「遊びのおばさん」のなりたい、と言う2年生の女の子。「どうやったら、『遊びのおばさん』になれるの?」という問いに、どう応えるのか? それは、簡単なことではありません。ヒルマンの言葉を、直接言ったんでは、まだまだ、理解できないことでしょう。「元型」、アーキタイプとは、心理学を学んでいても、特に日本人には馴染みがありませんから、分からない人の方がむしろ多いんじゃぁないかしらね。まして、子どもに元型と言ったって…
元型は、アーキタイプですから、「最初の形」です。「はじめに言葉があった」の「始め」です。日本の時間は、加藤周一さんによれば、初めも終わりもありません(『日本文化における時間と空間』)。ですから、「始め」を想定することは、日本人には、「想定外」なんですね。
「何か良い絵本がないのかなぁ?」 それで思いついたのが、大好きなレオ・レオニの『じぶんだけの いろ』。「遊びのおばさん」になるには、まず、その女の子が「じぶんだけの いろ」を生きなくてはなりません。なぜなら、人は「じぶんだけの いろ」を生きられないことが、あらゆる心の病の根っこにあるのですから。セラピーやカウンセリングは、ですから、その人が「じぶんだけの いろ」を生きられるようにお手伝いをすることなんですから。
でも、この絵本を渡しただけでは、足りない感じです。そうだ、この絵本を読み聞かせてあげよう、ってわけですよ。すると、絵本の味わいがぐっと深まりますからね。絵本は、大人が子どもに読み聞かせるものだからです。絵本は、なによりも、「声の力」を頼りのしているからなんですね。
ですから、あの女の子に、『じぶんだけの いろ』を読み聞かせてあげよう、ってことになりましたよ。
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