ふくろう日記・別室

日々の備忘録です。

ひまわりと子犬の7日間

2013-03-25 22:06:37 | Movie
『ひまわりと子犬の7日間』予告編


ひまわりと子犬の7日間オフィシャルサイト

《キャスト》

堺雅人 (神崎彰司・元動物園飼育員・現在保健所職員)
檀れい (神崎千夏・彰司の妻・動物園飼育員・すでに他界)
近藤里沙 (神崎里美・彰司の長女)
藤本哉汰 (神崎冬樹・彰司の長男)
吉行和子 (神崎琴江・彰司の母・同居して母親代りを務めている。)

夏八木勲 (長友孝雄・愛犬ひまわりの元飼い主)
草村礼子 (長友光子・孝雄の妻)

中谷美紀 (五十嵐美久・神崎彰司の幼馴染・獣医)
でんでん (安岡・保健所職員)
若林正恭 (佐々木一也・保健所職員)
小林稔侍 (桜井・保健所職員・神崎彰司の上司)

左時枝 (松永議員)


またまた「犬」の映画ですみませぬ。

のっけから関係ないようなお話ですが、
今、とても素敵な老人役ができる役者は「夏八木勲」と「菅原文太」だと思う。
その「夏八木勲」老人が可愛がっていた犬と、老妻の死亡、そしてご自身が老人ホームに入所のために
自らの意志とは関係なく別離の時を迎える。

深く人間に愛された記憶、老夫婦の畑仕事を手伝い、食事も共にした心やさしい日々があった。
老人が息子に託した愛犬は、老人を追って行方不明に……。

野良となり、「野犬」として保健所に捕獲された時には子犬3頭の母犬になっていました。
飼い主に深く愛された記憶と、
野良時代に子犬の父犬(この言葉あったかしらん?)と出会い、ひとときの幸せな時間もあったのだろうと
想像するのは、保健所職員の「神崎彰司」だった。
犬の狂暴性は子犬を守るためではないか?とも。

狂暴な野犬として殺処分されるまでの7日間、「神崎彰司」の必死の努力が始まる。
それは父親が引き取り手のない犬を、期間が過ぎれば殺処分するという事実を知った我が子たちへの、
父としてのぎりぎりの戦いであった。
その犬に娘は「ひまわり」という名前をつけた。

ぎりぎりの7日目、「ひまわり」は人間に愛された記憶を取りもどすのだった。
その後の「ひまわり」とその子供たちはすべて「神崎家」の家族になる。
人間よりも犬の方が多い(すでに2頭いる。)家族が出来上がる。

めでたしめでたしとはとても言えない。
犬は記憶する生き物だということを知っておこう。

春分の日に。

2013-03-20 00:47:43 | Poem


天使に寄す  リルケ   富士川英郎訳

たくましい 無言の 境界に置かれた
燭台よ 空は完全な夜となり
私たちはあなたの下部構造の暗い躊躇のなかで
むなしく力を費している

私たちの運命は内側の迷宮の世界にあって
その出口を知らぬこと
あなたは私たちの障壁のうえに現われ
それを山獄のように照らしている

あなたの歓喜(よろこび)は私たちの世界を超えて高く
だが 私たちはほとんどその沈滓(おり)を捉えることはない
あなたは春分の純粋な夜のように
昼と昼とを二分して立っている

誰にできようか 私たちをひそかに濁らせている
この調剤をあなたに注ぎこむことが。
あなたはあらゆる偉大さの光輝をもち
私たちは区々たる小事になれている

私たちが泣くとき 私たちは可憐のほかのなにものでもない
私たちが見るとき 私たちはせいぜい目覚めているにすぎない
私たちの微笑 それは遠くへ誘いはしない
たとえ誘っても 誰がそれについてゆくだろう?

行きずりの或る者が。天使よ 私は嘆いているだろうか?
だが その私の嘆きはどんな嘆きだろう?
ああ 私は叫ぶ 二つの拍子木をうちたたく
でも 私は聞かれることを思ってはいない

私がここにいるとき あなたが私を感じるのでないならば
叫ぶ私の声もあなたの耳に大きくなりはしないのだ
ああ 耀けよ 耀けよ 星たちの傍らに
私をもっとはっきりさせるがいい なぜなら私は消えてゆく


  *     *     *

「春分の日」になると、この詩を思い出します。

あなたは春分の純粋な夜のように
昼と昼とを二分して立っている


「春分」であれ「秋分」であれ、この日の夜と昼は美しく二分される。
「春分点」と「秋分点」となる。
この美しい昼と夜の時間は天使が支配しているのか?