エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

ニッポンの 恐るべき現状 脳が破壊されているのに、見えないばっかりに…

2016-05-01 02:11:25 | ヴァン・デ・コーク教授の「トラウマからの

 

 

 
コンプレックスが強みに代わる時
  マルティンは、いわばコンプレックスの塊です。しかし、それが無駄でなかったのですね。 Young Man Luther 『青年ルター』p196の第3パラグラ...
 

 

 今晩も、今から7年前、311(2011)を遡って2年前、ヴァン・デ・コーク教授が、2009年に出した、発達トラウマ障害(DTD : defelopmental trauma disorder)をDSM-にハッキリと入れてね、という提案書(http://www.traumacenter.org/announcements/DTD_papers_Oct_09.pdf) の30日目。

 今晩から、 妥当性と信頼性の章の2日目。

 

 

 

 

 

2)発達トラウマ障害は、DSM-Ⅴのスペクトラム研究の集団妥当性を当てはめた時に、診断の妥当性があるのか?

 

     神経気質 : 発達トラウマ障害特有の神経気質が確立されて来なかったのは、この症候群がそれ自体、実験的にも、臨床的にも、疫学的にも、研究されて来なかったからです。しかしながら、生理学的、神経生物学的、脳画像的な研究によって、脳の構造のまぎれもない異常をハッキリと示してきました。同時にその研究が示したのは、発達トラウマ障害の診断基準A1とA2と一致するトラウマになるストレスやネグレクトにずっと苦しんできた子ども達に見られる、いろんなストレスに対する、機能的、生理的、神経生物学的な反応です。伊藤(1993)は、虐待されてきた子ども達は、左脳の前頭・側頭・頭長に脳波異常があると、報告しています。伊藤ら(1998)は、虐待された子ども達は、コントロール群と比べて、左脳の関係性(脳波コヒーレンス)が増すと言います。テイラー(2006)は、過酷で冷酷な子育てを経験した子ども達は、感情を観察する課題の時には、偏桃体の活動が減ることと、感情を名付ける課題に時には、偏桃体の活動と右脳の腹外側の前頭前野の強い結びつきを報告しています。カーティスとチチェッティ(2007)は、真面な養育をされて来なかった、レジリエンスに欠けると分類された子ども達が、真面なよう養育をされて来なくても、レジリエンスがある子ども達と比べて、左脳の活動が減ることと、真面な子育てをされている子ども達に比べると、左脳の頭長の活動がへることが、報告しています。脳波の左右の対称性に欠けることは、感情がコントロール出来ないことと関係していました。

 

 

 

 

 脳が発達する乳幼児期に、虐待されたり、親が子どもと一緒にいる時間が短かったりすれば、脳がまともに育たない。子ども達の脳が破壊されている。驚くべきことなのか、「やっぱりねぇ」ということなのか? むかしから、「三つ子の魂、百まで」と言い習わされてきました。それを「三歳児神話」と呼び、否定されていたこともありましたね。でも、それは、時の政権の、子育て支援が無策であることを、支援するという、皮肉な結果になりました。

 今晩、ヴァン・デ・コーク教授が明らかなしてくれたように、真面な子育てが出来ないと、それがたとえ、貧困な子育て政策の犠牲であっても、子どもの脳が破壊されてしまい、二度と完全には修復されないとしたら…。そういうことが、日本でも、銀座の大通りを、大手を振って、驀進しているのが、悲しいかな、日本の現状です。それは、小学校にいけば、すぐに分かります。高校に行ったら、空恐ろしくなります

 

 

 

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