
男なら少年期に必ず思ったことがあるはずだ。
それは宇宙のこと。
宇宙を考えると眠れなくなった時期があっただろ。
宇宙の先はどうなってるんだ?ってね。
宇宙というのは信じられないくらい遠い昔、バンッて爆発して今でも広がり続けているんだ。
その先はなんだろう。
かたいコンクリートなのか、昨日味噌汁に入っていた豆腐のようなものなのかわからない。
もしかしたら、宇宙はブームエンドに絡んだ海草についた気泡なのかもしれないよ。
邪魔だな!といってウエーバーが海草を取り払ったとき、それが宇宙の終わりになるかもしれない。
つまり世の中はハカナイということだ。恋人同士の約束がハカナイのと同じくらいハカナイ。
実にハカナイ。ハカナイ宇宙の片隅で、フロの水栓ゴムのサイズを気にしたり、シャンプーの銘柄を気にしなくちゃいけない。
ストラップのデルリンが抜けてあわてふためく。ハカナイ。
この世はハカナイから、自然の壮大さに目をやる。
自然が生み出す風と波の音に耳を傾ける。
そうすると少しマシになる。みんなマシになりたくて波乗りする(のかな?)
オレはバリバリの理系で、子供のころ、全てのものは数値になると思っていた。
全てのものは計測器で測れる。
人間の心もきっと血圧や脳波周期と体温や血中の酸素濃度なんかで測れると思った。
宇宙なんかその顕著なもので、x-y-z軸に時間軸を足してやれば宇宙戦艦ヤマトのワープも説明がついた。
光より速いものは無く、もし光より速いものがあれば時間を捻じ曲げてしまうってやつだ。
アインシュタインの相対性理論だよ。
例えば年上の彼女がいるとする。彼女は光以上の速度の乗り物で旅行に行ったとする。
光以上の速度環境では、人間の細胞よりもっと小さい単位=原子を取り巻く電子の速度が変わるから(それは重力、加速度の関係だ)、彼女は旅行中、老いのスピードが遅くなる。
結果いつの日か彼女は年下になる。かわいい彼女は年下のほうがいいからね。
君は一緒に旅行しちゃいけない。年が逆転しないからだ。
これがタイムスリップの原型だ。
実はこれは高速に限らないという説がある。
速度があるものは全て時間が曲げられるという説だ。
飛行機や電車ではダメ。
ナゼかというと、速い乗り物かつ人間の細胞がアドレナリンで活躍してないといけない。
原子のまわりを回る電子の速度に微妙に影響するからだ。
というわけでウインドサーファーは見た目より若いと言われる。理論的にね。