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暗いR134を西に向かって走っている。
左手に見えるビーチは砂漠のようで、髪をなびかせる風が涼しい。
遥か前方のレーザーライトを辿ると一軒のホテルが見えた。
頭は重く、視界がかすんできて、
どうやら今夜は休息が必要だ。
暗いビーチの入口に女が立っていた。風の音が聞こえた。
ここは天国か地獄か、自分に問いかけてみる。
彼女はビーチへ案内してくれた。
松林の回廊から声が聞こえた。。
ようこそ、パーク・カリフォルニアへ
素敵なところだろう 好きなだけいてくれ
彼女の周りには若い女がたくさんいた。「友達」らしい。
月明かりのボードウオークでフラを踊っていた。夏の甘い汗の匂いがする。
ある者は思い出すために、ある者は忘れるために、、
俺は近くの店に行き、セイルを買おうとした。
店は夜中なのに開いていて店の主人は言った。
『あいにく1969年以降のセイルは置いてないんだ。』
1969年?ウッドストックの年?何を言っているんだ?
俺は混乱していると、遠くから女の声がした。
ようこそ、パーク・カリフォルニアへ
ねえ、素敵でしょう?
まだまだ、こんなものじゃなくってよ
お休みの日は南西が吹くのよ 信じてよ
口実を作って、また来てね
踊りの後、彼女は俺の耳元でこう言った。
『ここではみんな囚人なのよ。私はあなたを刺すこともできる。』
俺は刺されたのかな?きっとそうだろう。
最後に覚えているのは、出口を求めて走り回ったことだ。
俺はここを抜けださくちゃいけない。
まだ『なくした』わけではないのだ。
「落ち着けよ」とどこからともなくウエーブ男が現れた。「君はずっとここにいる運命なんだよ。」
「ビーチへ上がることはできても、ここから離れることはできないのさ」