エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

「叡智」と「まとめる力」

2016-01-24 10:29:09 | エリクソンの発達臨床心理

 
『不思議を感じる感じ』 より
  昨日で『人を大事にする術』の翻訳が完了。 今日は、レイチェル・カーソンのThe Sense of Wonder 不思議を感じる感じ から p52。&n...
 

 

 エリックとジョアンは、共に人生の巡り合わせの地図を、半世紀以上の歳月を費やして、文字通り命がけで、編み出したのでした。

 The lie cycle completed 『人生の巡り合わせ、完成版』の始めに戻って、「完成版の前書き」、p.5の、第3パラグラフの6行目途中から。

 

 

 

 

 

1940年代初め、人生の巡り合わせで力となる倫理的態度に一番ふさわしい言葉を、あれこれと探している時に、私ども2人は、「叡智」と「まとめる力」を、高齢期に成熟するようになる最後の生きる力に選びました。私どもは最初、「希望」も高齢期に成熟するようになる最後の力と考えたんですけれども、そして、それは、希望こそが私どもが生きていくうえでなくてはならないものだからですし、他の生きる力にとっても必要なものだからですが、希望は、赤ちゃんの頃からずっと必要不可欠なものですから、希望は一生持続するものであるとしても、希望が熟するのに長々とした時間が必要なわけでは必ずしもありません。「叡智」と「まとめる力」を高齢期の生きる力として名付けた後で、私どもは今までずっと、この言葉を選んだことが果たして正しかったのかなぁ? って、あれこれ考えてきました。

 

 

 

 

 エリクソン夫妻は、半世紀以上を掛けて、言葉1つでも吟味し続けていたことが分かります。たんに、学問的なものでもないことも、ハッキリと分かりますよね。

 

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