エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

インターメッツォ: アダムから学んだことは、1つじゃぁ、ない :人間らしい心

2016-10-22 06:29:30 | 間奏曲

 

 

 
偽装マンション : ウソとゴマカシの真犯人は、誰だ?
  非暴力こそ、世代と世代を繋ぐ務め!  嬉しい約束が、臨床でなぜ大事なのか? それは福音だからです。福音は信頼と希望の源なんですね。 p356第4パラグラ......
 

 

 ヘンリー・ナウェンの『魂の向き』Spiritual Direction を味わいます。今宵は、p.44。ナウェンさんのお話の続き。話すことも、歩くこともできない、身の回りのことできない、重たい知的障害の青年、アダムとの暮らしについて、語ります。ナウェンさんはそのアダムの「支援員」のような暮らしを始めまして、言葉もしゃべれないアダムから、大事なことを学びます。

 

 

 

 

 

 アダムは別のことも教えてくれました。「気持ちは、頭よりも大事だ」ということです。…トーマス・アクィナスが言ってませんでしたかね、「人間は考える動物だ」って。人生をまず知的に考えることって、私にとって、とっても大事なことだったんですね。

 私は、アダムが何を考えているのかよく分かりませんでしたけれども、次第に、アダムには心があること、人間らしい温もりに満ち溢れた心があることが、心の底から分かったんです。人間を人間たらしめることって、人を大事にし、人から大事にされる気持ちをやり取りする、その気持ちだ、ってことです。アダムは、私にすっかり身を委ねてくれる時、アダムは、アダムが心の底から信頼する気持ちのお陰で神様がひとりびとりをどれだけ大事にしてくれているのか、ということを教えてくれましたし、私もアダムを大事にする気持ちになれました。それはそれは、言葉や行いでは、およそはかり知ることのできない親しみでしたね。

 

 

 

 

 

 すっかり身を委ねる。信頼していない相手に、無理な話ですね。アダムは、それをいとも簡単に、ナウェンさんに日々してたんでしょうね。

 心から信頼する。簡単な話ではないですね。アダムは、それをいとも簡単に、具体的な形で、ナウェンさんに示し続けたんでしょうね。

 アダムのお陰で、ナウェンさんは、神様がひとりびとりを、どれだけ大事に思ってくれているのか、それに心の底から気付かされたんですね。

 

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