ふくろう日記・別室

日々の備忘録です。

百人一首我流解釈 31~33

2023-06-04 11:01:35 | Poem

31

朝ぼらけ 有明の月と みるまでに

吉野の里に 降れる白雪 (坂上是則・さかのうえのこれのり・生没年不詳)

 

明け方に、月の光が地上を照らしているのかと思うほどに、吉野の里は一面の雪である。

 

32

山川(やまがは)に 風のかけたる しがらみは

流れもあへぬ 紅葉なりけり

(春道列樹・はるみちのつらき・生年未詳・遠喜二〇年・九二〇年没)

 

「しがらみ」とは、水の流れをせき止めるために、川に杭を打ち込んだもの。

農業用水を引く設備であるが、ここでは人ではなく、風が仕掛けたと言っている。

おそらく、思いをせき止められたのではないか? 柵。これを「しがらみ」と読むらしい。

 

33

久方の光のどけき春の日にしず心なく花の散るらむ 

(紀友則・九〇五年頃没・享年六〇歳くらい。)

 

紀友則は、貫之の従兄である。古今集の撰者の棟梁であった。

しかし古今集の完成をみないまま他界している。


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