エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

#ハプニングを超えて

2019-12-11 06:22:11 | ヴァン・デ・コーク教授の「トラウマからの
 



#製薬会社と医者 #貧しいものと国家財政 の #敵
 #身構える? #和む?  現代考 : 法人税収の落ち込みと、報道統制    御言葉と音楽の力   日本の公教育の病理 その6 組織に対する偶像崇拝と≪超越≫する価......
 

 

「発達トラウマ障害 Enpedia」  をご参照ください。  
 
 
 ヴァン・デ・コーク教授の  The body keeps the score : brain, mind, body in the healing of trauma 『大切にされなかったら、意識できなくても、身体はその傷を覚えてますよ : 脳と心と身体がトラウマを治療する時どうなるか?』 は,翻訳が終わりましたが,印象的な言葉を適宜拾ってみようと思います。 
 
 p.113のブランク後から。
 今朝は,p.114の第3パラグラフから。
 
 
 
 
 
心響かせることに身を入れる
 
 子どもたちは,お母さんみたいな世話をしてくれる方にならどなたにでも,くっ付くようになります。しかし,そのくっ付くことの本性から,それが安心できるものでも,安心できないものでも,1人の子どもの人生の行程は,天国と地獄の差ができます。子どもが心から安心できるくっ付きができるのは,子どもを世話することが,子どもの気持ちに心響かせることが含まれる場合(訳注:だけ)ですからね。心響く関わり合いが始まるのは,赤ちゃんと母親の間にある,目には見えない身体レベルのやり取りからです。お母さんに心響かせる関わりをしてもらえると,赤ちゃんは,ピッタリと一心同体になり,分かってもらえた,という気持ちになります。エディンバラ大学でアタッチメントを研究するコリン・テレヴァーサンの話では「脳は,身体がリズムのある動きをするのにピッタリと響かせますし,リズムのある自分の身体の動きを,他の人の脳にピッタリと響かせるように,動かすようにもします」ということです。赤ちゃんはお母さんのお喋りを音楽みたいに聴いたり,受け止めたりします。お腹の中でも。
 第4章で,私はミラーニューロンを発見した話をしましたね。ミラーニューロンとは,脳と脳が結び付いていて,共感できるようになっている,というものでしたでしょ。ミラーニューロンが働き始めるのは,赤ちゃんが生まれた直後からなんです。オレゴン大学の研究者のアンドリュー・メルツォフは,生まれて6時間の赤ちゃんに向かって,唇をすぼめたり,舌を出したりすると,赤ちゃんは,すぐに鏡になって,唇をすぼめたり,舌を出したりしました(生まれたばかりの赤ちゃんは,20センチ~30センチの範囲にあるものしか見えませんが,それは,自分を抱っこしてくれる人を観るのには十分なんです)。真似をすること,私ども人間に与えられている一番根っこにある人と関わる術です。真似が根っこにある人と関わり全て術ですから,親や教員や仲間の行動から,選んで真似しているんです。
 親は自分の子どもと自然に関わる人がほとんどですから,どうしたら心響く関わりが展開していくのか,気が付かない場合がほとんどでしょう。ところが,お友達から誘われますと,アタッチメント研究者のエド・トロニックが観察するチャンスをプレゼントしてくれたのですが,どうしたら心響く関わりが展開してくのかを,もっと注意して,気付くことができます。ハーヴァード大学人間発達研究所のマジック・ミラーを通して,私が見たのは,生後2か月の赤ちゃんと遊ぶ母親でした。その母親は,助けられて,自分と正対して座る赤ちゃんと共に居ることができました。
 2人は,お互いに優しい声で囁き合い,素晴らしい時間を過ごしていました。その素晴らしい時間は,お母さんが赤ちゃんに身を近づけて,赤ちゃんが興奮して,お母さんの髪の毛をぐいと引っ張るまで続きました。




 赤ちゃんが乳首を噛んだり、お母さんの髪を引っ張ったりするのは,小さなハプニングで,お母さんは「痛い、コラ」になりやすいですね。
 そのハプニングを乗り越える心のしなやかさが,お母さんにも必要です。
 訓練と実験が大切になります。
 

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