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以前は「旧いメルセデスの電機屋」。。。現在は、、、「隙間風産業の超零細企業」の業務日報。。。

旧いメルセデスの電機屋のニッチな仕事のお話。。。http://jun3104.shop19.makeshop.jp/

暑いわ❗️熱いわ❗️熱過ぎやわ〜❗️

2020-09-12 17:02:00 | 日記
今回はエアコンの制御不良のW124 500E君のお話です。。。

症状的にはこの世代のメルセデスで実に多いエアコン動作中に突然A/CコンプレッサーがOFFになるって症状ですが今回は一味違う臭いをプンプンさせての御入庫です。。。

このお客さん、、、DIY好きでGMモジュールを交換したら取り敢えず症状が治ったと言っていたが。。。

では、此方も取り敢えず先ずは何はともあれ診断機でこの500E君の魂の叫びを聴くことに。。。(笑)


最初に各制御モジュールのショートテスト。。。

見事に全モジュールにフォルトコードがメモリーされていた。。。wwwwwwwww

LHモジュールには過去の吸気温度センサーの断線メモリーだけだったが、燃料制御数値が妙に不安定。。。

E-GASモジュールには通信エラー、ABS/ASRモジュールにも通信エラー。。。

で、、、肝心のGMモジュールは、、、A/CコンプレッサークラッチのエラーとVベルトスリップ。。。

各モジュールに入ったFメモリーリセットを行うも素直に消えず。。。

GMモジュールに至ってはFメモリーが消えない。。。
勿論、Vベルトのスリップはしていない。。。

って、、、事でGMモジュールは完全に故障していると判断。

試しにモジュール冷却ファンのモーターを強制回転させてやると、、、モジュールBOXに冷却風が来ない。。。

コリャアカンと、冷却ファンAssyを取り外してDC12Vを印加してやると超低速回転。。。

どうやらこのファンモーターがモジュールBOXに冷却風を送らなくなった為にモジュールの温度が異常上昇してモジュールが熱害を受けたと言う故障のプロセスの様だ。。。

よって、クーリングファンモーターを交換。

だが、このクーリングファンモーターは弊社で2年前に交換している。

交換後にこの個体、、、エアコンがトラブってエキパンから冷媒漏れをやった過去があった。。。
エアコンの効かない状態で暑い中走行するとモジュール冷却ファンがモジュールの温度上昇を検知して冷却ファンが回転するが、エアコンの冷風ではない為にモジュールの温度上昇が抑えられず一向にモジュールの温度が下がらない為に冷却ファンモーターは延々と回転し続ける事になってモーターの寿命を早める事になる。。。
更にはFUELを冷却するFUELクーラーもエアコンの冷却作用を利用しているのでFUELが冷えずパーコレーションを招き果ては燃料ポンプを壊す事になる。。。

つまり。。。エアコンが効かないと言う事は車内が暑いだけではなく、モジュールの冷却不良によるモジュールへの熱害を引き起こし、強いては燃料ポンプを壊すと言う恐ろしい故障を招く事になる。
其処にモジュールが新しいとか燃料ポンプが新しいとかは全く関係無い。

モジュールの熱害暴走での燃料リッチ現象やらインジェクションタイム不正やら色々な問題が発生しかねない。。。
燃料リッチの段で修理に入っても常に計測データがリーン固定になって不燃焼ガスを喰らい続けたO2センサーが死んでいたり二次災害も十分に考えられる。。。

この個体にあってはモジュールに関しては未だ最悪の状況には達していなかったのでGMモジュールを中心としたモジュール修復作業とモジュール冷却ファンモーター交換で事無きを得たが単にGMモジュールを交換と言う措置であれば相変わらず不調なモジュール冷却ファンによってモジュールは冷やされず、熱害を受け再び熱暴走によるエアコンクラッチコントロール不良に見舞われていたであろうね。。。

今回は熱害によるW124 500Eの故障についての記事でした。。。

パソコンと一緒でキチンと冷却されないとCP類はあっという間に熱暴走或はフェイルセーフになってマトモに走れなくなってしまいますぞ❗️

エアコン故障はこの世代のメルセデスでは致命傷に繋がる事も多いので御注意を‼️