エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

近親相姦されると、免疫システムが脅威に対して過敏になり、自己免疫病になっちゃう

2016-09-10 03:19:28 | ヴァン・デ・コーク教授の「トラウマからの

 

 

 
創造する パーラー
   マインドフルネス その2 人と社会を方向付ける、陽気で楽しい力2013-09-08 06:32:08 | エリクソンの発達臨床心理&a...>......
 

 

 発達トラウマ障害(DTD)の子ども。ヴァン・デ・コーク教授らが、発達トラウマがない人を研究のために探した時、なかなか見つからなかったと言いますね。アメリカの子どもの1/4が発達トラウマ障害(DTD)と言われます。発達トラウマ障害(DTD)のない人を探すのは、アメリカでも一苦労らしい。

 The body keeps the score : brain, mind, body in the healing of trauma 『虐待されたら、意識できなくても、身体は覚えてますよ : 脳と心と身体がトラウマを治療する時どうなるか?』p.129から。

 

 

 

 

 

 この研究が完了し、データが分析されました。リッチの報告によれば、近親相姦された者達のグループは、トラウマを負わされていない人のグループと比べて、CD45 RAとROの比率が異常な値でした。CD45細胞は、免疫システムの「記憶細胞」です。その一部が、RAと呼ばれるものですが、過去に毒にされされることで活性化されます。CD45 RA細胞は、かつて出逢った環境上の脅威に素早く反応します。RO細胞は、反対に、新しいチャレンジに対して取って置くものです。RO細胞は、身体がいままで出逢っていない脅威に対処するために待機しています。RAとROの比率は、毒を認知した細胞と新たに活性化するための情報に待機している細胞のバランスです。近親相姦された生育歴のある患者さんは、襲われることに備えたRA細胞の比率が、標準よりも大きい。これは、免疫システムが脅威に対して過敏になっている訳ですから、不要な時でも、免疫システムが守りを固めがちになりますし、自分の細胞も攻撃することにもなりますね。

 

 

 

 

 

 人間は優れた動物なんでしょうね。環境に対する適応力が豊かだから、優れていると言えるのでしょう。

 しかし、その環境が悲劇的である場合にも、人間は適応しようとするわけですね。その一つが、近親相姦という形で攻撃され続けるという環境におかれた場合には、自己免疫に異常をきたすほど、適応してしまう、という、悲しいまでの皮肉ですね。

 

 

 

 

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