エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

雷がくれた変化

2013-12-26 05:22:17 | エリクソンの発達臨床心理

 

 ルターは、命懸けで信じるものを探している、という感じですね。

 

 

 

 

 

 ルターの立場は、心の病か? それとも、宗教的に新しいものを創り出すのか? の分かれ目である、と見ることもできるかもしれませんね。それから、多分ルターは3つの(あるいは、それ以上の)別々でバラバラな経験の中に、1つの完全な天啓の要素を聞きつけていたのだろうと思われます。その1つの完全な天啓は、他の人たちであれば、1つの爆発的な出来事の中で手に入れたと言われるものです。その要素をまた一覧にさせてください。体の発作、無意識の深さ、知らないうちに話し言葉が口から出ること、努力したり、強く願ったりする方向を完全に変えなさい、という命令、それと、霊的な天啓。つまりそれは、ひらめく様な気付きですし、ハッキリとした全人格的再生です。雷によって、ルターは人生の完全なる方向転換もたらされました。それは、匿名へ、沈黙へ、服従へと向かう変化です。聖歌隊での発作のような発作では、ルターは、自我を失うようなてんかん発作と、捨てられるはずのアイデンティティを否定されることに対する激しい怒りを経験したのでした。そして、後になって、あの「塔の経験」の中で、それは第5章で議論する予定ですが、新たしい霊的な答えのきらめきを得たのでした。

 

 

 

 

 病気と見まがう発作が、ルターの人生を完全に方向転換するほどの変化をもたらすことになったのでした。それは実に不思議な出来事だと、言うべきでしょう。

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