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■ 月岡温泉 「高橋館」 〔 Pick Up温泉 〕



<月岡温泉 「高橋館」>
(新潟県新発田市(旧 豊浦町)月岡温泉552-28、11:00~14:30(要時間確認)、800円、0254-32-1500)
オフィシャルHP
紹介ページ (@nifty温泉)
紹介ページ (じゃらんnet)

下越の名湯、月岡温泉
大正初期開湯の比較的新しい温泉地ながら、新潟市にもほど近い立地とお湯のよさで急速に発展。
新潟市の奥座敷としての歓楽温泉(月岡の芸妓は有名)と、お湯のよさが育んだ湯治場のふたつの顔をもっています。
圧倒的な質感をもつすばらしいお湯で、いつも再訪をもくろんでいますが、新潟、下越はあまりに遠い。
これは2003年4月に入湯したときのレポです。

豪華絢爛な大型旅館と質素な湯治宿に二分される月岡ですが、湯治系は連れが猛烈に抵抗したので(^^;)イサイズじゃらんの「ほっこり温泉案内所」で予約。
やませみさんの宿泊レポもある、純和風25室の落ちついた中規模旅館です。

とかく高いイメージのある月岡ですが、限定ながら予想外に安いプランがあってびっくり。
 A.温泉名人育成プラン:2,980~(驚愕!) (食事なし / 2泊以上)
 B.大浴場オープン5周年記念平日限定特別割引プラン:8,999~ (2食付) 
 C.ISIZE限定空室バーゲン:10,900~ (2食(夕食11品)付)
料理もよさげな宿なのでCにしました。(いずれも4月平日1泊、1室大人2名利用時)

2階にある奥まった部屋は、眺めはよくないものの約12畳WC・バス付で、部屋出しどころか隣の部屋が食事部屋として別に用意されたのにはおどろき。
料理は質量ともに満足できるもので、接客もよく驚異のコストパフォーマンスでした。(月岡もたいへんなのかな~?)


【写真 上(左)】 つきあかり
【写真 下(右)】 ゆきあかり

浴場は畳廊下を渡る小粋なアプローチ。雰囲気のいい湯上がり処もあります。
石風の「つきあかり」、檜風の「ゆきあかり」の2つの浴室は深夜に男女交替。


【写真 上(左)】 つきあかりのバブルバス
【写真 下(右)】 ゆきあかりのひのき内風呂

「つきあかり」は、バブルバス(たぶん真湯)、源泉槽(石枠鉄平石敷1-2人)、大岩露天風呂(同12人以上)とドライサウナ。
「ゆきあかり」は、ひのき内風呂(たぶん真湯)、源泉槽(石枠鉄平石敷1-2人)、大岩露天風呂(同12人以上)、ひのき露天風呂(たぶん真湯)とミストサウナ。


【写真 上(左)】 ゆきあかりのひのき露天風呂
【写真 下(右)】 見事に硫化したカラン

別に、貸切にしては広いハーブ風呂(貸切・無料・予約不要)もあります。
各浴場ともアメニティ完備。
「つきあかり」「ゆきあかり」の洗い場カランはイオウでまっ黒に硫化しています。


【写真 上(左)】 ハーブ貸切風呂「かおりの湯」
【写真 下(右)】 つきあかりの大岩露天風呂の湯色

「つきあかり」「ゆきあかり」ともに、やはり源泉槽が出色です。
巨大なつくばい?の底から湧き出した熱湯源泉が流れ落ちる湯口と、反対側にぬるめのお湯を注ぐ石の湯口があります。


【写真 上(左)】 つきあかりの源泉槽熱湯湯口
【写真 下(右)】 つきあかりの源泉槽ぬる湯湯口

熱湯源泉の湯口は石膏とイオウと鉄分の析出でえらいことになっています。
石の湯口は味が薄めでたぶん加水温調、側溝排湯の加水かけ流しかと思います。


【写真 上(左)】 ゆきあかりの源泉槽熱湯湯口
【写真 下(右)】 ゆきあかりの源泉槽ぬる湯湯口

源泉湯口と加水湯口の湯量は時間によって変動し、夜遅くにはどちらの湯口も絞り気味で、相対的に源泉比率が高くなるような感じがしました。
やませみさんご指摘のとおり、源泉つくばいには、表面にふわふわと油分が浮いてきて油膜をつくり、黒い湯の花も・・・。
源泉湯口には柄杓がおかれ飲泉できますがえらく不味いです。


【写真 上(左)】 つきあかりの源泉槽熱湯湯口(上から)
【写真 下(右)】 ゆきあかりの源泉槽熱湯湯口(上から)

かなり熱めの源泉槽のお湯は、きれいなエメラルドグリーンに黒灰色の湯の花を浮かべて透明。ときおり湯面にふわふわと油膜が出現します。
塩味+強苦味+エグ味。しぶ焦げイオウ臭+アブラ臭がしっかりと香り立ちます。
ぬめりとツルすべ感のあるお湯で、美人の湯の面目躍如。


【写真 上(左)】 つきあかりの源泉槽
【写真 下(右)】 ゆきあかりの源泉槽

温まりも浴感も相当に強い力のあるお湯で、強く記憶にのこります。
大岩露天風呂のお湯もこれに準じますが、ややぬるくなまった感じで緑味が濃いです。


【写真 上(左)】 つきあかりの大岩露天風呂
【写真 下(右)】 ゆきあかりの大岩露天風呂

それにしても、強アブラ臭&HS^-=88.4mg/kgの強イオウとはいったいどうしたことでしょう。
いったいに下越には泉質の面白いお湯が多いですが、月岡のお湯は群を抜いています。

やませみさんより肌荒れのご忠告がありましたが、乾燥肌ではないのにやはりきました。入浴中からぴりぴりきてましたが、皮膚の弱いところが赤くかぶれてしまいました。
人によっては、美人の湯ではなくなるのでご注意 (^^;
でも、力のある名湯をじっくり落ち着いて味わえるとてもいいお宿でした。

含硫黄-Na-塩化物・硫酸塩泉 50.0℃、弱アルカリ性、湧出量・成分総計不明、Na^+=1109mg/kg (88.57mval%)、F^-=3.1、Cl^-=1275 (63.69)、HS^-=88.4、チオ硫酸イオン=0.5、SO_4^2-=552.3 (20.38)、HCO_3^-=372.0 (10.81)、陽イオン計=1225 (54.45mval)、陰イオン計=2293 (56.44mval)、非解離・溶存ガス成分不明 <H元.3.30分析> (源泉名:不明)

■ブランドグルメ
〔 結城堂のかりんとう饅頭 〕
温泉まんじゅうで有名な結城堂のかわり種まんじゅう。
外皮の生地がなんとかりんとう、なかはたっぷりのあん。カリッとした食感と沖縄産黒糖の風味が好評でファン増殖中らしい。
瀬波温泉でも売っているらしいが本家はここ月岡で、遅い時間に行くと売り切れのことが多いらしいです。

〔 2009/12/24UP (2003/04/17レポに加筆 (2003/04入湯)) 〕

○ 元レポは「みしゅらん掲示板 特集クチコミ情報」でもご紹介いただいています。


E139.18.43.970N37.52.40.580
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■ 下部温泉 「古湯坊 源泉館」 〔 Pick Up温泉 〕



<下部温泉 「古湯坊 源泉館」>
(山梨県身延町下部45番地、8:00~15:00(2h以内)、原則無休、1,000円/2h、0556-36-0101)
オフィシャルHP
紹介ページ (@nifty温泉)

「信玄公のかくし湯」として知られる下部温泉の老舗宿で、足元湧出浴槽をもっており、温泉好きに高い人気をほこります。
場所は下部温泉街のほぼ中心、温泉神社(熊野神社)のすぐ下手にあることからみても、このお宿の格式とお湯のポテンシャルの高さが伺われます。


【写真 上(左)】 下部川の橋から「源泉館」
【写真 下(右)】 本館の玄関

オフィシャルHPによると、「当館には武田信玄やその父、信虎の免状が残されています。川中島を始め各地の戦場で負傷した多くの武将が当旅館の温泉で傷を癒しました。当時の武田軍は最重要の治療施設であった源泉館の岩風呂に対し、土地浴場の免状を発行して手厚く保護していました。」とあり、信玄公ひきいる武田軍とふかい関わりがあったことがわかります。
また、文豪、井伏鱒二氏が好んで逗留した宿としても知られています。


【写真 上(左)】 銘板
【写真 下(右)】 岩風呂の看板

本館帳場で受付し、坂をおりて「かくし湯 岩風呂」へ向かいます。
入浴回数券(6回分5,000円、13回分10,000円)もあって、日帰り受入れにも力を入れています。


【写真 上(左)】 ところせましと並べられている温泉掲示類
【写真 下(右)】 信玄公の免許状

「かくし湯 岩風呂」は別館「神泉」のなかにあり、すぐ脇の赤い鳥居は温泉神社(熊野神社)の参道です。
入ってすぐにベンチ、右が男湯、左が女湯。一見なんということもない佇まいながら、独特な雰囲気にあふれています。


【写真 上(左)】 男子脱衣所入口
【写真 下(右)】 女子脱衣所入口

浴室に入ると正面に上がり湯。
左手、階段の下にかの有名な混浴源泉槽「かくし湯 岩風呂」があります。
脱衣所は男女別々ですが、浴槽はすべて混浴。ただし、17:00~18:30は女性専用時間となります。
なお、本館5階に男湯(日帰り不可)、本館2階に女湯(混浴できない女性客のみ日帰り可)があります。


【写真 上(左)】 脱衣所
【写真 下(右)】 上がり湯

2層構造の浴場ですが、「かくし湯 岩風呂」の上部は吹き抜けとなっているので閉塞感はありません。
やや暗めながらやたら雰囲気あふれる浴場で、こういうものは一朝一夕でつくれるものではありません。
長湯湯治のメッカらしく浴場内にWCがあります。
カラン6位、シャワー・シャンプーあり、ドライヤーなし。
土曜12時で3-7人とまあまあ空いていました。

なお、ここはタオル巻きでの入浴が原則。「一般の浴場と違い、源泉館ではタオルを巻いて入浴するのがマナーです。」との注意書きも。


【写真 上(左)】 上がり湯から岩風呂の上部
【写真 下(右)】 上がり湯はザコザコ

上がり湯は岩枠石敷4-5人で、からだを暖めるためのもの。
浴槽のよこには飲泉処があって、コップもおいてあります。

岩の湯口から湯滝状の投入でたぶん全量をザンザコにオーバーフロー。
当然温泉で加温かけ流しかと思います。
無色透明のお湯はほぼ無味でわずかに芒硝系の湯の香、お湯じたいのイメージは「かくし湯 岩風呂」に似ています。


【写真 上(左)】 上がり湯の湯口
【写真 下(右)】 岩風呂-1

さて、本題の「かくし湯 岩風呂」です。(データなどはオフィシャルHPより引用)
ここは約15畳の大岩盤から自然湧出している貴重な足元湧出浴槽で、湧出量はじつに200~415L/minにもおよぶとのこと。
30人以上優にいけそうな大きな浴槽で、深さ2m以上もある天然岩風呂の上に板を敷いて適度な深さにしています。
右手奥、神棚の下の部分(3-4人)だけは板が張られていないのでやや深く、足元湧出源泉を直にからだに受けることができるので、当然ここが一番の人気スポットです。


【写真 上(左)】 源泉槽-2(中央のふかいところが湧出口)
【写真 下(右)】 壁には分析書

湯温は30℃くらい、ほぼ無色透明で湯の花はほとんどありません。
味不明、甘い石膏泉系の湯の香で、香りは「大市館」(現「裕貴屋」)とちがうニュアンスがあるように思いました。
キシキシとヌルすべが入りまじる複雑な湯ざわりで、よわい青白発光とわずかなアワつきもあり、浴後はただならぬ爽快感がでてきます。

ほぼ不感温度ですこぶる入りごこちのいいお湯は、やさしくからだをつつみこむ感じの長湯向け。
イメージとしては阿武隈の湯岐温泉の共同浴場に近いものがあるかな?

お湯のよさもさることながら、なんといっても浴場の雰囲気が抜群。
温泉好きならば一度は訪れてみたい名湯だと思います。

単純温泉(Na・Ca-SO4・Cl型) 29.6℃、pH=8.0、415L/min自然湧出、成分総計=0.470g/kg、Na^+=74.4mg/kg (52.68mval%)、Ca^2+=57.1 (46.34)、Cl^-=60.9 (28.38)、SO_4^2-=189.2 (65.02)、HCO_3^-=23.9、陽イオン計=132.9 (6.15mval)、陰イオン計=274.2 (6.06mval) メタけい酸=31.9、メタほう酸=2.9、遊離炭酸=28.1 <H16.8.25分析> (源泉名:源泉館神泉)

<温泉利用掲示>(「かくし湯 岩風呂」/オフィシャルHPより)
・一切「循環」「加熱」「加水」しておりません。
・温泉成分100%の天然温泉をかけ流しにしております。
※「武田信玄公の時代から加温はしていません(温泉利用証)」というのが凄い。
※ 温泉利用証の自然度・適正度評価はオール5です。
※ 館内掲示されていた日本温泉総合研究所の認定書(H16.8.19)では以下の通り
  ・浴槽の温泉水は源泉と同一であり「源泉100%かけ流し」であること。
  ・温泉の本質的な特徴の一つである「還元系」が良好に保たれていること。 
  ・浴槽の状態 加水:なし 加温:なし 循環:なし 塩素殺菌:なし 

■ブランドグルメ
〔 下部のヤマメそば 〕
渓流に棲むヤマメは下部川にも生育し、下部リバーサイドパークでは毎年8月にヤマメまつりも開催されます。
また、黄金色の「黄金のヤマメ」も放流され、ヤマメによる地域おこしがすすめられています。
かたや蕎麦は温泉街の定番。かけ蕎麦にヤマメの甘露煮をまるまる一匹のせた下部名物「ヤマメそば」は、温泉街の飲食店で食べることができます。

〔 2009/12/24UP (2007/06入湯) 〕


E138.29.4.561N35.25.8.478
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