今晩は、「民主主義の約束」を考えます。約束がいかに好きか分かりますでしょ。
以前、信頼こそ、民主主義の基、とブログに書いたことがありました。信頼があればこそ、民主主義は生きる訳ですね。デンマークとスウェーデンの教育施設、福祉施設、地方政治の現場を歩いて、あるいは、そこで世話になった日本人(ストックホルムの大滝昌之さん、コペンハーゲンの千葉忠夫さん https://www.youtube.com/watch?v=o7zUQf2IpgAで千葉さんのお話が聴けます)の話を聴くと、デンマークでも、スウェーデンでも、実によく≪話し合い≫をしていることが分かります。以前にも書きましたよね(ハンナ・アーレントと「やり取りのない仕事ぶりは、ダメよダメダメ」、日本の公教育の病理 その5 主権在民の忘れ物)。今晩は、この千葉さんの話を手掛かりとして、考えます。
民主主義の基本は、物事を決める時には、徹底的に話し合うということです。逆に申しますと、徹底的に話し合うことが、物事を決める時の≪約束≫になっている訳ですね。話し合いが徹底すればするほど、人間らしい暮らし、幸せな暮らしができるからです。先の千葉忠夫さんのお話を聴けばわかりますが、デンマークでは、徹底的に話し合うことが現実にありますよね。ですから、日本人には信じられないくらいに人間らしい暮らしが実現しています。小学校から大学まで、教育費は無料です。医療費も無料です。福祉施設も無料です。保育所も、高齢者施設も無料です。4万人も、300万人も、保育所に入れないことはありませんし、50万人もの人が高齢者施設に入れないこともありません。また、国民年金を貰うのでも、掛け金が皆無ですから、一度も働かなかった人でも、65才になれば、どなたでも同額の国民年金をもらえます。考えてみてください。教育費も0円(デンマークはクローネですが)、保育所代も0円、高齢者施設利用料も0円、歯医者に行っても、手術をしても、0円です。それでいて、年金は全員が平等に貰えます。
千葉さんは「民主主義の同義語は?」と問います。何でしょうね? 日本人に聴いても分からない場合が多いのだそうですが、千葉さんが挙げるのは、「主権在民」です。主権在民とは、社会に対して、政治に対して、能動的であることです。さらに、「今の日本に「自由」や「平等」がありますか?」と千葉さんは問います。東芝や西武学園だけじゃなくて、いろんな組織で、物を自由に言えない空気がありますよね。ジャーナリストは言論の自由の砦なのに、政権や上司の眼と拳が怖くて、ものがハッキリ言えません。不自由ですね。日本軍の兵隊と同じくらいの不自由さですね。様々な差が、ワーキングプアなどという、非人間的な労働環境、すなわち、派遣労働という非人間的な、人間を蔑ろにする制度を、公に是認することが、貧困と不平等をもたらしている訳ですね。社会連帯に関して言っても、高い税、25%の消費税を払っても、満足しているデンマークと、「節税」という言葉があり、税金に対する不満が多い日本の差。政治や行政に、ウソやゴマカシが多すぎるからでしょう。
デンマークでは、原発も、国民がよく話し合った結果、原発なしで済ませています。原発をデンマークでは一度も建設も輸出もしたことがないそうですね。
かたや、戦争法案、辺野古の基地、新国立競技場、非正規雇用法、原発再稼働、原発事故の健康被害を調査しないこと、福祉施設を非人間的な状況から改善しないことなど、国民に話し合いのチャンスもなく、アベシンちゃんと悪魔の仲間たちが勝手に決めて、勝手に押し付けようとしています。
自由にものを言い、話し合う、という、民主主義の約束を守らないからです。
私どもは、人間らしい暮らしを少しでも実現するために、自由にものを言い、話し合いを大事にして生きたいものです。
これが、民主主義の約束です。
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