Piers, Maria W.編、Play and Development.所収のPlay and Actuality.から。p.128、第2パラグラフ。
一番気持ちを抑え込んでた子ども以外すべての子ども等が、非常に熱心にこんな積木遊びをするのは、いつものことなのに、常に驚かされることです。ちょっとやり方を話した後で、その子どもが観察者を会話に誘い込み、おもちゃを色々操作して、あるいはまた、そこにあるいろんな玩具のセットをどう料理するかを眺めてから、おもちゃ選び、おもちゃをどこに置くか、どの人形とどの人形を一緒にするのかに子どもは没頭します。それはまるで、確固としたテーマと決まった形式を、突然積木が「出来た」と宣言するまで、追っかけているように見えます。その時、子どもの顔を、「僕が作りたかったことはこれです」と言わんばかりの表情をする場合が多いですね。それから、「出来て良かった」という顔にもなりますね。
エリクソンが一流の臨床家であることをハッキリと示すところです。子どもが言葉では伝えきれずにいたことを、積み木や玩具や絵や箱庭などで示せたときの満足感、悦び。子どもは不思議に自分に本当に必要なことを「知っている」んです。それを遊びを通して、表現していることが実に多い。
それを決まった形のセラピーにするのが、エリクソンがここでしている積木遊びであり、箱庭療法であり、コラージュ療法などです。子どもが本当の気持ちを表現するのは、子どもの気持ちに耳を傾ける大人の姿勢とセットです。
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