関東周辺の温泉入湯レポや御朱印情報をご紹介しています。対象エリアは、関東、甲信越、東海、南東北。
関東温泉紀行 / 関東御朱印紀行
■ 横谷温泉 「蓼科パークホテル」 〔 Pick Up温泉 〕
<横谷温泉 「蓼科パークホテル」>
(長野県茅野市北山5522、10:00~19:00、800円、0266-67-2600)
■ オフィシャルHP
■ 紹介ページ (MAPPLE 観光ガイド)
■ 紹介ページ (じゃらんnet)
■ 紹介ページ (るるぶトラベル)
■ 紹介ページ (楽天トラベル)
蓼科の名勝、乙女滝そばの「蓼科グリーンバレー」(いまは健康の森?)と呼ばれる広大な敷地のなかにあるリゾホが自家源泉の浴場を日帰り開放するもの。
ここは以前泊まったことがあり、そのときは別棟の五千尺風呂(城戸ホール)にも入れたのですが、いまは休止しているようです。
なお、ホテルと五千尺風呂(城戸ホール)は別源泉のような感じがあり、日帰り入浴もしたことがあるので後日レポします。
【写真 上(左)】 看板
【写真 下(右)】 ロビー
フロントで受付、壁に絵画のかかったいかにも蓼科らしいアートな廊下を渡ってのアプローチ。
途中、五千尺風呂(城戸ホール)への連絡通路入口がありますが、いまは閉鎖されています。
【写真 上(左)】 五千尺風呂への連絡通路
【写真 下(右)】 浴場入口
以前泊まったときはさほど綺麗な印象がなかったのですが、館内はリニューアルされたらしく、リゾホらしい上質感が感じられます。
【写真 上(左)】 質感ある脱衣所
【写真 下(右)】 脱衣所からの景色
右手が女湯、左手が男湯。
脱衣所はゆったりとして林をのぞむきもちのいいもの。
【写真 上(左)】 内湯
【写真 下(右)】 内湯浴槽と小湯口
高台にあって蓼科らしいきれいな林が見下ろせるゆったりとしたいい浴場で、正面に中央アルプスの夕景も望めるので「夕映えの湯」と名づけられています。
赤みかげ石枠タイル貼12人以上の長方形の端正でゆったりとした浴槽ひとつとシンプル。赤茶色に色づいた大ぶりな丸石じきの手前の湯口から、浴槽に注ぎ込んでいます。
これとはべつに小さな湯口とよわい底面注入があり、オーバーフローはないのでたぶん底面吸湯だと思います。
【写真 上(左)】 内湯の大湯口
【写真 下(右)】 内湯大湯口の湯色
露天(たしか以前はなかった、同4人くらい)は広い露天の空間にこぢんまりとした浴槽でなんとなくバランスが妙な感じもしますが、風がとおってきもちのいい癒し系露天。
ここにも蓼科らしくアートなオブジェがおかれています。
石の湯口からの投入+側面注入、側面吸湯でオーバーフローなし。
【写真 上(左)】 露天-1
【写真 下(右)】 露天-2
カラン20、シャワー・シャンプー・ドライヤーあり。
土曜16時で3~10人とゆったり入れました。
お湯は内湯・露天とも大差ないですが、内湯のほうがやや鮮度感あるような・・・。
適温~ややぬる(内湯)、ぬるめ(露天)のお湯は、うすく緑がかって懸濁し、黒と白と灰色の湯の花をただよわせています。
【写真 上(左)】 露天の湯口
【写真 下(右)】 露天の湯色
よわい酸味+収斂味+芒硝味でほぼ無臭。
硫酸塩泉系のきしきしに弱酸性泉系の弱ヌル?が混じる、肌にしみ渡るような奥ぶかい湯ざわりがあります。(うらでイオウも効いていると思う。)
この手のお湯に特有のあと曳き感もしっかりとあって、ついつい長湯に・・・(笑)
浴中はおだやかに温もり、浴後は熱の抜けよくすっきり爽快。
上品な質感を備え、酸性泉のキャラがクリアーにでたこういうお湯は、ありそうでなかなかありません。
お湯は以前よりパワーアップしているような気もしますが、そのころは酸性泉の特徴を感じとることができなかったとも思われ(笑)、よくわからず。
なお、Fe^2+=19.0はあとすこしで鉄泉に乗る鉄分濃度で、ふつうもっと金気がでるはずなので、徐鉄しているかと・・・。
上質感のある浴場でなかなかのお湯を楽しめます。
蓼科の日帰り可施設のなかでは料金が手ごろで設備もととのっているので、ここはおすすめです。
規定泉(総鉄イオン、メタけい酸、メタほう酸、遊離二酸化炭素)(Mg・Na-SO4・Cl型)*1) 19.4℃、pH=5.24、湧出量未測定、溶存物質量(除ガス性)=813.1mg/kg、溶存成分総量=1451.1mg/kg、Na^+=99.0mg/kg (27.19mval%)、Mg^2+=100 (51.96)、Ca^2+=35.0 (11.03)、Fe^2+=19.0、Cl^-=120.0 (31.25)、SO_4^2-=260.0 (49.97)、CO_3^2-=61.0 *2)、陽イオン計=284.9 (15.83mval)、陰イオン計=441.0 (10.82mval)、メタけい酸=77.9、メタほう酸=9.3、遊離炭酸=638、硫化水素=- <H17.12.5分析> (源泉名:横谷温泉)
*1) 掲出されていたのは「鉱泉分析試験法による試験結果書」。泉質名の掲載がなかったので、筆者にて推定付記しました。
じつに4つの含有成分からなる規定泉で、主成分はなんと正苦味(Mg-SO4)、しかも弱酸性。クセもの系の浴感がスペックからもうらづけられました。
*2) 弱酸性なのになぜに炭酸イオンがこんなにあるのか疑問。
<HP掲載のスペック>
鉄泉 単純炭酸泉(Na・Mg-SO4・Cl型) 19.0℃、pH=5.30、1,080L/min、イオン計=692.6mg/kg、Na^+=105.4mg/kg (44.33mval%)、Mg^2+=28.2 (22.445)、Ca^2+=38.4 (18.58)、Fe^2+=19.7、Cl^-=133.1 (35.96)、SO_4^2-=260.0 (51.88)、CO_3^2-=72.0、陽イオン計=221.3 (10.33mval)、陰イオン計=471.3 (10.43mval) <分析日不明> (源泉名:不明)
<温泉利用掲示> 加水:あり 加温:あり 循環ろ過装置使用:あり 消毒系薬剤使用:あり (源泉の供給方法:タンクローリー(自動車)で運んできています。)
充実の浴感からよもやローリーとは思わなかったので、このレポを書くときに湯づかい掲示の写真を見てびっくり。でも、下手な直引き湯より味わいのあるお湯だと思います。
■ブランドグルメ
〔 こけもも大福 〕
ピラタス蓼科ロープウェイの山頂駅(標高2237m)でしか売っていない”幻の大福”といわれる逸品。高山植物の「コケモモ」と白あんをつかった大福で、ロープウェイ待ちの登山者や観光客に愛好されています。
(「ライブリー信州」などを参考。)
〔 2010/07/04UP (2009/05入湯) 〕
E138.16.25.320N36.2.2.890
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■ 稲子湯温泉 「稲子湯」 〔 Pick Up温泉 〕
<稲子湯温泉 「稲子湯」>
(長野県小海町稲子1343 、9:00~15:30(時間確認必須)、不定休、600円、0267-93-2262)
■ 紹介ページ (@nifty温泉)
■ 紹介ページ (MAPPLE 観光ガイド)
■ 紹介ページ (長野の温泉宿(求人ジャーナル社))
■ 紹介ページ (温泉みしゅらん)
北八ヶ岳の登山基地として知られるこの山の一軒宿は、お湯のよさでも定評があります。
松原湖から小海リエックスリゾートにのぼる県道480から看板に従って左手に分岐してのアプローチ。
分岐はたしか小海リエックスの上あたりかと思いましたがうろ覚え。
天狗岳の北東山腹、標高約1,500mのカラマツ林のなかに総木造のどっしりとした建物があります。
前庭のよこを流れる沢の河床が鉄分で赤茶に染まっていい感じ。
【写真 上(左)】 赤茶に変色した沢
【写真 下(右)】 玄関
奥にある浴室は男女別。
入口に温泉みしゅらんのクマオさんが解読された明治期の分析表が掲げられていました。
平日ながらハイシーズンなので混雑覚悟で突入するも、あらラッキー、男湯独占!
ただ、少しすると2人ほど入ってきて、出るときは入れ違いに10人ほどの団体がやってきたので、夏場にゆったりとお湯を楽しむのはむずかしいかも・・・。
【写真 上(左)】 明治期の分析表
【写真 下(右)】 浴槽
暗く小さめの浴室に赤茶に色づいた石造4人の小ぶりな浴槽。
カラン3、シャワー・シャンプー・ドライヤーなし。
浴槽のよこに真っ白なイオウ系の析出の出た冷たい源泉だめがあって、コック(常閉)を捻ると浴槽に源泉が注がれます。
脇にはコップもおいてありました。
湯口まわりはイオウで真っ白、湯口下は鉄分で赤茶色、こういうのはなかなかお目にかかることができません。
【写真 上(左)】 真っ白に変色した湯口
【写真 下(右)】 湯口の下は赤茶色
ベースは熱湯の投入+側面注入でお湯は加温がきいてやや熱め。
オーバーフローがないので槽内排湯があるはずですが確認できず。
微濁したお湯には白と茶色の浮遊物があり、金気臭+焦げ臭がただよいます。
冷たい源泉は、明瞭な炭酸味+微収斂味+僅微苦味+微金気味+僅微たまご味。
クラブソーダにたまご味と金気味を軽くプラスしたような清涼感のあるもので、クセになります。
炭酸臭+しぶ焦げイオウ臭+ラムネ臭の高峰温泉に似た絶妙な温泉臭。
キシキシ感のあるお湯は、肌に染み渡るようなデリケートな浴感があり、よく温まって、浴後は肌がキトキトになります。
【写真 上(左)】 浴槽への投入
【写真 下(右)】 洗い場
貴重な炭酸泉が過加温気味だったのは残念ですが、炭酸泉と硫黄泉の特徴が楽しめる個性あふれるお湯なので、わざわざ林道を長駆ドライブして行くだけの価値はあるかと思います。
ただし、立ち寄り可能時間が短いので要注意、事前TEL確認必須でしょう。
単純二酸化炭素・硫黄冷鉱泉(硫化水素型)(Ca-HCO3・SO4型) 7.6℃、pH=4.9、44.0L/min自然湧出、成分総計=1251mg/kg、Na^+=4.9mg/kg (15.00mval%)、Mg^2+=3.3 (19.29)、Ca^2+=13.5 (47.86)、Fe^2+=3.3、Cl^-=2.1 (4.38)、HS^-=0.02、SO_4^2-=17.3 (26.26)、HCO_3^-=56.8 (67.83)、陽イオン計=27.4 (1.40mval)、陰イオン計=76.6 (1.37mval)、遊離炭酸=1094、硫化水素=3.6 <H11.3.25分析> (源泉名:稲子湯源泉)
○ 元レポは「みしゅらん掲示板 特集クチコミ情報」でもご紹介いただいています。
■ブランドグルメ
〔 小海町「親沢地区」の松茸 〕
山国、信州には松茸の名産地がたくさんあります。
小海町「親沢地区」でとれる松茸も「香り、味わいが良く、皆様からすばらしい評判をいただいております。」(町HPより)とのこと。
町が地区名まで挙げて名産品として推すのですから、相当な逸品では?
〔 2010/05/16UP (2004/09/10レポ (2004/07入湯)) 〕
E138.24.10.650N36.2.25.753
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■ 六峰温泉 「六峰温泉」 〔 Pick Up温泉 〕
<六峰温泉 「六峰温泉」>
(長野県諏訪郡下諏訪町町屋敷2256-1、5:30~9:00/11:00~21:00、月休、300円、0266-28-6000、※2010/3末日をもって閉鎖の情報あり)
■ オフィシャルHP (運営企業の(株)六協のHP内、2010/04/19時点で掲載あり)
■ 紹介ページ (BIGLOBE温泉)
なんと諏訪の名湯、六峰(ろっぽう)温泉が3月末をもって廃止になったという情報をGET。
あまりに惜しいので、記録の意味でUPします。
【写真 上(左)】 看板
【写真 下(右)】 全景
下諏訪町からR142中山道を和田峠に向かって登っていく国道沿いのドライブインに併設の公衆浴場。
ドライブインなのでPはゆったり。
本棟(このときはそば処「そば蔵」)と浴場は別棟ですが、そば処レジで受付し、階段をおりてのアプローチ。
【写真 上(左)】 受付
【写真 下(右)】 暖簾
2005年に改装したらしい館内は綺麗で、手前に男湯、おくに女湯。
脱衣所はこぢんまり。”温泉”と書いてある洗面台のお湯カランに期待が高まります。
【写真 上(左)】 内湯
【写真 下(右)】 脱衣所
窓の広い明るい浴室に4-5人の黒みかげ石枠タイル貼浴槽ひとつとシンプル。
浴槽まわりには石膏系の析出がでています。
【写真 上(左)】 脱衣所洗面台のお湯も温泉
【写真 下(右)】 浴室
カラン6以上、シャワーあり、シャンプー・ドライヤーなし。
カランも温泉です。
土曜11時で2人~独占と空いていました。
【写真 上(左)】 浴槽
【写真 下(右)】 洗い場
赤茶に色づいた布製湯の花キャッチャー付きの木樋の湯口から熱湯を投入で槽内注吸湯はなく、豪快にオーバーフローのかけ流し。
【写真 上(左)】 カランも温泉
【写真 下(右)】 湯口
かなり熱めのお湯はごくわずかに茶濁し、黒とうす茶の湯の花を浮かべています。
塩味と芒硝味と金気だし味が合わさったこんぶ茶味(^^)、甘イオウ臭 or 強石膏臭にわずかに焦げ臭がまじる絶妙な湯の香。
きしきしとかなり強めのツルすべが入り混じるインパクトのある湯ざわりで、下諏訪のお湯のなかでは毒沢とともにキャラの立った一湯です。
【写真 上(左)】 ざこざこのオーバーフロー
【写真 下(右)】 湯口&湯色
鮮度感は抜群で湯口そばではアワつきも・・・。
熱湯と鮮度と成分が合わさってかなり強いあたたまりがあり、ときおりカランの水を浴びながらの入湯。
異様にフックのあるあと曳き系のお湯で、出るに出られずついつい長湯に・・・(笑)。
名湯揃いの諏訪でも頭ひとつ抜けたすばらしいお湯だと思います。
【写真 上(左)】 内湯
【写真 下(右)】 源泉タンク
この名湯が閉鎖とは、かえすがえすも残念。
現在、六峰温泉は下諏訪町の町有ですが、この源泉をつかっていたのはここだけなので、3月末以降はこの源泉にはもう入れなくなります。
このところ、旅館の廃業や温泉浴場の閉鎖が本当に多くなりました。
「観光立国をめざす」といいながら、この実態はなんとしたこと。
これで、先日発表された「高速道路原則無料化という名の休日料金実質値上げ」が強行されると、またまた閉鎖されるお湯が増えるのでしょう。
気になっているお湯があったら早めに行っておいたほうがいいかも・・・。
〔 閉鎖にかかわる情報 (長野日報2010-2-23WeB記事より抜粋引用) 〕
「下諏訪町の総合建設業六協(河西憲昭社長)は、同町町屋敷で営業する六峰温泉公衆浴場を、景気悪化、利用客減少から3月末で閉鎖する。同浴場が温泉を購入している六峰源湯(同町管理)は、供給先が同浴場だけのため、町は同源湯を休止する方向で、六協、地元六区と調整している。22日、町議会全員協議会で報告した。」
同記事によると六峰源湯は1989年(株)六協が掘削。数年後、下諏訪町は「温泉統合計画」に沿って同源湯を同社から買い取り、同社は町から温泉を購入して92年11月以来公衆浴場を営業してきたとのこと。
国道沿いの温浴施設という好立地も未曾有の不景気には勝てなかったということでしょうか。
それにしても、このまま封鎖してしまうにはあまりにも惜しい名湯、いつか復活してくれることを祈ります。
Ca・Na-硫酸塩・塩化物温泉 49℃、pH・湧出量・成分総計不明、Na^+=328.1mg/kg、Ca^2+=436.5、Fe^2+=0.2、Cl^-=362.3、SO_4^2-=1231、他不明 <H14.1.30分析> (源泉名:六峰温泉)
<温泉利用掲示> 加水:なし 加温:なし かけ流し 殺菌:なし
〔 館内掲示 〕
温泉は源泉かけ流しです。加水・加温は一切ございませんので温度は自然のままです。
〔 2010/04/19UP (2007/08入湯) 〕
E138.6.5.364N36.6.20.054
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■ 湯の瀬温泉 「吉野家」 〔 Pick Up温泉 〕
<湯の瀬温泉 「吉野家」>
(長野県小諸市山浦988、10:00~20:00、500円、0267-22-3308)
■ 紹介ページ (小諸市観光協会)
■ 紹介ページ (@nifty温泉)
■ 紹介ページ (MAPPLE 観光ガイド)
■ 紹介ページ (長野の温泉宿(求人ジャーナル社))
千曲川の河畔、板張りの吊り橋「大杭橋」のたもとにある一軒宿が日帰り開放するもの。
たたずまいは湯宿というより釣り宿の趣。
千曲川は魚種の豊富な川として知られており、ヤマメ、イワナ、アユ、ハヤ(ウグイ)、フナなどを狙う太公望が各地から集まります。
ここもそんなお客に支えられているような感じがあり、料理も佐久鯉、千曲川の鮎やハヤなど地元でとれたものがメインのようです。
【写真 上(左)】 対岸から大杭橋と吉野家
【写真 下(右)】 大杭橋
千曲川にかかる板張りの吊り橋「大杭橋」をわたっていく雰囲気あふれるアプローチ。
橋が車の重量で揺れて、けっこうスリルがあります。ただ、重量のある車は、反対側(宿側)の道から行ったほうがいいかも・・・。
(後註:現在「大杭橋」は、「老朽化に伴い、当面の間、『車両通行止め』としましたのでお知らせします。」(「こもログ」2009/11/27)とのこと。)
【写真 上(左)】 看板-1
【写真 下(右)】 看板-2
ちょうど漁の端境期だったからか、なんとなしに活気がなく営業しているか疑問でしたが、声をかけるとおくから親切そうなご主人がでてきました。
信州秘湯会の会員宿なので、日帰り受付は手慣れた感じ。
浴場はふたつあって、おくは狭め、手前は広めとのことで、当日はほかにお客がいなかったので広めのほうに貸し切りで入れました。
脱衣所はこぢんまり。
木づくりの浴室は天井の高い趣あるもの。思いのほかきれいでリニューアルをかけたのかも・・・。
【写真 上(左)】 浴室
【写真 下(右)】 浴槽
木枠石タイル敷5-6人の入りごこちのいい浴槽ひとつとシンプル。
ところどころ黒く変色したヒノキ?の湯口からたぶん加温源泉を投入で、ほかに熱湯の側面注入で側面吸湯。
掲示に「湯量すくないので循環」とあります。
カラン3、シャワー・シャンプーあり。ドライヤーなし。
土曜15時で独占貸切。
なぜか浴室内に甘イオウ臭がただよっています。
浴槽の手前にあるカランの水は甘イオウ臭が香り、まったく旨味を感じない風変わりな味で、これは井水だと思います。(源泉スペックともちがうイメージなので・・・)
【写真 上(左)】 湯口
【写真 下(右)】 カラン
適温~ややぬるのお湯は、くらめだったので色不明。わずかに茶色の浮遊物がうかびます。
成分なりかそれ以上のしっかりとした重曹塩味があり、おそらく加水はないと思います。
ヒノキ湯口の臭い+αがしますが、お湯じたいの香りはさして感じられません。
湯面でもよわいイオウ臭がしますが、これは湯の香ではなく、浴場内にこもっている甘イオウ臭かと・・・。
ツルすべのうらに硫酸塩系のキシキシ。
メタけい酸によるものと思われる圧倒的なとろみがここのお湯の個性だと思います。
湯中の指先がよわく青白発光、湯ざわりからしても硫酸塩成分を含んでいるような・・・。(分析書には記載なし)
すこぶる当たりのやわらかなお湯で入りごごち抜群。
あたたまりはさほどつよくないので、いつまでも入っていたくなるしみじみといいお湯です。
鮮度感はさすがによわいものの、妙に説得力のあるお湯は玄人好み。
かけ流しのお湯が多いこのエリア、循環ということでいささか損をしているような気もしますが、お湯のレベルじたいはかなり高いように思いました。
Na-塩化物温泉 32.3℃、pH=7.8、湧出量不明、成分総計=2598.7mg/kg、Na^+=827.0mg/kg (84.57mval%)、Ca^2+=84.7 (9.92)、Fe^2+=0.6、Cl^-=1361.3 (94.06)、HCO_3^-=121.8 (4.95)、陽イオン計=979.5 (42.53mval)、陰イオン計=1485.2 (40.44mval)、メタけい酸=111.9、メタほう酸=13.7 <H16.2.4分析> (源泉名:吉野2号)
<温泉利用掲示> 加水:なし 加温:あり 循環ろ過:あり 消毒減菌:あり
〔 夢地蔵尊の由来 〕(地蔵尊脇由来書より)
是に安置し奉る地蔵尊は百八十六年前の昔、寛政七年正月十三日沙彌是三山畑八右衛門が秩父板東西國の百観音霊場を巡拝し夢に見ていた願いを成就し、武州狭山市南入曽金剛院大日堂の境内に建立せる地蔵尊であります。爾来、村民並に近郷の人々は夢の希望を叶え給える地蔵尊なるが故に「夢地蔵」と呼び厚く信仰し、願主吉野久次郎も亦信者の一人でありましたが、去ぬる日『我が地を信州小諸千曲川の傍なる湯の瀬に移し、温泉を堀り、人々の身心の健全を守るべし』との夢のお告げを受けました。以来、幾多の辛酸を嘗め歳月の経ること十有星霜宿縁の地に温泉の湧出するを得、大願成就して人々の歓喜するところとなりました。(中略)仍って、夢地蔵尊をこの地に奉還し、永く温泉の守護を願い奉る。(以下略)
■ブランドグルメ
〔 布引いちご園のイチゴ 〕
川魚つながりで「千曲川のつけば」(つけば漁で獲ったハヤ(ウグイ)料理)にするつもりでしたが、あらためて調べてみると、「つけば」は小諸より上田や更埴のほうが本場のようなので、そこらへんのお湯のときに紹介します。
でもって、イチゴにしました。
東日本でイチゴの産地というと栃木、茨城、静岡などが知られていますが、長野にもいくつかイチゴ園があります。
小諸市の御牧ヶ原は「みまきいちご」と呼ばれる原種のイチゴが自生していたといわれ、全国でも早い時期から栽培が行われ、日本で初めての缶詰イチゴジャムもここでつくられたそう。
「いちご平」という地名も残り、じつは「イチゴのふるさと」のようなところです。
「布引いちご園」はその「いちご平」に平成11年に開園した人気のイチゴ園で、出荷もしています。
現在の栽培品種は「章姫」「紅ほっぺ」「アルビオン」。
いちご狩りは、収穫したイチゴをそのまま食べるので、できるだけ薬剤に頼らない栽培を目指しているとのこと。
(「布引いちご園HP」、長野県資料などを参考。)
〔 2010/03/20UP (2009/04入湯) 〕
E138.25.27.353N36.17.56.649
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■ 高峰温泉 「高峰温泉」 〔 Pick Up温泉 〕
<高峰温泉 「高峰温泉」>
(長野県小諸市高峰高原704-1、11:00~14:00(受付)、原則無休、500円、0267-25-2000)
■ オフィシャルHP
■ 紹介ページ (@nifty温泉)
■ 紹介ページ (MAPPLE 観光ガイド)
■ 紹介ページ (BIGLOBE温泉)
「標高2,000m雲上の温泉」「ランプの宿」として有名な日本秘湯を守る会会員宿。
浅間山から西に延び、信州佐久と上州吾妻を境する浅間連峰(烏帽子火山群)の尾根上にあるロケ絶佳の宿です。
標高2,000mといっても、佐久側からチェリーパークラインという元有料道路経由で楽に到達できます。
この道はもろ南傾斜面なので標高のわりに雪が少なく、晴天率も高いので冬場でもアプローチはわりあい楽です。
【写真 上(左)】 アサマ2000スキー場
【写真 下(右)】 見晴らしのよいロビー
夏は涼しく、春の新緑、秋の紅葉、冬の雪景色とそれぞれにすばらしく、浅間山や篭ノ登山の登山ベースとしても愛用されるめぐまれた立地にあります。
また、北斜面にあるアサマ2000スキー場は、雪質がよく東京から近いわりには遅くまで滑れるゲレンデとして知られています。
車坂峠から未舗装路を車で数分ですが、冬はゲレンデとなるので、11/21~4/20頃まではアサマ2000スキー場の駐車場から雪上車での送迎となります。
そうなると時間が極端に限定されるので晩秋に駆け込みで行ってきました。
(後記註:現在の状況)
冬期間(11月21日~4月20日頃)はアサマ2000スキー場第3駐車場より雪上車送迎
9時45分・10時15分・13時00分に運行(天候等により変更あり、要問合せ)
日帰り入浴料金+雪上車乗車料金(税込) 大人1,500円 子供1,400円
【写真 上(左)】 ウッディーな館内
【写真 下(右)】 昭和39年頃の浴場(館内掲示写真)
ウッディーで明るい館内はシックな大人の雰囲気。
浴室は、1階にランプの湯(男女別)、2階に高峰の湯(男湯)、四季の湯(女湯)の4つがあり、日帰り入浴できるのはランプの湯です。
【写真 上(左)】 ランプの湯男湯
【写真 下(右)】 ランプの湯女湯
こぢんまりとした脱衣所、扉をあけると浴槽の向こうに展望が広がるすばらしいロケーション。
浴室は予想以上にせまく、加温槽(木造3-4人)、源泉槽(1-2人)のふたつで、湯口や浴槽まわりはクリーム色の析出に覆われ、浴舎のたたずまいとあいまってすばらしい雰囲気。
カラン6、シャワー・シャンプー・ドライヤーなし。
【写真 上(左)】 加温槽
【写真 下(右)】 源泉槽
土曜12時で最初独占でしたがしだいにふえて最後は7人(イモ洗い)。
紅葉の時季が終わってもこの盛況ですから、シーズン中は待ち状態なのかな?
でも、2~3人の時間が長くてじっくりとお湯を楽しめました。
【写真 上(左)】 飲泉用の舛
【写真 下(右)】 女湯の湯口
加温槽は、2本の金属パイプから投入でひとつは高温で40L/min、もうひとつはたぶん源泉の冷たい水で7L/minくらい。
かるいオーバーフローと側面吸湯があり、掲示されていた天然温泉利用証には「放流一部循環濾過式、加水なし、加温あり」とあるので、半循環のようです。
冷たい源泉槽は、金属パイプから9L/min程度を投入。
槽内注排湯なしの全量オーバーフローは、源泉かけ流しでしょう。
源泉槽の湯口からは飲泉もできます。
加温槽のお湯は、透明度50㎝の緑がかった乳白色のにごり湯。
源泉槽のお湯(水)は、緑白色のささにごりで、こまかな針状の白い湯の花がたくさんただよっています。
どちらも絶妙によさげな湯色。
【写真 上(左)】 湯色
【写真 下(右)】 析出&湯色
ともに弱重曹味+苦味+たまご味。
しぶ焦げイオウ臭にラムネのような清涼感のある臭いをまじえた絶妙の温泉臭で、この香りが浴室内に立ちこめています。
総硫黄=1.2mg/kgのわりには硫黄泉のイメージが強いお湯かと思います。
重曹泉ながらどちらかというと土類系のキシキシが勝った湯ざわりで、ほてりのない上品な浴感。
源泉槽では少ないながらアワつきもあって、鮮度のよさが感じられます。
浴後は湯切れよく肌がすべすべとなって爽快感がありますが、しばらくするとからだの芯からほこほことした温まり感が立ち上がってきます。
【写真 上(左)】 こまかな湯の花
【写真 下(右)】 源泉槽からのながめ
う~、これはたまらん。
やはりすばらしいお湯で、源泉槽と加温槽の冷温交互浴は快感の極致 ^^)
近くにあったら通い必至の名湯だと思います。
Ca・Na・Mg-炭酸水素塩温泉 26.2℃、pH=6.6、湧出量不明、成分総計=1521.9mg/kg、Na^+=85.5mg/kg (23.29mval%)、Mg^2+=40.2 (20.73)、Ca^2+=175.5 (54.85)、Fe^2+=0.2、Cl^-=7.4 (1.29)、HS^-=0.3、SO_4^2-=125.0 (15.99)、HCO_3^-=819.7 (82.60)、陽イオン計=307.3 (15.97mval)、陰イオン計=952.6 (16.26mval)、メタけい酸=67.2、メタほう酸=16.4、遊離炭酸=177.5、硫化水素=0.9 <H6.11.28分析> (源泉名:高峰温泉)
*建物所在は小諸市、源泉地は東部町(現東御市)なので、源泉は東部町側から引いているかと思いますが、それでも鮮度感は充分です。
○ 一郷一会100名湯(by 福沢 湯キチ氏)
○ 元レポは「みしゅらん掲示板 特集クチコミ情報」でもご紹介いただいています。
■ブランドグルメ
〔 小諸(御牧ヶ原)の白いも(白土馬鈴薯) 〕
小諸市の御牧ヶ原では標高約800mの気候と粘土質の土壌を活かして白いも(白土馬鈴薯)が栽培されます。
ふつうのじゃがいもにくらべ肌が白く、でんぷん質が多いのでホクホク感が高いとのこと。
栽培量がすくなく、ほとんどが関西方面の高級飲食店に流れているようですが、近年、地域ブランド化のうごきが活発となり、ポタージュスープやニョッキの開発、商品化がなされています。
(「小諸市営農支援センターHP」などを参考)
〔 2010/03/07UP (2003/11/09レポに加筆 (2003/11/入湯)) 〕
E138.27.48.134N36.24.23.316
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■ 塩壺温泉 「塩壺温泉ホテル」 〔 Pick Up温泉 〕
<塩壺温泉 「塩壺温泉ホテル」>
(長野県軽井沢町塩壺、11:00~21:00、原則無休、1,000円、0267-45-5441)
■ オフィシャルHP
■ 紹介ページ (@nifty温泉)
■ 紹介ページ (じゃらんnet)
軽井沢の数ある温泉のひとつ。
このところ「星野リゾート」のかげにかくれがちですが、鎌倉時代に源頼朝公により発見されたといわれる歴史ある古湯の一軒宿です。
このあたりでは初めての湯壺ということで「初壺」(しょつぼ)とよばれ、それが「塩壺」(しおつぼ)に転訛したようです。
森のなかにたたずむいかにも軽井沢らしいシックな大人向けのホテルで、バードウォッチングでも有名です。
【写真 上(左)】 エントランス
【写真 下(右)】 家族風呂
男女別の浴場と貸切家族風呂(11:00~14:00で日帰り客も利用可、料金別途2,000円/h)があります。
「憲政の神様」といわれた大政治家、尾崎行雄(咢堂)はこのお湯をこよなく愛し、「長命泉」と名づけたと伝わっています。
【写真 上(左)】 浴場入口
【写真 下(右)】 脱衣所
脱衣所はきれいにメンテされたつかいやすいもの。
石枠タイル貼15人くらいの大ぶりな内湯と石造5-6人の露天の2槽構成。
露天は軒下タイプながら、滝と池を配して和風に落ちついています。
【写真 上(左)】 露天-1
【写真 下(右)】 レトロな寝湯
内湯の一画には丸タイル貼のレトロな寝湯がふたつあります。
カラン11(内、ブース型1)、シャワー・シャンプー・ドライヤーあり。
平日14時で3人~独占。
【写真 上(左)】 内湯
【写真 下(右)】 露天-2
内湯は石の湯口から15L/minほどを投入+側面注入で数ケ所の排湯口へ上面排湯。
露天は石灰華のイガイガのでた岩の湯口から投入で、手前排湯口からの上面排湯。
露天は盛大な石灰華におおわれ、お湯の感じからしてもかけ流しかそれにちかい湯づかいかと思います。
【写真 上(左)】 内湯の湯口
【写真 下(右)】 露天の湯口
湯温は内湯で適温、露天はぬるめ。
翠がかってやや懸濁したお湯には白と茶色の浮遊物(内湯はほとんどなし)。露天にはこまかな気泡がただよっていますが、アワつきは確認できず。
磯の香+西上州系のセメント臭+微ミシン油臭+微焦げ臭+金気だし味+重曹味+微苦味の複雑な味臭。(内湯は若干の消毒臭があったかも。)
ツルすべと重炭酸土類系のひっかかるような湯ざわりにとろみをまじえた絶妙な浴感。
えらくあとを曳くお湯なので、なかなか脱出できません。
どちらかというと硬質なイメージのお湯で入りごたえがあります。
【写真 上(左)】 析出
【写真 下(右)】 露天の湯色
軽井沢では塩沢温泉(休業中)のつぎに重炭酸土類のつよいお湯かと思います。
イオウ重曹泉的な「トンボの湯」とは趣のちがうお湯なので、お金のある方は(^^)、はしごしてみるのも面白いかも・・・。
Na-炭酸水素塩・塩化物温泉 48.5℃、pH=7.4、湧出量不明、成分総計=2130.5mg/kg、Na^+=443.0mg/kg (72.88mval%)、Mg^2+=50.8 (15.81)、Ca^2+=41.1 (7.75)、Fe^2+=0.5、Cl^-=314.0 (33.00)、HS^-=0.3、SO_4^2-=170.0 (13.18)、HCO_3^-=876.0 (53.48)、陽イオン計=570.8 (26.44mval)、陰イオン計=1364.3 (26.85mval)、メタけい酸=179.4、メタほう酸=16.0、遊離炭酸=72.6、硫化水素=0.1 <H3.7.26分析> (源泉名:塩壺、星野共同井戸)
※ガイドなどではよく「炭酸泉」と紹介されていますが、遊離炭酸は72.6mg/kgにすぎず炭酸泉ではありません。たぶん「炭酸水素塩泉」を誤解して「炭酸泉」と紹介したのでしょう。(よくあるパターン (^^ )
<温泉利用掲示> 加水:なし 加温:記載なし 循環:あり 消毒:あり
■ブランドグルメ
〔 軽井沢のジャム 〕
外国人の避暑地、屈指の高級別荘地としてのながい歴史が育んだ軽井沢のジャム。
旧軽を中心に多くのお店がありますが、御三家といわれているのが、「沢屋」、「中山」、「こばやし」。
それぞれ独自の製法をもち、バラエティあふれる品揃えと、洗練されたパッケージングはさすが本場の実力を感じさせます。
〔 2010/02/24 (2006/07入湯) 〕
E138.35.29.635N36.21.47.464
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■ 下諏訪温泉 「中川旅館」 〔 Pick Up温泉 〕
<下諏訪温泉 「中川旅館」>
(長野県下諏訪町3483-7、12:00~14:00(湯めぐりうちわ)、0266-27-8556)
■ 紹介ページ (信州キャンペーン実行委員会(長野県観光部観光振興課内) )
■ 紹介ページ (楽天トラベル)
下諏訪温泉では「旦過の湯」とならぶ主力源泉の「綿の湯」。
「綿の湯伝説」(下記)が伝えるとおり、下諏訪温泉発祥の神湯とされ、古来から大切にされているお湯です。
「綿の湯」をつかうお宿はいくつかありますが、いずれも「綿の湯」使用を誇らしげにうたっているので、いまでも格式の高い名湯の地位にゆるぎはないようです。
【写真 上(左)】 綿の湯
【写真 下(右)】 浴室入口
そのなかの一軒が「中川旅館」。
田中康夫元長野県知事のもと、平成16年白骨温泉の入浴剤使用問題を契機に実施された「旅館・ホテル等の入浴施設及び公衆浴場調査」によると、ここは源泉100%、加温なし、かけ流し、毎日換水、殺菌処理なしという、温泉好きからすると非のうちどころのない湯づかいをしているようなので、『下諏訪湯めぐりうちわ』をつかい攻めてみました。
なお、『下諏訪湯めぐりうちわ』は現在終了しているようなので、いまでも日帰り入浴できるかは不明です。
「綿の湯」泉源は「遊泉ハウス・児湯」駐車場のあたりで、ここはそのすぐそばですからとても恵まれた立地にあります。
かなりこぢんまりとしたお宿で、廊下のおくにふたつの浴室。
休日13時で空いていたので右側の男湯に貸し切りで入れました。
【写真 上(左)】 浴槽
【写真 下(右)】 石膏まみれの源泉カラン
やや暗めの浴室に総タイル貼3-4人の渋い浴槽ひとつとシンプル。
石膏まみれのカランから熱い源泉を10L/min弱投入し、パスカル方式らしいパイプからの排湯+オーバーフロー。
カラン2、アメニティ類なし。
無色透明のお湯はゲキ熱で、硫酸塩泉らしく湯中の指先が青白く光っています。
よわい芒硝塩味によわい芒硝臭。味臭とも旦過よりよわいように感じました。
キシキシとヌルすべがいりまじる絶妙の湯ざわりで、とろみもありますが旦過よりよわいもの。
【写真 上(左)】 パイプからの排湯
【写真 下(右)】 カラン&湯色
熱湯で責め立ててくる旦過にくらべると、こちらも熱湯ながらやさしくおだやかな味わいのあるお湯で、なるほど「綿の湯」のいわれもうなずけます。
シンプルな浴室で、他に気をとられることなくひたすらお湯と対峙できるので、よけいにお湯の個性をセンシティブに感じます。
地味なお宿ですがお湯はとてもいいので、温泉好きにはおすすめかと。
また、「旦過の湯」と入りくらべてみるのも一興でしょう。
【綿の湯伝説】
その昔、諏訪明神の祭神「建御名方神」のお妃「八坂刀売神」が、上社から下社にお移りになられるとき、女神は日頃化粧に使われていた「『社前の温泉』を分けてくださるように」と請われ、温泉を綿に湿し「湯玉」にしてお持ちになりました。
下社にお着きになられたとき、手にされていた「湯玉」を置かれた所から、温泉が湧き出しました。
湧き出した場所が下諏訪温泉発祥のお湯「綿の湯」とされています。
もともと神聖な「神様の湯」なので、汚れたもの、やましい者が入ると、湯口が濁ったといわれています。(湯口の清濁)
古来、下諏訪の人々は、「綿の湯、児湯(こゆ)、旦過(たんが)の湯の三湯を利用し、『綿の湯は綿のように肌触りがよい』『児湯は良く暖まって子宝に恵まれる』『旦過の湯は熱くて傷に良い』などそれぞれ評判良く賑わいました。」(上諏訪町資料より)とあり、神湯、綿の湯の肌触りのよさははるかむかしから定評があったようです。
(以上、町、商工会議所資料および現地案内板を参考。)
現在は「遊泉ハウス・児湯」の駐車場に「綿の湯」のモニュメントが置かれていて、熱い源泉のなかで石づくりの湯玉がくるくるとまわっています。
また、「綿の湯」は現在、下諏訪町長が管理者を務める財産区が所有しているようです。
綿の湯を引湯している周辺5軒のお宿の女将が集まり「綿の湯界隈会」がつくられていますが、このお宿もそのメンバーです。
Na・Ca-硫酸塩・塩化物温泉 57.9℃、pH=8.4、756L/min掘削揚湯、成分総計=1041mg/kg、Na^+=265.2mg/kg (76.42mval%)、Ca^2+=65.0 (21.45)、Fe^2+=0.06、F^-=2.9、Cl^-=214.0 (39.75)、HS^-=0.2、SO_4^2-=405.3 (55.51)、HCO_3^-=26.4、CO_3^2-=3.6、陽イオン計=337.8 (15.10mval)、陰イオン計=652.9 (15.19mval)、メタけい酸=45.5、メタほう酸=4.9 <H5.9.22分析> (源泉名:綿の湯源湯)
※ 分析書とは別に「城山源湯円久保源湯混合 硫酸塩泉 56.9度」という簡易掲示もありました。
■ブランドグルメ
〔 新鶴本店の塩羊羹 〕
創業明治六年、下諏訪を代表する銘菓の老舗です。
諏訪大社下社秋宮のとなりに風情あふれる店構え、観光客にも広く親しまれています。
山国、信州では塩はことさら貴重で、初代の店主も「羊羹に塩味を加えることを思いつき、砂糖や餡とのなじみ具合、寒天折り合いに苦心しながら、丹念に練りあげるうちに、塩の調和がもたらす、しっとりした淡雅な口当たりと甘さの間合いを体得。新鶴の塩羊羹が生まれました。」との由。(HPより)
厳選された十勝の小豆と茅野の寒天を用いて、楢薪をたいて練り上げるという、初代の製法を忠実に守って製造されているとのこと。お取り寄せもできます。
〔 2010/02/16 (2007/08入湯) 〕
E138.5.35.140N36.4.23.510
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■ 千古温泉 「千古温泉」 〔 Pick Up温泉 〕
<千古温泉 「千古温泉」>
(長野県上田市(旧 真田町)横尾6395、10:00~20:00、500円、毎月20日休、0268-72-2253)
■ 紹介ページ (@nifty温泉)
■ 紹介ページ (温泉みしゅらん)
信州、小県にある根強いファンをもつ名湯。
旅館ですが日帰り入浴も広く受け付けています(現況、日帰りのみという情報もあり)。
千曲川支流、洗馬川の渓流に面した好ましげな佇まい。
かなりわかりにくい場所にありますが、いくつか看板があります。
近くには真田十勇士のひとり霧隠才蔵(猿飛佐助とも)が修行したとされる千古滝があります。
また、このお湯じたいも古く、真田十勇士の入湯伝説があるようです。
玄関先にはたくさんの剥製たちがお出迎え。
美人の噂高い若女将に料金を払って入場。
脱衣所・浴室ともにかなり狭いのが残念ですが、すでに脱衣所の鏡のフチからして真っ黒に硫化していて期待が高まります。
【写真 上(左)】 玄関
【写真 下(右)】 浴槽
洗馬川に面した男女別の浴室は、石造2-3人のこぢんまりとした浴槽のみで浴室内はイオウ臭プンプン。
岩の湯口から源泉を投入で側溝に排湯するかけ流し。
カラン3、シャワー・シャンプーあり、ドライヤーなし。
カランは見事なまでに真っ黒に変色しています。
日曜15時で2~3人と混雑 ^^;)
ちなみに、ここはかなりの人気湯でいつ行ってもたいてい浴客がいます。
おまけに冬場は湯気がもうもうとこもっています。
なので、いい浴室写真がありません(と、言い訳をする・・・(^^;))
かなり熱めのお湯は、薄い緑黄色に黒い湯の花をうかべ、イオウたまご味にかなり強烈なしぶ焦げイオウ臭が香る堂々たるイオウ泉です。
細かなアワつきに、よわいヌルすべもありますが、これはアワつきのせいかもしれません。
イオウ泉特有のスルスルとした湯ざわりもしっかり感じられます。
湯底には黒い沈殿物があり、足の裏やお尻が真っ黒になります。(たぶん硫化鉄のシワザ)
皮膚の油分が抜けたようなパサパサ感が出る面白い浴後感のお湯です。
しかし、火山地帯でもないのにこのイオウ泉は立派。
千曲川を挟んだ丸子温泉郷にもイオウ含みのお湯はありますが、それよりもはるかにイオウがきいています。
イオウ泉の浴感十分なお湯は、マニアにはマストのお湯かと思います。
単純硫黄冷鉱泉 24.4℃、pH=8.6、湧出量不明、蒸発残留物=528mg/kg、Na^+=139.4mg/kg、Ca^2+=38.7、Fe^2+=0.7、Cl^-=193.6、HS^-=12.8、SO_4^2-=54.0、HCO_3^-=60.4、メタほう酸=15.3、硫化水素=0.3 <H11.3.18分析> (源泉名:千古温泉)
<温泉利用掲示> 加水:なし 加温:あり 放流式(かけ流し) 殺菌剤:なし
■ブランドグルメ
〔 真田のふじりんご 〕
上田市のなかでも標高が高く昼夜の寒暖差が大きい南傾地の真田地区で採れるリンゴの味には定評があり、品種”ふじ”が有名です。
とくに限られた生産者によりつくられる「クラウンふじ」は逸品で、「真田十勇士」にちなんだオリジナル箱入りで出荷されます。(「上田市真田の郷振興公社HP」などを参考)
〔 2010/02/13UP (2002/11/24レポに加筆 (2002/11から数回入湯)) 〕
E138.17.54.748N36.26.12.622
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■ 毒沢鉱泉 「神乃湯」 〔 Pick Up温泉 〕
<毒沢鉱泉 「神乃湯」>
(長野県諏訪郡下諏訪町社7083、10:00~20:00(時間確認要)、700円、0266-27-5526)
■ オフィシャルHP
■ 紹介ページ (@nifty温泉)
■ 紹介ページ (MAPPLE 観光ガイド)
毒沢鉱泉の歴史は古く、永禄年間に武田信玄が金山発掘の際、怪我人の治療に利用したと伝えられる、いわゆる”信玄の隠し湯”のひとつです。
”毒沢”とはなんともおそろしげな名前です。
読みは古いガイドで”ぶすざわ”と紹介されていた記憶がありますが、最近ではほとんど”どくさわ”が使われています。
「神乃湯」、「宮乃湯」、国民宿舎「沢乃湯」の3軒の宿があって、「神乃湯」が最奥になります。
【写真 上(左)】 看板
【写真 下(右)】 落ちついた雰囲気の館内
以前はかなり鄙び入った鉱泉宿だったようですが、2001年に新築・改装され、和風情緒あふれる落ちついた宿になっています。
細かなところまで意匠が凝らされたいわゆるデザイナーズ旅館系で、木と白壁の質感を活かした館内は暖かみが感じられ、泊まりたい衝動に駆られました。
これからはこのような感性の宿が主流となっていくのでは?
【写真 上(左)】 浴場入口
【写真 下(右)】 脱衣場
別棟の総木造の浴室は男女別でこぶりなもの。
窓の外に緑濃い沢筋を見下ろすなんとも風情あふれる浴室で、木づくりの加熱浴槽(4-5人)と源泉槽(1人)がとなり合っています。
【写真 上(左)】 趣ある湯屋
【写真 下(右)】 浴場からの景色
浴槽はリニューアル前と同じ規模のようで、むやみに浴槽を大きくしたり、露天を造ったりしない姿勢にお湯に対するお宿の見識を感じます。
カラン4、シャワー・シャンプー・ドライヤーあり。連休13時で4人~独占。
【写真 上(左)】 シックな浴室
【写真 下(右)】 洗い場
加熱槽は、木の湯口からうす赤くにごった熱湯を投入し、底面吸湯ありでオーバーフローなし。
源泉槽は、飲泉用の湯(水)だめからごく少量を流し込み、オーバーフローはなく、ごく軽い底面吸湯か自然流下。
【写真 上(左)】 源泉槽の湯口
【写真 下(右)】 源泉槽の湯口 (2004-07)
注がれる源泉は2℃というほど冷たい感じはなく、浴槽はおそらく20℃弱くらいでさほど抵抗なく入れました。
断言はできませんが、源泉槽の源泉を底面から回収、加熱して加温槽で使っているのでは?
【写真 上(左)】 加熱槽
【写真 下(右)】 加熱槽 (2004-07)
お湯の感じは加熱槽と源泉槽でかなりちがいます。
かなり熱めの加熱槽は、まったりとした暗いオレンジ色で透明度1cmの濃いにごり湯に赤茶の浮遊物が舞っています。
【写真 上(左)】 源泉槽
【写真 下(右)】 源泉槽 (2004-07)
源泉槽は、うすこげ茶色ささにごりで茶色の浮遊物がたくさんただよいます。
金気をベースにして、焦げ臭とドクダミ臭がまじる複雑な温泉臭ですが、さほど強いものではありません。
酸性泉らしいレモン味に微甘味と渋味と微炭酸味をミックスした複雑な味は、美味しくはないですが、なぜかクセになりそう。
pH2.5の酸性泉ながら肌にピリピリくる感触はなく、キシキシと肌に染み入る奥ぶかい浴感。
【写真 上(左)】 源泉槽-2
【写真 下(右)】 内湯の湯口
加熱槽はかなり熱いですが、温まるというよりは身体に染み込んでくるようなイメージの独特の浴感。
焦げ臭とドクダミ臭が肌に残ってキトキトとする浴後感は、かなり好き嫌いのわかれる個性的なものかと思います。
【写真 上(左)】 掲示
【写真 下(右)】 湯色&湯色
茶色の濃い濁り湯とインパクトのある味から、”成分濃厚なお湯”のイメージがありますが、成分濃度自体はそれほど濃いものではありません。
特徴のある泉質の成因は、「硫化鉱物の酸化溶解」+「有機的メカニズム」による低温酸性泉(やませみさんの「温泉の科学」参照)かと思われます。
【写真 上(左)】 加熱槽から源泉槽
【写真 下(右)】 加熱槽から源泉槽 (2004-07)
このタイプの明礬・緑礬泉系は低温で湧出量が少ないのがふつうなので、なかなか非加熱源泉には入れませんが、ここで入浴できたのは嬉しいです。
こんどは泊まりで訪れて、じっくりと冷温交互浴を楽しみたいと思いました。
なお、週末の日帰り入浴は14時くらいで〆切とするようなので要注意です。(2004年時点)
含鉄(Ⅱ)-Al-硫酸塩冷鉱泉((Al)-SO4型) 2.0℃、pH=2.5、陽・陰イオン計=1509.2mg/kg、H^+=2.5、Na^+=5.0mg/kg (0.91mval%)、Mg^2+=31.7 (10.81)、Al^3+=120.0 (55.27)、Fe^2+=132.4 (19.64)、Fe^3+=5.6、Cl^-=1.5 (0.17)、HSO_4^-=92.7 (3.98)、SO_4^2-=1107 (95.59)、陽イオン計=307.2 (24.14mval)、陰イオン計=1202 (24.11mval) <H10.1.5分析> (源泉名:毒沢鉱泉)
「沢乃湯」に正式な分析書が掲示されていました。
分析申請者が「毒沢鉱泉 湯元会 宮乃湯、(有)神の湯、沢乃湯」とあるので、三軒の共有泉なのかもしれません。
しかし、湧出量わずか7.5L/minの源泉を3軒で分湯して、よくぞここまでのお湯をキープしているものです(「沢乃湯」のお湯もよい。)
逆にみると、7.5L/minの湯量で3軒の湯宿を成り立たせているのですから、この源泉がいかに優れたものかということがうかがい知れます。
含鉄(Ⅱ)-Al-硫酸塩冷鉱泉 2.0℃、pH=2.6、7.5L/min自然湧出、成分総計=2273mg/kg、H^+=2.5 (10.27)、Na^+=5.0mg/kg (0.91mval%)、Mg^2+=31.7 (10.81)、Ca^2+=7.4、Al^3+=120.0 (55.27)、Fe^2+=132.4 (19.64)、Fe^3+=5.6、Cl^-=1.5 (0.17)、HSO_4^-=92.7、SO_4^2-=1107 (95.59)、陽イオン計=307.2 (24.14mval)、陰イオン計=1202 (24.11mval)、メタけい酸=96.3、遊離炭酸=666.6 <H10.1.5分析> (源泉名:毒沢鉱泉)
〔 脱衣所掲示 〕
信玄のかくし湯 神乃湯
毒沢鉱泉の歴史は古く四五○年前の永禄年間に武田信玄が金発掘の際、怪我人の治療に利用したと伝えられている。昭和九年医者に見放された幼少の先代館主が鉱泉によって救われて以来よりいっそう評判が高まり、各地から湯治に訪れる人々でにぎわうようになった。
三年後の昭和十二年には日本の自然湧出鉱泉中初の売薬許可(第一六五六九号)を受け、その効能の確かさはゆるぎないものになった。
○ 一郷一会100名湯
○ 元レポは「みしゅらん掲示板 特集クチコミ情報」でもご紹介いただいています。
■ブランドグルメ
〔 諏訪湖のかりん 〕
諏訪湖畔に植えられている、かりん(マルメロ)は市木となっていて、市のマスコットキャラクターや路線バスの名前にも使われています。さらに、毎年、かりん祭が催されるなど、諏訪市のシンボルになっています。(諏訪市HPより)
かりん並木の延長はじつに1.2kmにおよび、かりん収穫量は約2.1トンを数えます。
かりんは、ふつう生では食べられないので、砂糖漬け、果実酒、ジャム、かりん液、飴、菓子などに加工し、現地で販売されています。
諏訪湖周辺で栽培されているものは正確には「マルメロ」ですが、江戸時代に導入されたときから「かりん」と呼ばれて定着しているため、いまも「かりん」とよばれているそうです。
(諏訪市HPなどを参考)
〔 2010/01/19UP (2004/07/26レポ (2004/06入湯)) 〕
※ このレポは2004/06入湯時のものです。
ここは、2007/08にも再訪していて、上の画像で日付のないものはそのときのもの。
2007/08入湯時の印象は後日追記します。
http://map.goo.ne.jp/blogparts/map.php?MAP=E138.5.7.550N36.5.30.980&ZM=9
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■ 奥蓼科温泉(渋鉱源泉) 「渋・辰野館」 〔 Pick Up温泉 〕
<奥蓼科温泉(渋鉱源泉) 「渋・辰野館」>
(長野県茅野市奥蓼科温泉、11:00~16:00(要事前確認)、不定休、1,500円、0266-67-2128)
■ オフィシャルHP
■ 紹介ページ (@nifty温泉)
■ 紹介ページ (じゃらんnet)
蓼科の南側、R299メルヘン街道と並行して走る県道191渋ノ湯堀線沿いには、渋の湯、渋御殿湯、渋川、渋・辰野館、明治など古くから知られる温泉が点在し、”奥蓼科温泉郷”と呼ばれています。
この県道は渋の湯で行き止まりになるので交通量がすくなく、北八ヶ岳のゆたかな自然とあいまって、いずれも落ちついた佇まいをみせています。
【写真 上(左)】 バス停にも風情
【写真 下(右)】 表門
「渋・辰野館」は奥蓼科温泉郷のなかほどにあって、林のなかにたたずむ一軒宿。
木づくりの瀟洒な外観、玄関前には「信玄の薬湯 渋・辰野館」という風格のある銘板がかかっています。
かたわらの信楽焼のタヌキや赤い郵便ポストもいい味を出しています。
【写真 上(左)】 玄関
【写真 下(右)】 信玄の薬湯
武田信玄公は東信・北信攻略に当たって、3つの軍用道路(上の棒道、中の棒道、下の棒道)を整備しました。
このうち上の棒道がこのあたりを通っていたため、少名毘古那神のお告げによって発見されたとされる効能ゆたかなこの古湯が、傷ついた将兵や軍馬の療養の場とされ、「信玄の薬湯」として人口に膾炙することとなりました。
また、ここは明治三十四年創業の老舗で、東山魁夷画伯がたびたび逗留した宿としても知られています。
ウッディな館内。吹き抜けのロビーからはみずみずしい林をのぞみ、意匠的にもかなりのすぐれもの。
全館にただようロハス~ネイチャー系のイメージは、軽井沢の星野リゾートに相通ずるものを感じます。
「旬の自然食料理」にも定評があり、日帰りプランも設定されています。
いかにも奥蓼科らしい落ちついた大人向けの雰囲気と「信玄の薬湯」、「旬の自然食料理」などに惹かれ、訪れる人があとを絶たない人気のお宿です。
浴場は、大浴場(展望風呂)、露天風呂(森の温泉)、内湯(信玄の薬湯)の3つがそれぞれ男女別にあります。
【写真 上(左)】 展望風呂-1
【写真 下(右)】 展望風呂-2
うち、大浴場(展望風呂)は温泉ではなく自然湧水を加温して使用、石鹸類の使用はこの浴場でできます。
自然湧水といっても、カランの湯口まわりには析出がでていたので、相当の成分を含んでいるかもしれません。
大浴場(展望風呂)は入らなかったので、露天風呂(森の温泉)、内湯(信玄の薬湯)の2ケ所のレポです。
【写真 上(左)】 「森の温泉」
【写真 下(右)】 「森の温泉」露天からのシラカバ林
露天風呂(森の温泉)は、内湯(木造4人)と露天(同4人)の2槽構成。
眼前にシラカバ林がひろがる抜群のロケーションです。
ともに岩から突き出た木の湯口から打たせ湯状に少量投入で側面吸湯。内湯は側面注入もあります。
【写真 上(左)】 「森の温泉」の内湯
【写真 下(右)】 「森の温泉」の露天
湯温はどちらもぬるめで、内湯で32~33℃、露天で30℃くらいか?
これだと、一般人はかなりきついので、ふつうはどちらかを加温槽にしているかもしれません。
ともに透明度40cmほどの乳白色のにごり湯で、かなりの量の白い湯の花が浮遊&沈殿しています。
【写真 上(左)】 「森の温泉」の内湯の湯口
【写真 下(右)】 「森の温泉」の露天の湯口
お湯はどちらもややなまり気味で、とくに内湯はかなりのなまりを感じたので、長湯することなく内湯(信玄の薬湯)に移動。
【写真 上(左)】 「信玄の薬湯」入口
【写真 下(右)】 「信玄の薬湯」
さて、本題の内湯(信玄の薬湯)です。
総木造のすこぶる趣のある浴場で、シンボルの打たせ湯が中央の浴槽に豪快に注ぎ込まれしぶきをあげています。
【写真 上(左)】 「信玄の薬湯」打たせ湯槽
【写真 下(右)】 しぶきをあげる打たせ湯
手前脱衣所側から、冷泉槽(木造2人)、打たせ湯槽(木造3人、90cmととても深い)、加温槽(木造4人)の3つの浴槽が並んでいます。
【写真 上(左)】 「信玄の薬湯」打たせ湯槽と冷泉槽
【写真 下(右)】 「信玄の薬湯」打たせ湯槽と加温槽
冷泉槽は透明度60cmほどのうすい乳白濁でいちばん冷たく18℃くらい。
打たせ湯槽は透明度60cmほどの青味がかったうすい乳白濁で20℃くらい。
加温槽はややにごりが強まり透明度50cmほどで41℃くらい。
いずれの浴槽にも白い湯の花が浮遊&沈殿、打たせ湯槽には白いつぶつぶの湯の花が浮いています。
【写真 上(左)】 「信玄の薬湯」冷泉槽
【写真 下(右)】 「信玄の薬湯」加温槽
冷泉槽は木板から突き出たパイプの湯口から冷泉を少量投入で木樋からの排湯。
打たせ湯槽は木板から突き出た丸太を刳り抜いた湯口から冷泉を豪快に大量投入で、木樋をつうじてとなりの加温槽への流し出し&ザコザコのオーバフロー。
加温槽は木の湯口からの冷泉少量投入&打たせ湯槽からの冷泉流し込み&側面からの熱湯注入で排湯方法は不明。
【写真 上(左)】 「信玄の薬湯」打たせ湯槽の湯口
【写真 下(右)】 「信玄の薬湯」加温槽の湯口
鮮度感は源泉大量投入の打たせ湯槽が抜群で、つぎに冷泉槽。
加温槽はなまり気味ながら、露天風呂(森の温泉)の2槽よりはコンディション良好。
【写真 上(左)】 つぶつぶの湯の花
【写真 下(右)】 「信玄の薬湯」加温槽の湯色
酸性泉特有のレモン味+収斂味+微たまご味+微苦味+僅微炭酸味?
しぶ焦げイオウ臭+ラムネ臭に焦げ臭がまじります。
この焦げ臭は、渋の湯や渋御殿湯では感じられなかったもので、この源泉の個性ではないかと・・・。
酸性泉のぬるのうらにきしきしとした湯ざわりがあるあと曳き系の浴感。
それにしても総硫黄0.4mg/kgで硫黄の規定泉ですらないのに、このイオウ泉系浴感&湯色&湯の花はいったい何事?
加えて、打たせ湯&冷泉槽のからだが引き締まるような独特な浴感は独特のもので、なるほど「信玄の薬湯」の能書きもうなづけるものがあります。
ただし、場内はけっこう混んでいた(日曜14時で森の温泉に3人、信玄の薬湯に4人、信玄の薬湯の脱衣所には服を着ている人が10人ほどもいた。)にもかかわらず、打たせ湯&冷泉槽に入っている人はほとんどいません。
たしかに、湯温20℃はスパ銭の水風呂なみ、しかも高原の涼気&特有の収斂感(&おそらく炭酸冷感)が効いて、温度より冷たく感じるので、湯なれていない人は、時間をかけてからだを慣らしてからでないとまず浸かれないでしょう。
わたしは冷泉浴マニア(笑)で15℃くらいまではふつうにいけるのですが、ここの源泉は15℃の真水の水風呂より体感的にははるかに冷たく感じました。
ただ、入るほどに冷えていくような渋御殿湯の「長寿湯」よりは入りやすいかも?
さすがに冷泉浴のメッカ、蓼科の重鎮「渋・辰野館」。
泊まりでじっくりとこの名湯を堪能したいところですが、高級宿なのでなかなか手がとどきません(笑)
〔HPより〕
単純酸性冷鉱泉(Na・(H)-HSO4・Cl型) 21.2℃、pH=2.9、自然湧出湧出量不明、成分総計=1027mg/kg、H^+=1.3mg/kg (21.21mval%)、Na^+=58.6 (41.93)、Mg^2+=5.6、Ca^2+=13.7、Fe^2+=1.2、Cl^-=95.2 (44.4*)、HS^-=痕跡、HSO_4^-=6.6、SO_4^2-=156.5 (53.9*)、陽イオン計=102.8 (6.08mval)、陰イオン計=259.3 (6.05mval)、メタけい酸=72.1、メタほう酸=6.3、遊離炭酸=588.0、硫化水素=0.4 <H8.1.16分析> (源泉名:奥蓼科温泉 渋鉱源泉)
〔館内掲示より〕
単純酸性冷鉱泉 26.4℃、pH=2.92、湧出量不明、蒸発残留物=430mg/kg、H^+=1.203mg/kg、Na^+=65.0、Mg^2+=3.764、Ca^2+=13.96、Fe^2+=0.174、Cl^-=88.29、SO_4^2-=134.6、メタけい酸=94.12、メタほう酸=9.923、遊離炭酸=226.0、硫化水素=0.068 <S55.12.23分析> (源泉名:奥蓼科温泉 渋鉱源泉)
〔 館内掲示 〕
1.信玄の薬湯の由来
この信玄の薬湯の開湯はとても古く延暦二年(西暦七二八年)奈良時代の末期諏訪神社の神官の霊夢により発見されたと伝えられています。
戦国の雄将武田信玄が上杉謙信との永年のたたかいの為八ヶ岳を巻き奥蓼科の麓を通る信玄の棒道を建設、この湯で将兵や軍馬を湯治させ、以来「信玄の薬湯」と呼ばれています。
この薬湯の湯塩、湯の花は古文書にも多く記され、非常に古くから採取されていたようです。湯を樽につめ薬用としての販売も江戸時代中頃から始まりました。
これら湯塩、湯の花、薬湯の販売は明治の始め頃から非常に盛んになり、それが昭和十年頃まで続きました。
<HPより>日本神話の中で大国主の神と一緒に国づくりで活躍する小人の神・少名毘古那神(スクナヒコナ神)がこの薬湯を発見したとの言い伝えもあって、由来は神秘に包まれています。
2.薬湯の効能
当温泉は硫黄を主に、明ばんと炭酸を含んだ硫黄泉です。(中略)
湯は白く濁っていて、湯面に粒状の「湯の花」が浮いています。
この信玄の薬湯は、源泉で28℃と決して高くはないため、昔から湯治客には苦労が多かったようです。標高も高いため冬の湯治が不可能なことはもちろん、夏でも暖をとっては入浴する必要がありました。そのため効能が非常に大きいと言われながらも、湯治途中であきらめる者も少なくなかったそうです。
初めて沸し湯されたのは明治10年のことで、温湯でも効能は変わらないことが確かめられました。(以下略)
3.薬湯の飲泉
この薬湯は、非常に古くから飲泉も親しまれ、その薬効を讃られてきました。ちょっと渋みのある淡いほろすっぱさは、とてもさわやかな味です。(以下略)
<HPより>古く4世紀の頃、神功皇后が朝鮮征伐凱旋の時、諏訪大明神が夢枕に立って、毒矢などの傷兵にこの薬湯を飲ませよと告げた、との記述も見えます。
〔 2010/01/04UP (2006/09入湯) 〕
E138.18.46.844N36.1.49.523
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■ 野沢温泉 「熊の手洗湯」 〔 Pick Up温泉 〕
<野沢温泉 「熊の手洗湯」>
(長野県下高井郡野沢温泉村、5:00~23:00(11~3月は6:00~)、原則無休、寸志(浄財)、0269-85-3114(野沢温泉村役場商工観光課))
■ 紹介ページ (野沢温泉観光協会)
■ 紹介ページ (野沢温泉旅館ホテル事業協同組合)
■ 紹介ページ (野沢温泉宿泊業組合)
■ 紹介ページ (@nifty温泉)
■ 紹介ページ (るるぶ.com)
外湯は古くから地域住民の生活の共同の場所として毎日利用されています。
それぞれの外湯は、その周辺の住民が「湯仲間」という制度をつくり、管理、維持をしています。電気料や水道料の負担、当番制で毎日の掃除をしています。
共同の場所です。お互いに気持ちよく入浴できるようエチケットを守りましょう。
(野沢温泉観光協会HPより)
北信の名湯、野沢温泉には外来客も入れる「外湯」といわれる共同浴場が13あります。
なかでも人気が高いのが大湯、真湯、熊の手洗湯の3湯。
熊の手洗湯(くまのてあらゆ)は傷ついた熊により発見されたという古い湯で、野沢温泉発祥の湯ともいわれる由緒正しいお湯です。
かつては伝説に因んで手洗湯、照湯、寺湯とも呼ばれ、いまでも寺湯と呼ばれることがあるようです。
【写真 上(左)】「熊の手洗湯(寺湯)温泉街」入口
【写真 下(右)】 外観-1
野沢温泉街の北西側、「野沢温泉ホテル」に向かう坂道の途中左手の「熊の手洗湯(寺湯)温泉街」というアーチの路地に入ります。
急坂を下りつつしばらく行くと右手に外湯のひとつ「上寺湯」、さらに進んだ右手に「かわもとや」が見えてくるので、この角を右に入って少し行った左手。
【写真 上(左)】 入口正面
【写真 下(右)】 古湯の風格
ベースは木造ですが入口まわりは白レンガ貼りでそこにサッシュの入り口がふたつ。
端正な木造湯屋建築の外湯が多い野沢温泉のなかでは異彩を放つつくりながら、それがかえって風格を感じさせます。
建物左上に「熊の手洗湯縁起」、上部に「名湯 熊の手洗湯」の看板。
十二神将は因達羅大将、本地仏は地蔵菩薩、方位は午です。
建物入口に設けられた賽銭箱に浄財を入れてから入ります。
”無料”と書いてある資料もありますが、野沢温泉の外湯は、地元の”湯仲間”という組織によって大切に維持管理運営されているもの。
浄財(寸志)というかたちで感謝の意を示すのが、外来客のマナーでしょう。
このときは、熊の手洗湯のそばの「河一屋」に泊まったので、ちょこちょこ覗きにいきましたが、午後~夕方は入浴待ちも出るイモ洗いの大混雑。さすがに人気外湯です。
【写真 上(左)】 夜の熊の手洗湯-1
【写真 下(右)】 夜の熊の手洗湯-2
ここは温泉街中心からはずれていますが、「温めで入りやすいお湯」「野沢を代表する名湯」などと喧伝されているので、観光客もけっこうやってきます。
23時少し前、外湯巡りから帰る途中で覗くと無人。写真だけgetして翌朝再攻撃。
翌朝はすいていてラッキーにもほとんど独占。じっくりとこの名湯を味わえました。
【写真 上(左)】 浴場
【写真 下(右)】 浴槽から脱衣所
右が男湯、左が女湯。
入って正面に木枠の脱衣棚、木組みの高い天井、数段低く浴槽、どれもこれもが絵になっていて文句のつけようがありません。
【写真 上(左)】 入口側から
【写真 下(右)】 窓側から
浴槽は赤タイル枠コンクリ叩きで、右手に3-4人、左手に1-2人のふたつが隣りあっています。
右手浴槽はタイル壁から突き出たパイプからややぬる湯を投入。
湯口の上には「低温(41℃)は熊の手洗湯です。湧出口は薬師堂 裏)」とあります。
【写真 上(左)】 右手浴槽の湯口 (熊の手洗湯)
【写真 下(右)】 熊の手洗湯の説明
左手浴槽はタイルから突き出た左側パイプ湯口からのややぬる湯投入&タイル壁から突き出たパイプからの熱湯ドコドコ投入で、熱湯のほうは多くを木樋から浴槽外に逃がしています。
左側パイプ湯口のそばにはコップがおいてありました。
【写真 上(左)】 左手浴槽の湯口
【写真 下(右)】 右手浴槽から入口方向
アメニティ類なし。日曜10時で2人~独占。
ふたつの浴槽はつながっていて、側面の穴をつうじてお湯の行き来があります。
左手浴槽はかなりの熱め、右手浴槽はややぬる~適温なので、右手浴槽では側面の穴のあたりから熱湯がでてくるといった塩梅になっています。
両槽とも槽内注吸湯なしでオーバーフローのかけ流し。
投入源泉ですが、右手浴槽はおそらく熊の手洗い湯源泉、左手浴槽左側のややぬる湯も熊の手洗湯源泉?。
左手浴槽右手の熱湯は麻釜系特有の焼けタイヤ臭があったので、おそらく麻釜系源泉の引湯かと思います。
熊の手洗湯だけでは寒い時季に温くなるので、おそらく加温用に麻釜系源泉を引湯しているのだろうと思います。
【写真 上(左)】 左手浴槽
【写真 下(右)】 右手浴槽
熊の手洗湯(右手浴槽)はきもち翠がかってうすく懸濁し、白と灰と黒い湯の花がたくさんただよっています。
芒硝たまご味に苦味と微塩味が混じりますがのどごしよく美味。また、塩味は右手の麻釜系源泉よりよわくなっています。
スペックより力強い浴感でイオウ成分をかなりつよめに感じます。
アルカリのヌルとイオウのスルスルにとろみをまじえる絶妙の湯ざわり。
噂どおり神がかり的な浴感がある絶妙のあと曳き湯でなかなか脱出できず。脱出に成功しても(^^)、またぞろ入りたくなります。
なるほど、いつも混みあっているワケです。
【写真 上(左)】 湯色
【写真 下(右)】 湯の花がワンサカ
左手浴槽はほぼ透明で、湯の花は右手浴槽よりすくなめ。
ただひとつ残念なのは、右手の熊の手洗湯槽に左手浴槽から麻釜系源泉が流入していること。
熊の手洗湯槽は十分適温だったので、夏場など、流入を止めたら100%ピュアな熊の手洗湯が楽しめると思うのですが・・・。
(正直なところ、今回(9月)は予想より熱めでした。)
【写真 上(左)】 熊の薬師
【写真 下(右)】 裏手の泉源
泉源は、左手はす向かいの「熊の薬師堂」の裏手にあります。
お堂の裏手にコンクリ造の貯湯槽があって木板の屋根が掛けられています。
覗きこんでみると、一段低い湯槽に源泉が湛えられていました。
単純硫黄温泉(Na-SO4・Cl型) 41.1℃、pH=8.8、湧出量不明、成分総計=390mg/kg、Na^+=89.4mg/kg (85.31mval%)、Ca^2+=10.9 (11.84)、Cl^-=38.2 (23.18)、HS^-=9.5、SO_4^2-=102.1 (45.71)、HCO_3^-=40.7 (14.38)、CO_3^2-=14.2、陽イオン計=103.5 (4.56mval)、陰イオン計=205.2 (4.66mval)、メタけい酸=77.3、メタほう酸=3.4、硫化水素=0.2 <H18.6.7分析> (源泉名:熊の手洗湯)
単純硫黄温泉(Na-SO4型) 43.3℃、pH=8.8、湧出量不明、成分総計=409.6mg/kg、Na^+=76.0mg/kg (82.34mval%)、Ca^2+=11.6 (14.43)、Cl^-=25.5 (14.31)、HS^-=7.9、SO_4^2-=142.2 (58.85)、HCO_3^-=34.8 (11.33)、CO_3^2-=15.0、陽イオン計=91.2 (4.02mval)、陰イオン計=226.7 (8.92mval)、メタけい酸=81.2、メタほう酸=10.4、硫化水素=0.1 <H9.12.26分析> (源泉名:熊の手洗湯)
<温泉利用掲示> 加水:なし 加温:なし 源泉かけ流し 消毒:記載なし
〔 外壁掲示/熊の手洗湯縁起 〕
「当野沢温泉発祥の湯と称せられる本鉱泉は今を去る約一二五○年前の養老年間。元正天皇の御宇一獵師適此の地に到り射止めし巨熊の跡を辿れど小溜池に掌を洗ふを見る怪みてひそかに窺えば先刻負傷を鉱泉の湧出口に浸し居たり此に於て人々木の根を伝ひ草を分け此処に居を移せしものにして因に効用は外傷火傷切疵勿論高血圧症其他諸々の疾病に顕著な効用を示すものなり。」
■ブランドグルメ
〔 野沢菜 〕
全国的な人気と知名度を誇る野沢菜はもはや野沢の代名詞。
宝暦年間、野沢温泉村健命寺第八代住職晃天園瑞大和尚が京都遊学の際に持ち帰られた天王寺蕪の種子が発祥といわれています。
温暖な西国育ちの天王寺蕪が寒冷で積雪の多い野沢で変異を起こし、野沢菜が誕生したとされています。
いろいろな食べ方がありますが、なんといっても有名なのが葉と茎を漬物にした野沢菜漬け。
畑で根(蕪)を切り落としてから麻釜などで「お菜洗い」したあとで木桶で塩漬けにします。
もうもうと湯気をあげる麻釜(茹釜や大釜)で野沢菜を洗う風景は、野沢の風物詩として広く知られています。(「野沢温泉観光協会」HPなどを参考)
(今回立ち話をした地元の方によると、いまはどこでも野沢菜をつくっているが、本来、麻釜で洗った野沢菜だけを”野沢菜”というらしい。)
〔 2009/12/31UP (2009/09入湯) 〕
E138.26.51.583N36.55.16.343
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■ 小渋温泉 「赤石荘」 〔 Pick Up温泉 〕
<小渋温泉 「赤石荘」>
(長野県下伊那郡大鹿村大河原1972、11:30~19:00(要事前確認)、不定休、500円、0265-39-2528)
■ オフィシャルHP
■ 紹介ページ (じゃらんnet)
■ 紹介ページ (温泉みしゅらん)
長野県大鹿村は、南北朝、後醍醐天皇の第八皇子宗良親王ゆかりの地、大鹿歌舞伎も伝わる歴史の香りゆたかな山間の村で、南アルプスの登山口としても知られています。
ふかい山中にもかかわらず強い塩分をふくむ鹿塩温泉も大鹿村の名湯としてふるくから知られています。
ここは、鹿塩温泉とははなれた湯場で、「南北朝時代、宗良親王の家臣渋谷三郎が大鹿村を訪れた際に、一匹の鹿がこの湯に浸りながら傷を癒していた。そこで自分の傷にこの湯をひたしたところ傷が治癒した。」(大鹿村観光情報HPより抜粋)という古い開湯伝説をもっています。
また、「明治25年には日本アルプスの父とも言うべきウォルター・ウェストンもこの湯を使ったことが記録されています。」(同上)とのこと。
戦前は、湯宿が何軒かあったようですが、いまは「赤石荘」の一軒宿となっています。
場所は説明しにくいので、下の地図をご覧ください。
アプローチの道は細いですが舗装で険路というほどではないです。
それよりときおりでてくる集落内の分岐が複雑なので看板を見落とさないように・・・。
Pは広いので問題なし。
【写真 上(左)】 外観
【写真 下(右)】 周囲の風景
「赤石荘」という山小屋的ネーミングからしょぼい建物を想像していましたが、思いのほか立派。
玄関左手のフロントで受付、右手別棟の露天風呂へ。
ここは本館に内風呂もあるようですが、日帰りで入れるのは露天だけのよう。
【写真 上(左)】 看板
【写真 下(右)】 浴場棟
湯小屋の手前が男湯、おくが女湯。
ウッディな脱衣所はさして広くなく人が多いとごったがえします。駅においてあるようなコインローカーがやや無粋。
外の浴場に出ると思わず息をのみます。
正面、右手が吹き抜けた高台にある絶景の露天です。
未確認情報ですが、この露天からは南アルプス赤石岳と中央アルプス宝剣岳の両名峰がのぞめるそうですが、入ったときは雨降りにつき確認できませんでした。
眼下はるかに蛇行する小渋川の流れが銀色に光っています。
屋根はあるものの、高い木組みで、なにより眺めがすばらしいので開放感は抜群。
檜枠石タイル貼7-8人の浴槽ひとつとシンプル。
カラン3、シャワー・シャンプー・ドライヤーあり。
雨の多い土地柄なので、洗い場にも屋根がかかっているのは親切。
カランは温泉とはちがうものだと思いますが、ほのかにミシン油臭が香っていました。
日曜15時で入ったときは8人くらい。その後も3~5人とけっこうな盛況。
絶景露天はどこも人気がありますね。
木樋の湯口から適温のお湯の投入&側面注入で左手側溝への上面排湯。
なんとなくかけ流しではないような感じがしましたが、お湯の鮮度はかなりのもの。
【写真 上(左)】 浴槽&景色
【写真 下(右)】 浴槽
ややぬるめのお湯は、うすく翠がかって白と灰色の浮遊物がただよいます。
湯中の指先がよわいながら青白く発光しているので、微量ながら硫酸塩も存在を主張しているかと思います。
明瞭な重曹味+収斂渋味+α。セメント臭+シャープな樹脂臭+渋っぽい臭いのうらでかくし味のように効いているほのかなイオウ臭が渋い。
成分の複雑さを感じさせる、複雑かつデリケートな味臭です。
はっきりとしたツルすべととろみ、やたらにあとを曳きまくる浴感は重曹泉特有のもの。
ぬる湯ということもあって出るに出られず、長湯モード全開。で、浴槽はたいてい混んでいます。
浴後の爽快感は、F^-=10.3mg/kgのしわざかと思います。
お湯のイメージは、南アルプスをはさんで反対側の雨畑湖温泉「VILLA雨畑」(ここもよい!)に似たものを感じました。
モロに好みのお湯で満足。絶景を差し引いても充分にいいお湯です。
鹿塩とはぜんぜんキャラのちがう(対照的な泉質だと思う)お湯は、鹿塩とはまったくちがう湯脈のお湯なのだと思います。
絶景露天だし、お湯は個性的だし、ゲキ混みしていなければすばらしい湯あみが楽しめるおすすめ湯です。
Na-塩化物・炭酸水素塩冷鉱泉 18.3℃、pH=8.4、湧出量不明掘削揚湯、成分総計=1996mg/kg、Na^+=618.1mg/kg (95.72mval%)、Fe^2+=0.7、F^-=10.3、Cl^-=593.2 (59.31)、HS^-=0.3、SO_4^2-=1.2、HCO_3^-=664.5 (38.60)、メタほう酸=56.8、硫化水素=0.01 <H17.4.12分析> (源泉名:大河原三正坊)
↓の地図では、小渋川のさらに上流、大河原あたりに”小渋温泉”とありますが、そこから引湯しているのかもしれません。
〔後日追補〕
手持ちのふるい資料によると、
大河原の”小渋温泉”は旧源泉のあったところで、以前はここにも湯宿があった。
昭和45年湯量UPのためにボーリングを実施、大量の湯が出たので、それを約7km下流の現「赤石荘」に引湯することになったとの由。
〔 2009/12/19 (2009/11入湯) 〕
E138.3.46.074N35.32.25.313
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■ 下諏訪温泉 「高浜温泉旅館」 〔 Pick Up温泉 〕
<下諏訪温泉 「高浜温泉旅館」>
(長野県諏訪郡下諏訪町高浜6335、(10:00~15:00、500円/「諏訪湖パスポート」)、0266-27-6543)
■ 紹介ページ (るるぶ.com)
下諏訪温泉には、主力源泉「旦過の湯」「綿の湯」のほかにもいくつかの泉源があります。(諏訪の温泉はたいてい集中管理されていて、配湯施設ないしは源泉を「源湯」とよぶ。)
高浜源湯もそのひとつで、外来客の入れる施設では、おそらく「高浜温泉旅館」でしかつかわれていません。
いちどTELでトライするも「いまは日帰りのみの入浴はやっていない。」とのことで、あきらめていたところ、なんと2009年の「諏訪湖パスポート」(諏訪市観光課発行/2009/4/1~2010/3/31有効・無料配布)に日帰り入浴施設としてエントリーされていたので、すかさず突入。
下諏訪市街の東のはずれ、高浜公園のよこに赤屋根が連なる構えはなかなか絵になります。
帳場で受付、以前TELであっさり断られたので「高ピーな対応か?」と思いきや、ご主人、女将さんともに親切そうな方でした。
【写真 上(左)】 お約束の卓球台
【写真 下(右)】 浴場入口
古びてはいるもののきっちりと清掃された館内。
増築を重ねたのか、予想以上に懐のふかいお宿で、廊下や小階段をたどっての迷路的アプローチを女将さんが案内してくれました。(帰りに迷った・・・(笑))
最後の階段をのぼると浴場入口、手前が女湯、おくが男湯。
階段を脱衣所にくだっていく雰囲気はなかなかのもの。
浴場は内湯と露天で、細長い脱衣所から両方の浴場に行けます。
【写真 上(左)】 脱衣所
【写真 下(右)】 女湯
内湯は石枠タイル貼7-8人の浴槽ひとつとすっきりシンプル。
浴槽の奥は岩肌、チープな建材とがっしりとした木の梁がアンバランスで不思議な雰囲気の浴室で、湯気の抜けはよくこもりはありません。
【写真 上(左)】 女湯の露天
【写真 下(右)】 男湯
熱湯源泉をパイプから10L/minほどいったん湯つぼに注ぎ込み、岩から突き出たパイプ湯口を介して投入。
湯口まわりは石膏の析出だらけ。
槽内注排湯はなく、お湯の感じからしてもかけ流しかと思います。
オーバーフロー量はさほどではないものの、身をしずめるとさわさわとあふれだし、気持ちいいことこのうえありません。
【写真 上(左)】 男湯の露天
【写真 下(右)】 かなりザコザコ
扉のむこうに露天。
まわりを塀にかこまれていますが、屋根がないので開放感ばっちり。
職人芸を感じさせる見事なタイルの内床に6-7くらい石枠タイル貼浴槽を配置。
湯底の穴から気泡とともにお湯を注入し、全量をオーバーフローのかけ流し。
カラン内湯に2、露天に4の計6。シャンプーあり。シャワー・ドライヤーなし。
メモしわすれましたが、たしかカランも温泉だったような記憶が・・・。
休日14時で男女湯とも独占。
【写真 上(左)】 男湯の湯口
【写真 下(右)】 女湯の湯口
お湯は内湯と露天でかなりちがいます。
内湯のお湯はやや熱め、ほぼ無色でわずかに懸濁し、うす茶の湯の花を大量に浮かべています。
しっかりとした硫酸塩泉らしく、湯中の指先がかなりつよく青白発光しています。
よわい芒硝味+微苦味。芒硝臭が明瞭で浴室にもほっこりとこもっていて、硫酸塩泉好きはトリップするかも・・・(^^)
キシキシとヌルすべととろみがいりまじる、いかにも硫酸塩泉的な湯ざわりと、あと曳き感をあわせもつ奥のふかいお湯です。
あたたまりがすこぶるつよく、何度も水浴びで冷ましながらの入浴。
硫酸塩泉として文句のつけようがなく、これは諏訪でも屈指の名湯かと思います。
露天のお湯は絶妙のぬる湯。おだやかな味臭はあるものの、内湯よりはるかに軽いお湯で、すこぶる入りごこちのいいもの。ただならぬお湯の軽さは湯温のちがいだけとは思えず、なんとなくかわった感じのお湯のように感じました。
分析書は2源泉掲げられ、帰りしなに尋ねたところ、やはり高温と低温の2本の源泉をつかっているらしく、内湯は高温泉、露天は低温泉がメインになっているのかと思います。
しぶ~い浴場で、趣きのちがう佳湯をじっくりと味わえるおすすめの1湯で、諏訪湖パスポ終了後も、日帰り受け入れを続けてほしいと思いました。
Na-硫酸塩・塩化物温泉 59.5℃、pH=8.5、湧出量不明、成分総計=1037.4mg/kg、Na^+=289.4mg/kg (82.50mval%)、Ca^2+=44.8 (14.68)、F^-=2.2、Cl^-=224.3 (44.52)、SO_4^2-=331.8 (48.59)、HCO_3^-=18.1、メタけい酸=77.8、メタほう酸=16.8 <H16.2.19分析> (源泉名:高浜受湯槽)
規定泉(メタけい酸)(Na・Ca-HCO3・Cl型) 23.7℃、pH=7.2、湧出量不明、溶存成分総量=275.5mg/kg、Na^+=27.0mg/kg (47.96mval%)、Ca^2+=17.0 (34.64)、Cl^-=23.0 (24.85)、NO_3^-=13.0 (8.03)、HS^-=0.5、SO_4^2-=11.0、HCO_3^-=92.0 (57.75)、メタけい酸=80.6 <H17.7.4分析> (源泉名:高浜低温)
<温泉利用掲示> 加水:なし 加温:なし 貯湯槽経由で給湯かけ流し 消毒剤使用:なし
〔 2009/12/19 (2009/05入湯) 〕
E138.6.2.525N36.3.54.613
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■ 熊の湯温泉 「熊の湯ホテル」 〔 Pick Up温泉 〕
<熊の湯温泉 「熊の湯ホテル」>
(長野県山ノ内町平穏7148、12:30~15:30(繁忙期不可、要問合せ)、1,000円(タオル付)、0269-34-2311)
■ オフィシャルHP
■ 紹介ページ (@nifty温泉)
温泉好きのあいだで根強い人気を誇る温泉ホテル。
熊の湯周辺の宿は平床からの引湯も多いですが、ここは自家源泉をもっています。
以前は冬場のスキーシーズンは日帰りはむずかしく、いまもそうなのかは不明。
いずれにしても”繁忙期不可要問い”なので、事前のTEL確認は必須でしょう。
【写真 上(左)】 湯屋
【写真 下(右)】 浴場入口
志賀高原を代表するゲレンデ、熊の湯スキー場の目の前にあるホテルです。
本館のつくりは洋風ですが、廊下を渡って奥まった浴場は、一気に和風モードにチェンジして木造の趣あるもの。
【写真 上(左)】 脱衣所
【写真 下(右)】 木組みの天井
がっしりと高い木組みの天井、総木貼りの床、浴槽ももちろん総木造(7-8人)。
たっぷりふかめですこぶる入りごこちのいい浴槽です。
【写真 上(左)】 趣ある浴場
【写真 下(右)】 露天
洗い場よこの扉をくぐると露天で、石造8-9人の浴槽がひとつ。
奥に滝がしつらわれ、高原の空気に包まれたいい露天です。
カラン5、シャワー・シャンプーあり。ドライヤーなし。
連休14時で2~4人とすいていました。
【写真 上(左)】 内湯浴槽-1
【写真 下(右)】 内湯の湯口
内湯は木の湯口からの投入で切欠からの上面排湯。湯口のそばには柄杓がおいてあります。
露天は木+石の湯口からの投入でおなじく切欠からの上面排湯。
どちらもかけ流しかと思いますが、内湯のほうがお湯がいいです。
【写真 上(左)】 内湯浴槽-2
【写真 下(右)】 露天の湯口
内湯のお湯はかなり熱めで、綺麗なエメラルドグリーンに白い湯の花がうかびます。
つよい苦味にエグ味+α。しぶ焦げイオウ臭に墨系のアブラ臭がまじる極上の湯の香。
お湯の色といい湯の香といい、月岡に似たものを感じました。
【写真 上(左)】 内湯浴槽-3
【写真 下(右)】 湯色
きしきしとスルスルが入りまじる絶妙な湯ざわりで、熱湯なのにほてらず、もっと熱いお湯に入りたくなる不思議なお湯。
あと曳き感がハンパではなく、なかなか抜けられません。
浴後は湯ぎれよく、充実したあたたまり感がながくとどまる格調の高いお湯です。
なるほどこれは噂どおりの名湯かと・・・。
渋い木づくりの浴舎で鮮度抜群の緑色のイオウ泉を楽しめる贅沢なお湯は、1,000円払っても入る価値があるように思いました。
含硫黄-Ca・Na-炭酸水素塩・硫酸塩温泉 48.2℃、pH=7.5、湧出量不明(掘削揚湯)、成分総計=1279mg/kg、Na^+=104.2mg/kg (30.58mval%)、Mg^2+=20.6 (11.48)、Ca^2+=168.4 (56.69)、Cl^-=79.4 (15.66)、HS^-=53.9、SO_4^2-=170.8 (24.90)、HCO_3^-=418.0 (47.90)、陽イオン計=300.3 (14.81mval)、陰イオン計=722.4 (14.30mval)、メタけい酸=191.5、メタほう酸=5.7、硫化水素=19.3 <H16.9.14分析> (源泉名:熊の湯温泉)
※別掲の「温泉利用証」(2005/6/1)では、63.0℃、pH=7.4、75L/min(動力揚湯)で、泉質は含硫黄-Ca・Na-硫酸塩・炭酸水素塩温泉
<温泉利用掲示(温泉利用証)>
加水:あり 加温:なし 循環装置:なし(完全放流式) 消毒:なし
■ブランドグルメ
〔奥志賀高原牧場のほんわかヨーグルト〕
ブランド化されてるかどうかはわからんけど、「牛乳の殺菌温度を調整し、3年以上自家繁殖させた乳酸菌に志賀高原から吹いてくる風の中にある酵母が入り、やっと完成しました。」(オフィシャルHP)というヨーグルトで美味しそう。通販もやっています。
〔 2009/11/13UP (2007/7入湯) 〕
E138.29.53.286N36.40.53.143
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■ 大塩温泉 「大塩温泉館」 〔 Pick Up温泉 〕
<大塩温泉 「大塩温泉館」>
(長野県上田市(旧 丸子町)大塩、14:00~21:00、200円、0268-42-1048(丸子町観光協会))
■ 紹介ページ (@nifty温泉)
■ 紹介ページ (MAPPLE観光ガイド)
大塩温泉は、霊泉寺、鹿教湯とともに丸子温泉郷を成す1湯で、丸子温泉郷のなかではいちばん地味な湯場ながら、「信玄公の隠し湯」と伝えられる古い歴史をもっています。
ここは湯宿が数軒あるものの日帰り不可なので、おそらく日帰りで大塩温泉に入れる唯一の施設です。
【写真 上(左)】 由緒書き
【写真 下(右)】 脱衣所
なんの変哲もない公民館のなかにあり、よほどの温泉好き以外、外部の人間はまずこないのでは?。
館内も無機質な公共施設ですが、さりげに由緒書きや古い分析書が掲示されていたりして、歴史あるお湯の風格がにじみでています。
地元の方々が日々つかっているであろうこのような施設を外部に開放していただけるのは、ほんとうにありがたいことです。
【写真 上(左)】 大浴槽
【写真 下(右)】 小浴槽
変形5-6人の大浴槽と1人用の加温小浴槽がとなりあっていて、どちらも大理石枠タイル貼り。
大浴槽は壁から突き出た塩ビパイプからかなりの量を投入で、よこにはコップがおいてありました。
小浴槽の湯づかいは確認しわすれましたが、どちらも(加温)かけ流しかと思います。
カランあり、シャワー・シャンプー・ドライヤーなし。土曜14時で2~3人。
カランもたぶん温泉だと思います。
【写真 上(左)】 大浴槽の湯口
【写真 下(右)】 掲示
ほぼ適温(小浴槽はやや熱)のお湯はほぼ無色透明で、大浴槽には気泡がただよい、かなりのアワつきがありました。
口のなかで上すべりするような芒硝泉特有の味に微塩味とわずかな鉄味がまじります。この鉄味がこのお湯のわかりやすい個性だと思います。
わずかに硫酸塩泉系のやわらかな湯の香が香りますが、さほど強くはありません。
成分的には芒硝より石膏が卓越しているはずですが、なぜか芒硝のほうが強く感じました。
キシキシした湯ざわりの非常に軽くおだやかなお湯でイメージとしては沓掛を熱くしたような感じかな?
丸子温泉郷の他の2湯、霊泉寺、鹿教湯などとくらべるとやさしいお湯。
ただ、やさしいだけでなく、どこか奥ぶかさを感じるお湯で、これは相当量含んでいると思われるラドン(Rn)のしわざかもしれません。
さすがに丸子の一湯、一筋縄ではいかないようなお湯で、鮮度感も抜群だし、そっけないけど味わいぶかい浴室の雰囲気も捨てがたく、温泉好きにはたまらないお湯かと思います。
Ca・Na-硫酸塩温泉 38.5(34.1)℃、pH=7.86、320~330L/min(掘削揚湯)、蒸発残留物=1141mg/kg、Na^+=165.5mg/kg、Ca^2+=186.5、Fe^2+=0.5、Cl^-=104.6、SO_4^2-=618.1、HCO_3^-=52.1 <H2.8.9分析> (源泉名:大塩温泉5号源泉)
<温泉利用掲示> 加水:なし 加温:あり 循環装置使用:なし 消毒:なし
〔 2009年10月26日UP (2005年10月入湯) 〕
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