シカに対する高知県当局の対応が激変したことを(1)で書きましたが、それはシカが激増して農林業に多大な被害を与えるようになったからです。これは高知県だけの現象ではなく全国的なことのようです。
一足早く、イノシシの被害のほうが大きく取り上げられていたのですが、あっという間にシカの話題が大きくなり逆転しました。
夏毛のイノシシ 冬毛のイノシシ
シカの増え方が異常でした。
シカの発情期は9~11月頃で、妊娠期間は約220日、出産期は5~7月頃で1頭だけ出産します。一回のお産で1頭の子供を産み、生後2〜3年で成獣になり繁殖を始めます。
秋には山中あちらこちらで雄鹿がメスを呼ぶ甲高い鳴き声が聞こえてきます。昼も夜もです。
一方、イノシシは多産で普通4〜5頭の子供を産みます。成熟も早く生後1年半ほどで繁殖に参加します。
こうしてみてみると、算数の苦手な私の頭で計算してもイノシシのほうがはるかに早くたくさん増えるはずなのですが。
不思議です。
まあ、素人の私の考えることで思いつくのは、イノシシは雑食の大食いですから、生きていくために必要な面積が広くいるのかもしれません。また、子育てのやり方や、幼獣の生存率なども関係がありそうです。
シカは植物食いっぽんやりですので、森林面積日本一の高知県では食べ物は山ほどあるでしょう。
それに、イノシシはギャートルズの時代からヒトにはつけ狙われて、ヒトはヤマクジラなどとごまかしながら殺して食べてきました。一方、シカは神の使いだとかなんだとか(奈良や安芸の宮島)チヤホヤされて、あげくディズニーの漫画ではバンビとかなんだとか可愛さが振りまかれ、シカを殺して食べるなど残虐非道なヤツとみられている。のだろうか、私。
昨夜食べたシカ肉のハンバーグ(美味かった)
イノシシの子供は体温調整がうまくできないそうで、繁殖期の梅雨時、あまりに雨が多く強く降ると生き残る数が少ないといいます。シカについては知らないのですが、イノシシの子育て中は巣を作ります。尾根筋の日当たりの良い山中に、そこらあたりのカヤの葉や枯れ草、シダなどをたくさん集めて、かなり分厚くて大きな巣をつくるのです。その中に乳飲み子とともに入って授乳をして過ごします。
とにかく、あれよあれよという間にシカは山中にあふれるほど(かなり大げさ?)増えました。
高知県ではシカの捕獲数が2018年で19,873頭です。どうしてこんなに細かく正確に数字が出せるかというと、そうです、報奨金をもらうために、殺した証拠物件の両耳やら尻尾を提出しないとダメだからです。この年の捕獲目標が三万頭。以降、年間2万頭前後が捕獲されています。
私の住む高知県安芸市の2024年7月末現在の人口は15,710人です。安芸市民を全員殺すよりも、1年間に高知県で殺すシカの数のほうがはるかに多いのです。
のけぞるような数字でしょう。
19,873頭のシカを積み上げるとどれだけ大きな山ができるとおもいます?
つづく
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