クリスティ教授
今のニッポンは,死ぬほど働かされてる時代です。宮田光雄先生の本によれば。1980年代ころから,「過労死」という現象が増えてきたとか。かれこれ40年くらい,死ぬほど働かされる奴隷状態が,日本中に蔓延しているわけですね。
すると,喜んで働く,というよりも,仕方なしに働く,しょうがないから働かされる,ということになりがちでしょ。不安や不満が,いつの間にか,激しい怒りに転嫁するのは,心理学の常道です。それに,信頼感よりも,不信感がはるかに強まりますでしょ。すると,その不信感をベースにした激しい怒りは,日ごろは押さえつけているだけに,無意識にはけ口求めることになります。それは,心理学の常道です。自分でも気づかない激しい怒りの恰好なはけ口が,刑事犯の厳罰化,「刑務所に送れ」,「厳しく裁け」,「殺せ」ということになりやすい。このセリフは,エリクソンからの借りものです。そのくらい,無意識が働くパターンは,ワンパターン,常道です。
性犯罪の厳罰化が,昨日,フェイスブックで話題になりました(https://www.facebook.com/mainichishimbun/posts/1601080219931898?comment_id=1601404106566176&reply_comment_id=1601676596538927¬if_t=share_reply¬if_id=1497659796992892)。私は,無意識の暴力的なからくりを,仕事柄,ある程度分かっていますから,刑事犯の厳罰化には反対します。厳罰化すればするほど,刑務所人口が増え,財政は圧迫されますし,犯罪発生率も逆に高まることも知っていますしね。「厳罰化すれば,犯罪は減る」という考えは,現実には誤り,逆効果です。
でも,だから? 厳罰化に反対する私に賛成したのは,30人位の人がコメントした中で,たったお一人でした。いかに,無意識の暴力的なからくりと,「厳罰化すれば,犯罪は減る」という考えは,現実には誤り,逆効果ということに無知か,が分かりますね。
でも,こういう機会に,亡くなられたクリスティ教授の人間らしい司法と,全うな人間になるための問い をご紹介できたことは,とても良い市民教育の場になったと,うれしく感じましたね。
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