エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

リアルに物が見える時

2015-05-02 03:20:47 | エリクソンの発達臨床心理

 

 アンパンマンには、必ず慈しみ深いお母さんがいます。

 The life cycle cpmpleted 『人生の巡り合わせ、完成版』、p36の8行目途中から。

 

 

 

 

 

でも次に、歯が生えてくると、物を噛んだり、物を噛み通したり、物を噛み切ったりすることから来る悦びも育ちます。しかし、これは、いっそう能動的に取り入れるやり方ですから、身体の他の部分の発達も、特徴づけていきます。両の眼も、最初は、やって来る印象を進んで受け止めるものですが、ぼんやりとした背景の中から、物に注目し、際立たせ、「掴み取る」ようになります。だから、追いかけるんですね。同様に、両の耳も、大事な音を聞き分けるようになりますし、その場を特定し、その音の源を探すようになり、その物めがけて、両腕を伸ばし、両手でしっかりとその物を掴み取るようになります。全てこういったやり方は、離乳が早いことにも遅いことにも、依存する時間が長いことにも短いことにも、いろんな意味を与えることになります。

 

 

 

 

 

 不思議ですね。掴み取るのは手だけじゃない。歯も、眼も、耳も、掴み取るんですね。こういう風な眼を掴み取る時、自分の見方も、人の見方も、関係に対する見方もね、自ずからリアルなものに変えられていきます。

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