2年前(2014年)、心理臨床学会の招聘講演で、発達トラウマ障害(DTD)について講演した、Ruth Lanius ルース・ラニウスさんらが昨年出した本、Paul Frewen , Ruth Lanius (2015) , Healing the Traumatized Self consciousness, neuroscience, treatmet 『トラウマを負わされた自分に対する囚われから自由になること 意識、脳科学、治療』の翻訳。 発達トラウマ障害(DTD)のセラピーの目的がハッキリ示していて、良かったですね。
最終章の第7章、p.277の、ブランクから。
安心と安全、信頼と希望 : 変化の最初の要素
ジュディス・ハーマン(1992b)は、セラピーがもたらす変化の基本方針について、『トラウマと回復』というジュディスの本で、述べています。効果のある治療の基本方針は、今の一流のセラピストによって、確認されています(クロイターら、2011, カートイスとフォード、2009, フォードとカートイス、2013, ソロモンとシーガル、2003)。表7.1は、セラピーの過程を詳細にお示ししたものですが、その過程を通して、TRASCとトラウマの記憶そのものが解決します。
下の表7.1のintersubjectiveとあるのは、「相互主観性」と直訳されますけれども、すると、具体的に臨床で何を意味するのか、分からなくなりますね。これは「共に見ること」と考えて良いです。あるいは≪約束≫のことだ、と考えて良いものです。
発達トラウマ障害(DTD)のセラピーでも、≪約束≫と≪約束≫を支える信頼がものを言います。
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