先日の名月です。
発達トラウマ障害(DTD)=愛着障害の子ども。ヴァン・デ・コーク教授の The body keeps the score : brain, mind, body in the healing of trauma 『虐待されたら、意識できなくても、身体は覚えてますよ : 脳と心と身体がトラウマを治療する時どうなるか?』p.143、ブランク下、第2パラグラフから。
クリス・ペリーのデータベースが、病院の外来で治療を受けたすべての患者さんに関する情報を追っていました。その中には、自殺や自傷に関する報告も含まれています。3年間セラピーをすると、だいたい3分の2の患者さんがとてもよくなりましたね。今課題なのは、どの患者さんがセラピーがうまくいくのか? どの患者さんが、自殺と自傷を続けるのか? という問題です。患者さんの現在の行動をTAQ(トラウマ・アンケート調査票)と比べると、いくつかの答えが分かってきます。自傷を繰返す患者さんが私どもに言ったことは、「子どもの頃、誰かと一緒にいてホッとしたことがありません」ということでしたね。すなわち、彼らが報告してくれたことは、見捨てられたこと、たらい回しにされたこと、「自分で何とかしなさい」と言われたことでした。
見捨てられた経験を一度でもされることが、いかに重大なことなのかが解かりますね。
残念ながら、弟や妹が出産する時、上のお子さんが3歳前後である場合は、病因出産は止めた方が良い、ということをほとんどの人は知りません。あるいは、子どもが4歳位になるまでは、母親が夜勤をしない方が良い、ということを知っている人も稀です。いずれも、子どもが「見捨てられ不安」を一生抱えることになる危険が、非常に高いのです。
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