土佐レッドアイ

アカメ釣りのパイオニアクラブ

ワイヤーが切れた

2011-09-24 07:31:00 | 狩猟とナイフ
 先に掲載した、稲の被害が続いていました。毎日イノシシが侵入して稲穂のモミをしごいて食べ、田んぼの泥の中に稲を踏みこみ、さらにヌタをうつものですからひどい状況です。

9月6日の被害

9月18日の被害状況

9月22日の状況
 周りの山中にワナをしかけているのですが、なかなか罠には掛からず悔しい思いをしていました。被害農家の気持ちがわかるだけにつらいところがありました。
 頼みの綱は私のワナなのです。田んぼの近くの道路を通ってワナを見回りにいくのですが、申し訳なくて被害農家の方に会うのがつらいのです。
 
 9月22日朝、見回りに行くとイノシシがかかっていました。おお!とうとう捕まえたぞ。やれやれです。
「これでくつろいだ!」

 先の頃、初めて私に、狩猟の弟子入りの申し入れがありました。事情を聞くと大変な状況で暮らしが成り立たないほどの被害のようで、引き受けました。その方にイノシシの仕留め方をビデオで見てもらおうと息子にカメラマンを頼みました。

 イノシシがかかっているところは、破竹の竹藪の中。鼻くくりの仕掛けを作るところから撮影してもらいながら、いよいよイノシシに近づきました。私は不測の事態を考慮して、2点固定するまでは、いつも相棒には安全な場所にいてもらうことにしています。
 鼻くくりを構えながら近づくと、イノシシは後ろに下がったかと思うと私めがけてバッと突進してきました。
 何と。
 前足を括っていたワイヤーが切れてそのまま私に向かってきて、右膝に体当たりして走り去ったのでした。膝の皿の真ん中がすこしすりむけました。膝はもともと痛くて、時々びっこを引くほどになっていましたが、さらに追い打ちをかけられました。
 まあ、それだけで済んでやれやれというところです。
 約50キロとみられるよく太った牡のイノシシでした。
 イノシシは被害農家にも食べさせてやりたいと思っていましたが、「とらぬシシの肉算用」といったところでしょうか。


 ワイヤーにはヨリモドシをつけているのですが、暴れるときに竹に巻き付けて縒りがかかっていたのでしょう、キンクしていました。

 括り罠に掛かったイノシシに近づくときは、必ず守らなければならない法則があります。それをしないとひどいことになることがあります。

 ○斜面であればできるだけイノシシよりも高いほうから近づく。(何でか?:斜面を駆け下りる方が、スピードがつくし、さらに、そのスピードと体重の作用でワイヤーや足が切れる率が高くなる。)

 ○イノシシの足、ワイヤーの状況を確認してから近づいていく。(足がちぎれそうになっていたり、骨がとびだしていたり、ワイヤーがキンクしていたら30キロ以上のイノシシは鉄砲撃ちをやとってくる。どうしても一人でやるときは、木に登って鼻を括る。それらが出来ない場合は腹をくくる。しかない。)

 息子に「イノシシが俺に体当たりするシーンは撮れたか」と聞くとあっけにとられて見ていたようで「あっというまじゃもの撮れんかった」そうです。

 美味しい肉を被害者に食べてもらうことはできませんでしたが、これだけ痛い目にあったイノシシはしばらくは近づかなくなりますので、被害は減ります。