エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

真の改革の条件

2015-09-03 07:37:06 | アイデンティティの根源

 

 

 ふがいない自分も大事にできる人でありたいものですね。

 Young Man Luther 『青年ルター』p.223の第2パラグラフから。

 

 

 

 

 

 ルターの初期の講義がいかに大事かは、ルターの自我が回復した記録であるから、というばかりではなくて、新神学の記録でもあるから、なんですね。ルターの新神学は、ルターが一夜にして有名になる、ずっと前から、免罪符論争のパンフを作った人の手になる神学だと、思われてたんですね。カトリック神学者にとっては、ルター神学の改革は、ルターが否定した秩序の、みじめで、俗悪な木っ端でしかない、と思われてましたし、かたやプロテスタント神学者にとっては、ルター神学は、力強く、根源的に新しい、と思われてました。

 

 

 

 

 

 真の改革は、全員が歓迎するようなものではないんですね。否定する人が結構いても、それにめげない強さがなくては、真の改革になりません。ヒュポメノーと言われる、損する立場、弱い立場、困った状況、うまくいかない状況にも、踏み止まる姿勢が必要不可欠だ、ということも、真の改革の条件みたいですね。

 

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