エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

私どもが、アンパンマンになるために 改訂版

2015-05-01 23:19:27 | エリクソンの発達臨床心理

 

 口やお尻の動きと、対人関係のあり方に共通点があることを見出したのは、精神分析の大きな功績でした。

 The life cycle cpmpleted 『人生の巡り合わせ、完成版』、p35の下から2行目から。

 

 

 

 

 

 「口と感覚の舞台」はね、2つのやり方の取り入れによって、コントロールされています。「手に入れる」ことは、第1に、与えられたものを受け取り、受け入れることです。もちろん、これは、息を吸ったりすることと、おっぱいを吸ったりすることと似ている点で、本当に根源的に大事でしょ。「おっぱいを吸う」やり方は、人生で最初に学ぶやり取りのやり方ですし、お母さんとの関係の中で、すなわち、「初めに出会う人」が、まず初めに、一心不乱に赤ちゃんの相手になり、慈しみ深い愛着を育んでくれるからこそ、学べるものなんですね。このようにして、「与えられたものを受け取ること」において、それから、望んだことを「与えてくれる誰かがそばにいてくれる」ことを学ぶことにおいて、赤ちゃんも、また、何時の日か「与える者になる」という、この世で生きてくときになくてはならない根源的な基盤を手に入れることになるのですね。

 

 

 

 

 人は、慈しみ深く与えられて、初めて、慈しみ深く与える者とになります。

 人は、与えられたからこそ、与える者になれるんですね。

 人は、慈しみ深く信頼されて、初めて、慈しみ深く信頼するものになります。

 人は、信頼されているからこそ、信頼する者になれるんですね。

 このようにして、私どもも小さなアンパンマンになるんですね。

 


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