「本当のこと」を言う勇気子どもの頃のセンス・オブ・ワンダーほど大事なものはございません 愛着障害について、「威圧的な指導は禁忌」とされていることが、アメリカ精神医学会で、愛......
Paul Frewen , Ruth Lanius (2015) , Healing the Traumatized Self consciousness, neuroscience, treatmet 『トラウマを負わされた自分に対する囚われから自由になること 意識、脳科学、治療』の翻訳。発達トラウマ障害(DTD)=愛着障害の子ども、大人。
最終章の第7章。キムさんのお話は昨日でおしまい。今日は、p.293、10行目途中から。
言葉を変えて申し上げれば、「こころの理論」とは、人がお互いに相手のことを予測したり、相手のことを解釈ししたりしやすい心の傾きのことです。それは、お互いの見た目に現れていることもないことも両方です。しかし、ここで指摘しておきたいことは、自分が「あの人の経験はこうに“違いない“」と思っていることは予測にしか過ぎない、という、皆もある経験です。相手の見た目の状態に似た自分の経験は、相手の実際の意識を正確に写し取ったものではないかもしれませんでしょ。たとえば、あなたがかすかに笑ったことは、私に好意があるからだと思うかもしれませんし、あるいは、私をバカにしていると思うかもしれません。あなたが目を逸らせば、別のことを考えているんだろうと感じる場合もあれば、私のことなか嫌いなんだなぁ、と受け取る場合もありますでしょ。
自閉症の子ども達が、人の心が分からない、ということを示すために、「こころの理論」が盛んに言われることがありましたし、今もありますね。でも、ここでラニウス教授らが示してくれているように、それは私どもの心の動きの一部を言っているにすぎず、「こころの理論」では説明のつかない事実の方が、遥かに多いでしょ。自分のことも予想が外れる場合が多いのに、お他人様に対する予想は、外れはもっと多いでしょ。
発達トラウマ障害(DTD)の子どもたちのことは、さらにさらに、「こころの理論」では到底説明できませんし、通常の自分の心理や行動からは、とてもとても、説明できるものではありません。
必要なのは、どこまでも、ロジャースの言う「共感的理解」です。
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