたかりまくり大儲けしたマス-コミをはじめとする巨大資本が作った。しかし問題は富裕層も貧困層もなぜどちらもほいほい巨大住宅へ編入されていくのかということだろうと思う。ただ単なる新聞報道やテレビニュースをぼんやり眺めているだけではとても見えてきそうにない問題がぎゅうぎゅう詰めになっているようだ。最も重要な問題群が「大阪万博」跡地とその周辺で出現してくることは間違いないにしても。
巨大地震が来なくても問題はやって来る。その土壌をせっせと整えているのが大阪の有権者と日本政府。万博をボイコットした大国もあるにはあるが国家としてボイコットするというだけであって何もその国に住んでいるすべての人間が来場しないとはひとことも言っていない。むしろやって来る人はやって来るだろう。どんな任務を与えられているかどうかなど全然わかりはしないのだが。