した した した。。。
こう こう こう。。。
はた はた ゆら ゆら はたた。。。
この物語は音楽のようだ。。。
この「死者の書」の物語の舞台は奈良時代の平城京。
最も新しい文化であった仏教を軸にして、語り部による当麻寺を麓に抱いた二上山の伝説、
その時代の富と権力の争い、疫病など・・・さまざまな要素が盛り込まれた物語である。
大津皇子(天武天皇の皇子)は「磐余の池」にて非業の死を迫られたこと、
その処刑の直前に、
皇子に一目逢おうと駆けつけた「耳面刀自(みみものとじ)=藤原鎌足の女。不比等の妹。大友皇子の妃」の美しさのために、
死者となってからも皇子の魂は鎮まることがなく、五十年後に彷徨い出ることになる。
その魂に呼ばれたのが、「藤原南家郎女(ふじわらなんけいらつめ)=藤原武智麻呂(むちまろ・不比等の子)の子の豊成の娘」であった。
この物語の主軸は、清らかな生者の郎女による、死者大津皇子の「魂鎮め」であるだろう。
そして民俗学者・歌人・詩人である折口信夫のあらゆる美的要素が凝縮された「書」であることも見逃すことはできない。
ひさかたの 天二上(あめふたかみ)
二上の陽面(かげもと)に、
生ひをゝり 繁(し)み咲く
馬酔木の にほへる子を
我(あ)が 捉(と)り兼ねて
馬酔木の あしずりしつゝ
吾(あ)はもよ偲ぶ。 藤原処女
以上、簡単なメモを記しておきます。
この書物に出会ってから、一度行きたいと思っていた、奈良の「当麻寺」に行ってきました。
このお寺に居た時間が、今回の旅行の4日間のなかで、最も雨の激しい時間でした。
二上山は、現在では「にじょうざん」と呼ばれています。
当麻寺 仁王門
後に見えるのが二上山