エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

配慮が行き届いていて、陽気で楽しく繰り返される、日々の習慣

2013-07-23 03:28:04 | エリクソンの発達臨床心理

 

 日常生活の礼拝という習慣は、

1) 陽気で楽しい に形を与える、つまり、陽気で楽しいパターンを創る

2) その陽気で楽しいパターン独特の真面目さと結びつける。

このことは、人と関わる時に、いつも何度でも、意識していきたいことですね。

 ここでは、日常生活の礼拝がさらに詳しく検討されます。

  Toys and reasons p.78の最後のパラグラフ-p.79

 

 

 

 

 

 動物行動学者たちは、ジュリアン・ハックスレーの提案を追跡調査してきました。この提案は、「礼拝(ritualization)」という言葉は、進化の中で前もって形成された儀式的行動に対して使うべきだ、ということです。それは例えば、つがいのペンギンたちがやる、芝居がかった挨拶の儀式です。それは、オスのペンギンたちが、いくつもの海を越えた長旅から戻ってきた時にするものです。それによって、オスのペンギンたちは、自分自身の身元と自分のパートナーと子ども達の身元とを確かめるのです。このパートナーと子ども達は、込み合った群生地のおびただしい数の巣の中にある、たった一つの正しい巣で、オスのペンギンの帰りを待っています。このような礼拝になったやり取り(ritualized interplay)は、ここでは「本能的」ですが、適応する上で一番大事なメッセージをお互いに伝え合うで、1つの絆を価値あるものと認めるのです。「礼拝」と呼ばれることもある、人の暮らしの中にある同様な現象は何か? を考えてほしいと聞かれれば、私がまずしなくてはならないことは、いろいろな儀式や定期的な行事を大がかりに執り行うことを、日々のやり取りのこまごましたパターンに形を与えることから区別することです。この最後の意味で(日々のやり取りのこまごましたパターンに形を与える、という意味で)、礼拝とは、形にこだわること即興性間が合うことの組み合わせです。礼拝は、毎日の習慣としての「決まり事」の方に、定期的に行われる行事としての儀式よりも、近いです。もっとも、日々の習慣が儀式のニーズを作り出して、大がかりな儀式において、そのニーズが定期的に満たされることとなるのですが。しかし、儀式を執り行うことに対する様々な言葉には、語源的な源と使用法に共通するものがあります。私は次のように結論付けるのですが、この礼拝に共通することは、秩序だった空間と時間」と申し上げるのが、一番適切ですし、また、配慮の行き届いた、陽気で楽しく繰り返される、毎日の習慣にしていることに当てはまるのです。まず手始めに、赤ちゃんを歓迎する方法から始めましょう。

 

 

 

 

 今回は日常生活の礼拝の特徴が、具体的に詳しく示されました。それを以下に示します。

a) 形にこだわる(時間・場所・やることが約束になる)

b) 即興性がある

c) 間が合う

1) この3つを組合せて、日々のこまごましたやり取りをパターン化することです

2) そうすると、そのパターンができた時空は、秩序だった時間と空間になります

3) また、この日々のこまごましたやり取りのパターンは、配慮の行き届いた、陽気で楽しいパターンであり、それが毎日続くこととなります

 この3つがあれば、「私たちは幸せだ」と言わずにいられる人は一人もいないはずです。 ですから、ぜひとも、すべての大切な人との関わりにおいて、ハッキリ意識して、わざと日常生活の礼拝という習慣を活用してほしいものです。

コメント
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