以前は「旧いメルセデスの電機屋」。。。現在は、、、「隙間風産業の超零細企業」の業務日報。。。

旧いメルセデスの電機屋のニッチな仕事のお話。。。http://jun3104.shop19.makeshop.jp/

多忙なトコロに症例研究でドド〜ン‼️😱

2023-12-19 19:35:00 | 日記
全国の毒車オーナーさんより様々な御注文を戴き最早コブラツィスト状態の寅🐯です。。。

そんなところにW124 500E/E500ユーザーさんより一番多い不具合。。。
『ASR』ランプ点灯。。。って話が結構舞い込んで来ています。
ASRに関連する故障は当社も10年以上の因縁の有る故障なのでASRに関する症例については散々勉強させられました。😅

この症状は単に『ASR』が点灯しただけじゃ原因特定は難しくその個体の整備ヒストリーから追う必要が御座居ます。
又、『ASR』点灯と同時に『ABS』警告灯の点灯の有無、⚠️印の警告灯の点灯の有無でも全く原因が異なります。

【1】通常の使用でASR警告灯のみ点灯(フェイルセーフ有り)

先ずは何はともあれ診断機による診断。。。
この場合には多くは左前ホイールセンサーのエラーが検出される。
又はASRシステムに関連するセンサー類のエラーが検出される。
多くはセンサー類を交換して良好かと思ったら症状再発となっていよいよCP類を疑う域に入る。。。
エラーはE-GASコンピューターで判断されてEFPコントロールの項目に残ります。
この類の『ASR』警告灯点灯はイグニッションキーOFF→再始動で初期段階では一旦リセットされて普通に乗れてしまうケースも多い。。。
様子見でイグニッションキーOFF→再始動を繰り返すウチに今度は『ASR』警告灯が常灯となってフェイルセーフが掛かってしまう。。。
診断機によるセンサー類のエラーを頼りにE-GASモジュール内部の検査修復を要する事となる。
モジュールの内部基盤を摘出してセンサー類のライン、、、人間で言えば神経を追っかけると言う作業となる。神経系の劣化、断裂箇所を探し出して修復再建作業を行ってほぼ根治が望めます。

【2】通常の使用でASR警告灯のみ点灯(フェイルセーフ無し)

多くはE-GASモジュールの現車への装着、挿入不良です。
E-GASモジュールはメルセデス指定のSSTにて脱着を行わないと挿入不良やソケットの破損と言う余計な仕事が増える結果にもなりかねません。
この様な状態の場合には多くはE-GASモジュールには問題が無い事が多いですね。

【3】ASR/ABS、⚠️印警告灯の点灯(フェイルセーフ)

この場合は外的要因がほぼ99%でスロットルアクチュエーターのハーネスのショートに因るものです。
診断機での診断でも『EFP』のトラブルを宣言してE-GASモジュール自体の電源が入らない事を示します。
つまりE-GASモジュールによるスロットルコントロールが死亡しているとの結論です。
多くはE-GASモジュールの内部基盤の電源回路の入出力に焼損が見られて尋常な修復処置では殆ど不可能です。
逝くトコ迄逝ってると死亡宣告となります。



【4】過去に修復を受けたのにまたまたE-GASモジュールの不具合による『ASR』警告灯が点灯してフェイルセーフ。。。

他社さんで数年前にE-GASモジュールの修復を受けたが最近になって再び不具合が。。。
本日も同じ依頼が重なって3台分同時オペ。。。
寅🐯もそんな御依頼には身構えてしまう。。。
E-GASモジュールを分解して『あれま‼️ビックリ‼️』と言うケースが非常に多いのが他社さんの手の入った修理品。。。
電源回路の設計値を大幅に下回ったコンデンサー類に交換してあるのが非常に多いね。
容量は合ってても耐圧が半分以下だったり。。。
交換して当初はギリギリのトコでE-GASも動いてくれるだろうけど、、、電子部品も使用するにつれて性能が劣化して来ます。
12Vコントロールの基盤に何故50Vだとか63Vだとかの高耐圧な電解コンデンサーを用いる理由はユニット内の動作熱による劣化やオルタネーターからの不順電圧による基盤へのダメージ防止が目的なのですが。。。
又、このE-GASモジュールの神経系統の弱点とも言える箇所を御存知無い修復業者だと永遠に『ASR』警告灯の点灯と言う深みに嵌る様な故障は治せないでしょうな。。。

まあ、以上の様にE-GASモジュールの故障の原因は一つでは無いので当社では御依頼時に充分な聞き取り(問診)を行った上での対応になります。

さて、今宵も残業ですねん。。。😅