エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

コンプレックスが強みに代わる時

2015-04-29 08:14:22 | アイデンティティの根源

 

 マルティンは、いわばコンプレックスの塊です。しかし、それが無駄でなかったのですね。

 Young Man Luther 『青年ルター』p196の第3パラグラフから。

 

 

 

 

 

 ルターは説教をしていると、修道士だったマルティンとはまるで別人でした。ルターの態度は男らしく、背筋も伸びていましたし、ルターの話は落ち着いていて、キッパリしたものでした。この若い頃のルターは、決してデブでも、太りすぎでも、丸顔でもありませんでした。それは晩年になってからの話でした。ルターは骨太で、頬には深いしわを湛え、不屈で、とがった顎をしていました。その眼は、茶色で小さく、当時の人に残した印象からすれば、人を惹きつけてあまりあるものだったに違いありませんね。ルターの両目は、時には大きく突き出ているように見えましたし、またある時には、小さく窪んでいるように見えました。時には、深く底知れないもので、また時には、星のようにキラキラとし、鷲のように鋭い目つきになり、雷のように怖ろしくもあり、正気を失ったように憑りつかれている場合もありましたね。

 

 

 

 

 

 自信のなかったマルティンが、自信に満ち満ちたルターになりました。それは表情や態度にもハッキリ表れます。

 

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