エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

思春期に生じる人間力

2015-09-07 06:51:18 | エリクソンの発達臨床心理

 

 ≪本当の自分≫を生かして生きるために、意識的に価値を選択していきたいものです。

 The life cycle completed 『人生の巡り合わせ、完成版』、p73の第2パラグラフから。

 

 

 

 

 

 思春期に生じる、特有の人間力、つまり、fidelity フィデリティ 「損得を超えて、忠実であること」は、赤ちゃんの時のtrust トラスト 「人を自分と同じくらい信頼すること」と、大人のfaith フェイス 「神様を信頼すること」と強い結びつきがあります。親の道案内から、良い教師と指導者の道案内へと変わって、fidelity フィデリティ 「損得を超えて、忠実であること」は、自分の価値を伝えてくれるものを、熱心に信じようとします。たとえ、その価値が「生き方」にそれとなく現われる「人生のハビット」であっても、暴力的に眼に見えるものであっても、信じようとします。

 

 

 

 

 思春期のfidelity フィデリティ 「損得を超えて、忠実であること」も、非常に幅広いものですね。高校野球を見て、その健気な姿に現れるのも、この思春期特有のfidelity フィデリティ 「損得を超えて、忠実であること」ですし、それが見るものを感動させもしますよね。しかし、これがイジメ集団に対してfidelity フィデリティ 「損得を超えて、忠実であること」になれば、川崎の中学生が集団に殺された事件にも繋がっています。

 ですから、ここでも、どんな価値にfidelity フィデリティ 「損得を超えて、忠実である」か? が、問われます。

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