エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

上辺の付き合いが好きな日本人

2014-11-25 10:00:42 | エリクソンの発達臨床心理

 

 何でもかんでも消費していると、問いを問うことを忘れちゃう。すると、自分の頭で考えることも止めて、自動人形になっていきます。そのようにして、人は知らず知らず「最悪」に加担していくわけですね。それを、鋭くも悲しく指摘したのが、かのハンナ・アーレントですね。

 p81第2パラグラフ。

 

 

 

 

 

 人を大事にすることに関心がある状況は、必然的に、現代人の社会的な性質に応答します。機械仕掛けのロボットは人を大事にすることなどできません。機械仕掛けができることと言ったら、「個性の小包」と安売りの希望を交換することくらい。人を大事にする気持ちを表現する一番大事なやり方、特に、自分をなくしちまった機械と化した人と結婚することを表現する一番大事なやり方は、その「チーム」の考えです。このように描写することは、問題を起こさずに働く従業員の考えとは、それほど違いがありません。すなわち、その人は、「理に適って独立的に」協力的で、忍耐深くあるべきですし、それと同時に、野心的で意欲的であるべきだ、という訳ですね。

 

 

 

 

 抽象的記述のところだけ訳すと、「何のことやら」と思う方が出るかもしれませんね。明日、具体的記述の部分を訳します。

 要は、現代人は、結婚においてさえ、本音の付き合いよりも、上辺の付き合いしかしてない、ということを言いたいようですよ、フロムは。ですから、離婚が多いのもある意味必然でしょうね。

 上辺の付き合いが好きなの点、日本人は、欧米人よりも一歩抜きん出てますね。結婚しても、男も、女も、仕事から戻るのが、子どもが寝る時間、20時以降、ということがざらでしょ。北欧のように、「週35時間で、残業0、通勤は1時間以内」が常識じゃあないのでね。欧米人は「不可思議に思う」ようですよ。親になって、子どもが寝てから帰宅するような働き方をしている日本人を。

 日本人全体が、自分を騙してませんか?

 

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