エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

日本人は、動物並み!

2015-10-08 06:23:11 | エリクソンの発達臨床心理

 

 エリクソンのライフサイクルの心理学のまとめを読みますと、エリクソンって、実に人間の心の真実をよく知ってるなぁって、感心しますでしょ。日本人は、外面を整えることに、非常に傾く傾向になる分、中身が整わない。特に、高度成長時代以降、なかんずく、バブル崩壊以降、いっそうその傾向を強めていると、私は考えます。

 しかし、この傾向は、日本の伝統、という訳ではありません。日本には、浄土真宗や禅など、非常に深く内省する伝統があるからです。でも、バブル経済後、多くの経営者が、目先の利益の囚われて、ウソとゴマカシに、巨大不正にと、落ちて生きましたよね。東芝や東電や朝日新聞などがそうでしたね。その中で、企業経営で手腕を発揮してきた稲森和夫さんは、仏教に造詣が深いそうですね。

 The life cycle completed 『人生の巡り合わせ、完成版』p.80のブランク後の、8行目途中から。

 

 

 

 

 

しかし、共感する力も、反感する力(withdrawal ウィズドロウアル 「やり取りから単に離れたり、やり取りせずに相手をコントロールしたりしようとすること」から、disdain ディスデイン 「人を人とも思わない、底意地の悪い気持ち」まで)と対になっていますでしょ(E)。心と心が響き合う可能性や心が心と響き合わない可能性も、また、共感的な可能性や反感的な可能性も、人間が時代や社会に適応するために必要です。というのも、人間って、「本能のまま」、周りの自然環境に適応しながら、動物みたいに発達するんじゃぁ、ないからです。周りの自然環境は、肯定否定、両面のいろんな反応が、ハッキリと別々にありますもんね。人間って、そうじゃなくて、長い子ども時代を過ごしながら、自分と人を大事にしたり、人を攻撃したりする「生まれながら」の反応を、人からポテンシャルを引き出してもらいながら、発達させるわけですね。

 

 

 

 

 人間は、動物みたいに、自然環境を既存のものとして、何ら変更を加えずに適応しながら発達するものじゃぁないんですね。人間は自然環境にも、社会にも、働きかけながら、それに変化を加えながら、真の教師からポテンシャルを引き出してもらいながら、発達するものです。

 その点、会社や組織、制度などを既製品と考えて、それに適応することが多い日本人は、動物並み、と言えるのは、丸山眞男教授がつとに、指摘している点ですね。

 

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