単に「勤勉性」ですと、お役所仕事との区別が区別がつきませんでしょ。丸山眞男教授が「無責任の体系」と呼び、ハンナ・アーレントが「人類への犯罪」と呼ぶ、「お役所仕事」は、ある意味、型通り、という意味では「勤勉性」そのものでしょ。でもそれだと、幼児前期の、心と心が響き合わない傾向である legalism「お役所仕事」と、心と心が響く関係であるindustryが同じになっちゃいますでしょ。ですから、industryは「勤勉性」なんじゃなくて、「自分の感じをきちんとした形にして出しても良い感じ」であって、いつでもイキイキ、ピチピチ、悦んでいる状態ですよ。お役所仕事じゃ、自分の感じは死んでんですからね。
The life cycle completed 『人生の巡り合わせ、完成版』、p75の第1パラグラフ、下から9行目途中から。
また、この舞台の子どもは、遊ぶことだけじゃなくて、学ぶことも好きになりますよね。しかも、何かを作り出すエートスに合致するような技術を一番熱心に学びたがります。仕事の役割のある種のヒエラルキーは、遊んだり働いたりする子どものイマジネーションに入り込むのですが、それは、実現できそうなのか、それとも、あくまで想像上のものかは別にして、理想の実例です。その理想の実例は、いろんなことを教えてくれる大人たちであったり、伝説や歴史や小説のヒーローであったりします。
子どもが、いろんな戦闘者のヒーローや、アニメのキャラクター、少女漫画の主人公が好きなのは、ある種の仕事上の理想像なんですね。子どものイマジネーションって、常識や通念から自由でしょ。その中で、いろんな可能性をイメージしてもらいたいでしょ。そのためには、子どもにその自由を認め、許す大人が、少なくとも一人必要です。いろんなルールや、大人の常識を、子どものイマジネーションに持ち込むのは、考え物。そうでない自由な時空を、あなたも是非プレゼントしてあげてくださいね。
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