エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

命がけの事業

2016-01-20 07:39:04 | エリクソンの発達臨床心理

 

 

 
人を大事にすること = やりとりすること 改訂版
  人を大事にすることの意味を学び続けることが、とっても大事。 p5の4行目から。    &nbs...
 


 エリクソン夫妻は、90になると、死を意識せざるを得なくなりました。

 The lie cycle completed 『人生の巡り合わせ、完成版』の始めに戻って、「完成版の前書き」、p.4の、第4パラグラフから。 

 

 

 

 

 

 エリックが91才の時、エリックと私は結婚して64年でした。エリックはお尻の手術をして以来、引退し、穏やかな引退暮らしをしていました。彼は落ち込んだり、まごまごしたりすることもありませんでしたし、相変わらず観察眼が鋭いままでしたし、世話を焼く人たちに対して静かに感謝していました。老年期が眼の前に来たら、あんなに、賢く、親切で、年老いたことを心に収めておきたいなぁ、と思うほどでした。私は今93才ですし、年を「ゆっくり」取るという避けがたい事態を次第に経験するようになってきました。私は未だ引退していませんが、穏やかな気分でも、優雅な暮らしでもありません。現に、遅すぎになったり、仕事がきつくなりすぎたり、大仕事になり過ぎる前に、この最後の舞台を改定する仕事を終わらせたいと願っています。

 

 

 

 

 エリックが、亡くなったのが1994年、92才の時です。そして、この改訂版が出版されるのが1997年です。エリックが亡くなって、すでに3年の月日がたった後のことです。そして、ジョアンは、この改訂版が出されると同時に亡くなっています。

 文字通り、ライフサイクルの地図は、命がけの事業でしたね。

 

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« デブの敵? 抗精神病薬 | トップ | 悪い良心から解放されたら »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿