発達トラウマ障害(DTD)=愛着障害の子ども。ヴァン・デ・コーク教授の The body keeps the score : brain, mind, body in the healing of trauma 『虐待されたら、意識できなくても、身体は覚えてますよ : 脳と心と身体がトラウマを治療する時どうなるか?』p.153、ブランクから。
悪い遺伝子
こんなにみんなが問題を抱え、こんなに困難を抱えた患者さんたちがいたら、単純に悪い遺伝子にせいにしがちかもしれませんよね。科学技術はいつでも、研究に新たな方向性をもたらしますし、科学技術のおかげで、遺伝子検査ができるようになれば、精神医学は精神疾患の原因になる遺伝子を探すようになりました。遺伝子の因果関係を見つけることは、特に、統合失調症、すなわち、かなりよくある(人口の1%に当てはまる)、重度で厄介な精神疾患であると同時に、家族の中で遺伝されていることが明らかな精神疾患、にも当てはめた感じです。しかしながら、このかた30年、何百万ドルものお金を掛けて研究してきたのに、統合失調症やその他のどの精神疾患に共通した遺伝のパターンを見つけることができませんでした。私の同僚は、トラウマ・ストレスを高めることになる遺伝子を見つけようと努力しました。その問いは継続していますが、これまでは確固として答えが見いだせずにいます。
これだけ遺伝子情報が解析されても、統合失調症はじめ、どの精神疾患でも、特定の悪い遺伝子が原因になっている、という証拠は見つからない、とヴァン・デ・コーク教授は言います。
精神疾患は遺伝子が原因ではないようですね。人間関係の病、それが精神疾患です。その代表が、発達トラウマ障害(DTD)というべきでしょう。
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