エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

「正しいことを押し付けないで!

2016-06-14 17:23:52 | ブルース・ペリー教授の『犬』

 

 

 発達トラウマ障害(DTD)≒愛着障害の子どものジャスティンがケダモノになっていたのは、ケダモノ扱いされ続けたからです。
 ブルース・ペリー教授の The boy who was raised as a dog の第6章、本のタイトルにもなっている「犬として育てられた少年」のp.131の第2パラグラフから。





 私は静かにたたずんでいました。それから、私はゆっくりと白衣を脱ぎ始めて、床に置きました。ジャスティンは私を見つめました。私はゆっくりネクタイを外して、それも床に置きました。腕まくりもしました。1つの動きをするたびに、ジャスティンに近づいていきました。動いても話をしませんでした。できるだけ、ジャスティンを怖がらせたくなかったからです。素早い動きは1つもありません。愛コンタクトもしません。話は、ユッタリと、メロディーのように、リズムのあるトーンで、子守唄でも謳うように話しました。私は、怖がっている赤ちゃんか、ビックリしている動物みたいに、ジャスティンの歩み寄ったんです。


 


 ねっ。いかに、ブルース・ペリー教授が慎重さと賢慮をもって、ジャスティンに歩み寄って行ったかが、手に取るように分かる所でしょ。これくらいの慎重さと賢慮が、ジャスティン出ない場合でも、発達トラウマ障害(DTD)の子ども達に歩み寄る時には必要です。
  「正しいこと」を強制するなど、もってのほか、と分かりますでしょ。

 

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