エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

オヤジの役割

2015-06-13 08:08:15 | エリクソンの発達臨床心理

 

 良い子、悪い子を分けることが、「人間を上下2つの分けるウソ」を生み出すことになります。

 The life cycle cpmpleted 『人生の巡り合わせ、完成版』、p46の下から2行目途中から。

 

 

 

 

 

良い子、悪い子のイメージは、その子どもが、「お前はまだ幼すぎる」だとか、「お前はちょうどいい年頃だ」とか、「お前はもう大きいんだから」だとか、絶えず言われることで、ますますそのイメージが強まるのかもしれませんね。良い子、悪い子のイメージができるのは全て、大事ないろんな愛着関係の行動範囲内のことです。そのいろんな愛着関係の行動範囲には、年上の子どもたちやら、親たちやらも含まれますし、父親がだんだん大事な存在と見なされるようになります。いろんな「いいよ」といろんな「だめ」を強調するけれども、脅かしたり、禁じたりする見た目を、慈しみ深く、指針を示してくれる見守り役を務めることによって、和らげるのが、野太い声で筋骨隆々の父親がやるべきことになります。

 

 

 

 

 ここで初めて、母親から父親にバトンタッチということになります。

 でも、注意しなくちゃならないのは、十分に甘えて、ホッとできる関係があって初めて、「いいよ」と「ダメ」を言われても、子どもは大丈夫になる、ということなんですね。今どきの「愛着障害」の子どもだらけですと、何歳になっても、「いいよ」「ダメ」を言われても、大丈夫ではありません。そんなことを言われたら、愛着障害の子らは、反発や恐怖心を感じて、聞き入れることができません。あるいは、聞き入れたように見えても、それはそのように「演じている」だけなんですね。ここらへんの事情が分かると、子どもとの関わりに深みが出ますよね。

 

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