マルティンは、いわばコンプレックスの塊です。しかし、それが無駄でなかったのですね。
Young Man Luther 『青年ルター』p196の第3パラグラフから。
ルターは説教をしていると、修道士だったマルティンとはまるで別人でした。ルターの態度は男らしく、背筋も伸びていましたし、ルターの話は落ち着いていて、キッパリしたものでした。この若い頃のルターは、決してデブでも、太りすぎでも、丸顔でもありませんでした。それは晩年になってからの話でした。ルターは骨太で、頬には深いしわを湛え、不屈で、とがった顎をしていました。その眼は、茶色で小さく、当時の人に残した印象からすれば、人を惹きつけてあまりあるものだったに違いありませんね。ルターの両目は、時には大きく突き出ているように見えましたし、またある時には、小さく窪んでいるように見えました。時には、深く底知れないもので、また時には、星のようにキラキラとし、鷲のように鋭い目つきになり、雷のように怖ろしくもあり、正気を失ったように憑りつかれている場合もありましたね。
自信のなかったマルティンが、自信に満ち満ちたルターになりました。それは表情や態度にもハッキリ表れます。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます