土佐レッドアイ

アカメ釣りのパイオニアクラブ

本 「山怪 山人が語る不思議な話」

2015-07-09 10:23:00 | 狩猟とナイフ
 これまで何度か取材を受けた田中康弘さんから,山での怪しい出来事の話を集めているので一度話を聞かせて欲しいと連絡があった.全国の狩猟について,たくさんの猟師に話を聞いてきた.その中で実にたくさんの不思議な話,怪しい話や出来事,体験について多くの山人が語ってくれた.それを纏めてみたいとのことであった.



 私は怪談は好きではあるがまるっきり信じていないし,それほど不思議な体験もないとお断りしようとしたが,まあ一度話を聞かせてということで我が家においでた.以前から感じていたのだが,何とフットワークの軽い,機動性の高い人だろうとの思いをさらに強くした.

 私の子どもの頃のたわいもない話までもが本で紹介されている.なにも知らなかった子ども時代の不思議は今はほとんど自分で説明できる.

 この本を読んでいて思い出した.未だに自分で説明がつかない,本当に不思議な体験があったことを.

 もう60年近くも昔の話だ.

 私はその時6~7歳だったろうか.いつものように,お祖父さんの炭窯(炭焼き小屋)に遊びにいった時のことだ.当時山間の農家はほとんど自給自足の生活をしており,塩以外の調味料(醤油・砂糖・味噌など)は各家で造っていたし,豆腐もこんにゃくも自家製であった.

 今だからこんな場所にも書けるが,ひそかに酒も造っていた.我が家では簡単なドブロクしかつくらなかったが,集落の何軒かは本格的な焼酎,それもほとんどが芋焼酎で,造って密売をしていた.それで財を成したという人もいたようだ.郵便屋さんが,自転車の荷箱の底に氷枕をしのばせて,それに仕入れて帰っていたと聞いたとこともある.郵便屋さんが仲買をしていたのである.長閑な時代ではあったがみんな生きるために苦労をしていたのだろう.猟の仲間が「この辺りに焼酎の蒸留所があった.ときどき税務署の手入れがあったそうじゃき,どこぞこの近くへ一升瓶が埋まっちゅうかもしれん.いま出てきたらたら,超古酒になってなんぼかうまいろうなあ」と,ワナでの獲物の「出し」の途中の山で聞いた事がある.

 木炭は薪とともに燃料であったし,重要な換金製品でもあった.出来の良い炭は販売し,燃すと煙が出るような不良品とか細かく割れたものが家庭用だった.
 家から1キロほど山に入った所に炭窯はあった.お祖父さんが一人で働くここへ来ると,焼き芋を焼いてくれたり,鉄砲で鳥撃ちに連れていってくれたり,山の果実の取り方,遊び方を教えてくれたりと楽しい思い出がたくさんある.
 炭窯にお祖父さんの姿はなかった.しばらく一人で遊んでいたと思うがお祖父さんは帰ってこないので,山を下りることにした.その帰り道,突然笛の音が鳴りだしたのである.それも美事な音色で.今思うと横笛のような音色ではなかったかと思う.お祖父さんは笛は吹かない.持っているのを見たこともないし吹いているのも見たことがない.当時20戸ほどの小さな集落だったが笛吹きは誰1人としていなかった.しばらく呆然とその笛の音色を聞いていたのだが,突然恐ろしくなった.私はその時,これは天狗だ.と思ってしまったのだ.下り坂の山道をどんなに辿ったのか,家に帰ってどんなふうに説明をし話をしたのかは今は記憶がない.笛の音の旋律さえ覚えていないがあの時の恐怖だけは今も記憶の中にある.

 今,考えると集落には確かに笛吹きはいなかった.これは断言できる.あれほどの名手であれば,集落のお客(宴会)や集いで聞けたはずだし,話題にもなったはずだ.しかし,よそから来たお客さんがあって,その人が笛の名手であり吹いていたという可能性はあるのだが.何しろ道も険しいそれも山の中なので.


 「山怪 山人が語る不思議な話」

 田中康弘著
 
 山と渓谷社

 お詫びとお願い

2015-07-09 10:14:00 | 狩猟とナイフ
 情けないことに、拍手コメントというものがあることを本日初めて知りました。
自分のブログなのに、十分使い方を知らなかったという不明をお詫びします。初めて開いて読ませていただいたコメントには、返事が必要なもの、無いものがありますが、返事を求められていた皆様にはご無礼をしました。かさねてお詫びします。

 拍手がはじまって以来ですので、古いものでは2009年からになります。ただ、この拍手コメントには返信コメントを書くことが出来ません。公開もされないため、いちいち拍手コメントをみる手続きをしないと、見ることができません。お願いですが、返事や回答が必要なコメントは本文のコメントに書いていただきたいと思います。

 どうかよろしくお願いします。
                        2011年2月23日


獲物の料理

2015-07-09 10:13:00 | 狩猟とナイフ
 狩猟の獲物での大物としてはイノシシ、シカでしょう。クマもありますが、狩猟可能地域が限られていて一般的ではありません。その他、アナグマ・アライグマ・狐・タヌキ・ハクビシンなどもおります。そして鳥たちがいます。

ここでは、私が狩猟で捕まえているイノシシ・シカ・アナグマ・ハクビシン・タヌキなどの料理法を紹介していきたいと思います。

イノシシは料理の素材としての人気もうんと高いので、その料理法もたくさん紹介されています。代表的な料理はボタン鍋(シシ鍋)でしょう。この料理は余りにもポピュラーです。味付けの違いは味噌の割合(赤みそ対白みそ)にかかっています。ほかに対立する問題として砂糖を入れるのか入れないのか、これは砂糖を入れるなどもってのほかダ!それは邪道だ。甘さを強くしたいなら白みそを多めにすべきだ!!なんとかかんとか。鍋に入れる野菜でタイモ(里芋)入れるのか入れないのか、これはに、タイモをいれるとモチモチした食感により料理の厚みがぐんと増す!。対して、芋等を入れると煮込んでいくことができない。タイモがとろけてきてぐじゃぐじゃになりよろしくないではナイカ(大声)!などの対立もあります。この味付けの対立などは深刻なもので、包丁や鍋のふた、しゃもじを持って険悪な一触即発の対立まで深刻化した例もあるとかないとか。

私の立場はただひたすら、ごーいんぐまいうえい。

私のやり方の料理をおためしあれ。