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■ 曽呂宮下温泉 「こがね荘」 〔 Pick Up温泉 〕



<曽呂宮下温泉 「こがね荘」>
(千葉県鴨川市宮271、10:30~16:00(要時間確認)、800円、0470-92-9402)
紹介ページ (南房総データベース)
紹介ページ (MAPPLE観光ガイド)

南房総エリアにある多くの自家源泉施設のひとつ。
太海から富山に向かう県道89鴨川富山泉からちょっと入ったところにある湯宿が小帰り対応するもの。

民宿然とした外観。
以前いちど日帰りトライしたことがありますが、先代のご主人らしき人にあっさり断られリベンジ。
TELでは埒があきそうにないので、今回も直接攻撃(笑)
今回でてきたのは女将さんで、予想外に対応がよくあっさりOK。


【写真 上(左)】 脱衣所
【写真 下(右)】 ステンドグラス

ややくらめの浴室に、3-4人くらいの石枠青タイル貼の浴槽。
女湯との境がステンドグラスになっていて、独特の雰囲気があります。
カラン3、シャワー・シャンプーあり、ドライヤーなし。
平日12時で男女湯とも独占。


【写真 上(左)】 男湯
【写真 下(右)】 女湯

信楽焼のたぬきが乗ったみかげ石の湯口から循環湯を投入(「循環湯」との掲示あり)し、底面吸湯でーバーフローなしの循環仕様。
べつに温冷混合栓のカランがあって、これは温冷どちらも源泉だと思います。


【写真 上(左)】 男湯の浴槽
【写真 下(右)】 湯口

ほぼ適温のお湯は、透明度60~70cmほどの紅茶色の黒湯系。
重曹味に湯口でモール臭+アンモニア臭+僅微イオウ臭、湯面で有機肥料臭。
総硫黄は3.033mg/kgですが、さほど強いイオウ気は感じられませんでした。
なお、総硫黄=3.033mg/kgだとすると硫黄泉(含硫黄)の泉質がつくはずですが、分析書の泉質名には表記されていませんでした。


【写真 上(左)】 源泉カラン
【写真 下(右)】 湯口&湯色

循環ながら源泉カランもあるし、黒湯らしいツルすべととろみが明瞭な入りごたえのあるお湯なので、温泉好きならば立ち寄る価値があるのでは・・・。

含重曹食塩泉(Na-塩化物・炭酸水素塩泉) 11℃、pH・湧出量不明、成分総計=2.394g/kg、Na^+=725.0mg/kg (95.26mval%)、Fe^2+=0.234、Cl^-=721.4 (61.48)、HS^-=3.016、SO_4^2-=8.806、HCO_3^-=749.9 (37.13)、陽イオン計=733.3 (33.10mval)、陰イオン計=1496.5 (33.10mval)、メタけい酸=63.62、腐植質=98.50、硫化水素=0.017 <S43.3.12分析> (源泉名:曽呂宮下温泉)

<温泉利用掲示> 加水:なし 加温:あり 循環ろ過装置使用:あり 塩素系薬剤使用:あり

■ブランドグルメ
〔 長狭米 〕
千葉県は、じつは全国有数の一等米の産地です。
なかでも南房総、加茂川水系沿いの長狭地方は、蛇紋岩系の土質に恵まれ、質のよい「長狭米」(ながさまい)の産地として知られています。
わけても、主基(すき)地区産の「長狭米」は、明治時代に天皇家の儀式「大嘗祭」に使用する米の栽培地(「主基御斎田」)として選定されたほどの由緒があります。
また、大山地区の大山千枚田は農林水産省の棚田百選に認定されています。
((有)北村商店(鴨川市)のHPなどを参考)

〔 2010/01/06 (2007/12入湯) 〕


E140.4.45.869N35.5.5.985
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■ 塩原(畑下)温泉 「はとや旅館」 【 Web上に閉館情報あり 】



この施設の現在の営業状況は不明です。Web上では閉館情報がみつかります。

塩原(畑下)温泉 「はとや旅館」
住 所 :栃木県那須塩原市下塩原448
電 話 :0287-32-2588
時 間 :10:00~17:00(時間要確認)
料 金 :500円
紹介ページ (栃木の温泉宿(求人ジャーナル社))

※ 営業状況・時間・料金・TELなどは、原則としてUP日時点の最新データに直してありますが、掲載内容を保証するものではありません。ご利用の際は必ず事前に各施設にご確認ください。


塩原温泉郷のひとつ畑下(はたおり)温泉は、箒川の流れが湾曲して流れるところ。
国道から枝道を下っていった川沿いに鄙びたたたずまいをみせています。
塩原のなかでもお湯に個性のある湯場ですが、日帰り入浴がむずかしいエリアでもあります。
この日は例によって「清琴楼」で日帰りを断られたので、並びにあるここに突入してみました。

玄関先で日帰り入浴を乞うと、日帰り客などあまりいないらしく、ちょっと驚いた感じでしたが、浴室に行き湯張りの状況を確認すると、すぐに快く招き入れてくれました。
お兄さんと妹の元気な兄弟がご案内。


【写真 上(左)】 浴場入口
【写真 下(右)】 男湯

館内は旅館というより民宿的できもちB級入っていますが、湯宿の雰囲気はあります。
廊下の奥に男女別の浴室。左手手前が女湯、おくが男湯。
男湯のほうが広く、思いのほか立派な浴槽が据えられていてびっくり。


【写真 上(左)】 女湯
【写真 下(右)】 女湯の湯口

ややくらめの浴室に、6-7人はいけそうなタイル貼浴槽がひとつ。
カラン3、シャワー・シャンプーあり、ドライヤーなし。
平日12時で男女湯とも独占。

芸術的に翠白色の析出のでたカランから触れないほどの熱湯をしぼり気味に投入。
このカランは湯量調整ができ、MAX40L/minほども出ますが、全開にするととても熱くて入れないでしょう。


【写真 上(左)】 内湯
【写真 下(右)】 湯口カラン

槽内注排湯はなし。
お湯張り中だったのでオーバーフローはありませんでしたが、投入湯温やお湯の感じ、さらに浴後のご主人とのはなしからしても、おそらく加水なしのかけ流しと思われます。
浴槽はしの切欠から排湯口にかけては石灰華系の析出がでています。

しかし、日帰り客もほとんどいないと思われるのに、昼間から名湯、畑下のお湯を非加水かけ流しとは贅沢なものです。


【写真 上(左)】 析出
【写真 下(右)】 湯色

ほぼ適温~ややぬるめのお湯は、いい感じのくすみ緑色ささにごりで、白い浮遊物が少量だだよいます。
湯面には炭酸カルシウムらしき結晶も浮いています。

重曹味+しっかりとした塩味で金気味はほとんど感じられません。
予想外に臭いはよわく、わずかに西上州系のセメント臭を感じる程度。
湯ざわりはキシキシととろみがメインで、これによわい重曹系のツルすべが加わる複雑なもの。
ほてりはさほどなく、上品にあたたまります。


【写真 上(左)】 湯口&湯色
【写真 下(右)】 内湯の湯色と結晶

味臭的にはさほどガツンとくるものはないし、とくに濃度感があるというわけでもないのに、肌に染みいるような感覚と抜けられなくなるような奥ぶかさを秘めたお湯で、塩原でも上位にくるお湯かと思います。

なお、分析書には「畑下源泉」とありましたが、おそらく町営畑下源泉(共同配湯)で、これは湯めぐり手形で入れる「ぬりや」(畑下元湯共有(共同配湯))とは別の源泉です。

非常にマニアックな日帰り湯で、ふつうの人(笑)にあえておすすめはしませんが、コアな温泉マニアなら攻めてみるのも面白いかも・・・。

Na-塩化物温泉 77.0℃、pH=6.3、湧出量不明、成分総計=2753.0mg/kg、Na^+=624.6mg/kg、Ca^2+=119.4、Fe^2+=1.0、F^-=1.8、Cl^-=897.1、SO_4^2-=267.3、HCO_3^-=291.0、陽イオン計=801.0、陰イオン計=1457.2、メタけい酸=180.8、メタほう酸=35.5、遊離炭酸=277.7 <H4.7.1分析> (源泉名:畑下源泉)

■ブランドグルメ
〔 塩原の山椒の佃煮 〕
塩原の山には山椒が多く自生し、山椒の佃煮が名物とされています。
とくにおにぎりの具としてつかわれることが多いようです。
福渡の小松屋商店のものは、山野に自生する山椒の若芽を、正油、鰹節、水飴で昔ながらの独自の手法で丹念に煮上げたもので、「朝倉でんぶ」という名称で親しまれています。

〔 2010/01/05UP (2007/03入湯) 〕


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■ ベルビュー温泉 「那須野ヶ原CC&ベルビューホテル」 〔 Pick Up温泉 〕



<ベルビュー温泉 「那須野ヶ原CC&ベルビューホテル」>
(栃木県大田原市南金丸2025、16:00~22:00(要確認)、500円(要確認)、0287-23-1101)
オフィシャルHP
紹介ページ (じゃらんnet)
紹介ページ (楽天トラベル)

大田原市の東部、旧湯津上村との境にあるゴルフ場&ホテルのお湯。
ここはかなり前、温泉が出たてのころにゴルフパックで泊まったことがありますが、日帰り開放しているということで攻めてみました。
以前は日帰り1,000円だったようですが、昨年(2005年)4月より500円に改訂されているようです。

なかなかにシックなヨーロピアン調の建物で館内も瀟洒。
メンテナンスも見事に行き届いています。
廊下の奥に男女別の浴場。ロッカールームの記憶がないので、ゴルフ場の浴場は別にあるのかもしれません。


【写真 上(左)】 日帰り入浴の案内
【写真 下(右)】 浴場入口

やや暗めの浴室に内湯(黒みかげ石造10人)、ジェット槽(同4人)、サウナと露天(岩枠三波石?敷10人弱)。
露天は庭園造りで高台にあり、風とおしよく気持ちがいいです。
カラン6、シャワー・シャンプー・ドライヤーあり。
土曜17時で2~3人と空いていました。


【写真 上(左)】 ゴージャスな脱衣所
【写真 下(右)】 内湯

内湯は、白い石膏と赤茶の析出が出た黒みかげ石の湯口からさわれないくらいに熱い源泉を少量投入。
槽内注排湯はみあたらず、全量をオーバーフローはたぶんかけ流しかと思います。
ジェット槽は、黒みかげ石の湯口+ジェット注入、湯口も槽内のお湯も内湯よりうすめの感じがしました。


【写真 上(左)】 内湯から露天方向
【写真 下(右)】 内湯の湯口

露天は、パイプからクリーム&茶に色づいた岩の湯だめに溜め、そこから浴槽に流し込み。
熱~い投入湯はおそらく源泉で、湯温調整のためかもったいなくもパイプの途中からお湯を逃がして捨てています。
槽内注排湯は確認できず、オーバーフローとパスカル方式の排湯はかけ流しかも?。
ただし、お湯の鮮度感は内湯のほうがいいです。


【写真 上(左)】 露天-1
【写真 下(右)】 露天-2

お湯は個性の際だったものです。
やや茶色がかって茶色の湯の花がただようお湯は、強塩味+苦味で湯口では弱いながら松之山系統のアブラ臭があります。

キシキシと弱ヌルすべととろみが入り混じり、相当な濃度感と重厚な温まりがあって、濃いめ土類食塩泉の浴感ゆたか。
きしりとした、やや硬質な湯ざわりがあるのはSO_4^2-=1501.7mg/kgのせいか?
浴後もなかなか冷めず、ほんとうにプチ松之山のようなお湯です。

熱湯源泉の少量投入だけにお湯の鮮度感はさほど高くはないですが、喜連川とはひと味違う個性派のお湯は貴重。
全体にゆったりとしているので、じっくりとお湯を楽しめます。
それにしても、この内容で500円は破格! ここはおすすめです。

なお、2010年1月時点のHPでは、
「お得な日帰り宴会プランのご案内 お一人様:昼食+温泉入浴付 3,150円(税込)」
となっているので、入浴のみは確認したほうがいいかと思います。

Na-塩化物温泉 57.0℃※、pH=8.0、湧出量不明、成分総計=10876mg/kg、Na^+=3344.6mg/kg (84.41mval%)、Ca^2+=671.5、F^-=5.8、Cl^-=5193.5、SO_4^2-=1501.7、HCO_3^-=27.9、陽イオン計=4045.6、陰イオン計=6728.8、メタけい酸=58.0、メタほう酸=43.1 <H4.7.17分析> (源泉名:那須野ヶ原源泉1号)

※投入湯温からみて加水はないと思います。いまの湯温はもっと高いのでは?

■ブランドグルメ
〔 大田原とうがらし 〕
かつて大田原は、全国生産量NO.1を誇るほどの有数の唐辛子産地で、とくに、三鷹(さんたか)という品種が盛んに栽培され、海外にもたくさん輸出されていたそうです。
現在、日本で作られている一味・七味に使われているのは、ほとんどがこの三鷹とのこと。
大田原市はとうがらしを地域活性化の核のひとつとして育てるプロジェクトを立ち上げ、辛子佃煮、辛子きざみ、とうがらしラーメン、とうがらし煎餅、とうがらしジェラートなどのユニークなアイテムが製造販売されています。(とうがらしの郷づくり推進協議会HPを参考)

〔 2010/01/04UP (2006/08/14レポ (2005/09入湯)) 〕


E140.5.14.687N36.50.56.968
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■ 大磯温泉 「大磯プリンスホテル」 〔 Pick Up温泉 〕



<大磯温泉 「大磯プリンスホテル」>
(神奈川県中郡大磯町国府本郷546、12:00~17:00、7/18~8/31・12/31~1/3は不可、1,000円(フェイスタオル2枚付)、0463-61-1111)
オフィシャルHP
紹介ページ (@nifty温泉)
紹介ページ (じゃらんnet)
紹介ページ (BIGLOBE温泉)

「大磯ロングビーチ」のとなりにある湘南を代表するリゾホ「大磯プリンスホテル」が温泉施設を日帰り開放するもの。
休憩所や各種日帰りプラン、回数券などもあって日帰り入浴受け入れに積極的なようです。

右手のメインエントランスから入館し、館内右手奥の浴場入口で料金を払ってフェイスタオル2枚を受けとります。
脱衣所はロッカー式、セパレート型のドライヤーコーナーもあってさすがに設備は充実しています。


【写真 上(左)】 内湯
【写真 下(右)】 露天

広~い浴場を想像していましたが、意外にこぢんまりとしたもので、内湯(みかげ石枠タイル貼6-7人)とガラス窓の向こうに軒下タイプの露天(同10人位)の2槽。
内湯と露天は同じつくりで面白味に欠けますが、露天・内湯ともに石庭の向こうに海を望めます。
セパレート型洗い場11、シャワー・シャンプー・ドライヤーあり。
土曜15時で3~5人と空いてました。


【写真 上(左)】 露天からの眺め
【写真 下(右)】 内湯からもオーシャンビュー

内湯・露天とも湯口はなく、槽内注湯で浴槽脇の上面側溝への流し出しで湯づかい不明。
やや熱めのお湯は、わずかに濁ってこまかな黒い浮遊物あり。
強塩味+微苦味+鼻に抜けるような刺激味があります。

内湯にはかなり明瞭な臭素臭があって浴室内に立ちこめています。これだけ臭素臭がはっきりと出ているお湯も珍しいのでは?
露天のお湯は、カルキ臭?がまじりタール臭っぽい臭いになっていて、内湯の方がいい感じ。
アワつきがあるという事前情報がありましたが、残念ながらこの日は確認できませんでした。


【写真 上(左)】 内湯の湯色
【写真 下(右)】 露天の湯色

濃度感あふれる力強い浴感のお湯で、長湯できずほてほてカラカラになって湯疲れします。
弱いながらとろみ感もあり、土類泉らしく少しベトつきますが、浴後は意外に爽快。
ただ、浴感は充分なんですが、なにかひとつ足りないような気もします。
ここは、化石海水型ではなく、海岸温泉ではないでしょうか?

でも、湘南でこの濃度感は貴重。
近場でほてほてカラカラになりたいときには、おすすめのお湯だと思います。

Na・Ca-塩化物強塩泉 30.0℃、pH=8.2、湧出量不明、成分総計=28890mg/kg、Na^+=7597mg/kg 、Ca^2+=3306、Fe^2+=0.5、Cl^-=17750、Br^-=53.2、I^-=3.4、CO_3^2-=10.8、陽イオン計=11010、陰イオン計=17820、メタほう酸=31.5 <H12.1.6分析> (源泉名:大磯温泉)

■ブランドグルメ
〔 大礒の大玉柿 〕
寺坂地区を中心に6名の生産者で栽培される大玉柿は、ひとつひとつの実を丁寧に育て上げることにより実を大きく太らせたブランド柿です。
とくに「太秋」という品種は、350gを超える大玉になる逸品。
市場には出回らず、直売や宅配のみでの販売で、その稀少さからも人気を集めています。(神奈川県・大磯町・神奈川県商工会連合会資料などを参考)

〔 2010/01/04UP (2004/06/12レポ (2004/05入湯)) 〕


E139.16.55.350N35.17.52.011
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■ 奥蓼科温泉(渋鉱源泉) 「渋・辰野館」 〔 Pick Up温泉 〕



<奥蓼科温泉(渋鉱源泉) 「渋・辰野館」>
(長野県茅野市奥蓼科温泉、11:00~16:00(要事前確認)、不定休、1,500円、0266-67-2128)
オフィシャルHP
紹介ページ (@nifty温泉)
紹介ページ (じゃらんnet)

蓼科の南側、R299メルヘン街道と並行して走る県道191渋ノ湯堀線沿いには、渋の湯、渋御殿湯、渋川、渋・辰野館、明治など古くから知られる温泉が点在し、”奥蓼科温泉郷”と呼ばれています。
この県道は渋の湯で行き止まりになるので交通量がすくなく、北八ヶ岳のゆたかな自然とあいまって、いずれも落ちついた佇まいをみせています。


【写真 上(左)】 バス停にも風情
【写真 下(右)】 表門

「渋・辰野館」は奥蓼科温泉郷のなかほどにあって、林のなかにたたずむ一軒宿。
木づくりの瀟洒な外観、玄関前には「信玄の薬湯 渋・辰野館」という風格のある銘板がかかっています。
かたわらの信楽焼のタヌキや赤い郵便ポストもいい味を出しています。


【写真 上(左)】 玄関
【写真 下(右)】 信玄の薬湯

武田信玄公は東信・北信攻略に当たって、3つの軍用道路(上の棒道、中の棒道、下の棒道)を整備しました。
このうち上の棒道がこのあたりを通っていたため、少名毘古那神のお告げによって発見されたとされる効能ゆたかなこの古湯が、傷ついた将兵や軍馬の療養の場とされ、「信玄の薬湯」として人口に膾炙することとなりました。
また、ここは明治三十四年創業の老舗で、東山魁夷画伯がたびたび逗留した宿としても知られています。

ウッディな館内。吹き抜けのロビーからはみずみずしい林をのぞみ、意匠的にもかなりのすぐれもの。
全館にただようロハス~ネイチャー系のイメージは、軽井沢の星野リゾートに相通ずるものを感じます。
「旬の自然食料理」にも定評があり、日帰りプランも設定されています。

いかにも奥蓼科らしい落ちついた大人向けの雰囲気と「信玄の薬湯」、「旬の自然食料理」などに惹かれ、訪れる人があとを絶たない人気のお宿です。

浴場は、大浴場(展望風呂)、露天風呂(森の温泉)、内湯(信玄の薬湯)の3つがそれぞれ男女別にあります。


【写真 上(左)】 展望風呂-1
【写真 下(右)】 展望風呂-2

うち、大浴場(展望風呂)は温泉ではなく自然湧水を加温して使用、石鹸類の使用はこの浴場でできます。
自然湧水といっても、カランの湯口まわりには析出がでていたので、相当の成分を含んでいるかもしれません。

大浴場(展望風呂)は入らなかったので、露天風呂(森の温泉)、内湯(信玄の薬湯)の2ケ所のレポです。


【写真 上(左)】 「森の温泉」
【写真 下(右)】 「森の温泉」露天からのシラカバ林

露天風呂(森の温泉)は、内湯(木造4人)と露天(同4人)の2槽構成。
眼前にシラカバ林がひろがる抜群のロケーションです。
ともに岩から突き出た木の湯口から打たせ湯状に少量投入で側面吸湯。内湯は側面注入もあります。


【写真 上(左)】 「森の温泉」の内湯
【写真 下(右)】 「森の温泉」の露天

湯温はどちらもぬるめで、内湯で32~33℃、露天で30℃くらいか?
これだと、一般人はかなりきついので、ふつうはどちらかを加温槽にしているかもしれません。
ともに透明度40cmほどの乳白色のにごり湯で、かなりの量の白い湯の花が浮遊&沈殿しています。


【写真 上(左)】 「森の温泉」の内湯の湯口
【写真 下(右)】 「森の温泉」の露天の湯口

お湯はどちらもややなまり気味で、とくに内湯はかなりのなまりを感じたので、長湯することなく内湯(信玄の薬湯)に移動。


【写真 上(左)】 「信玄の薬湯」入口
【写真 下(右)】 「信玄の薬湯」

さて、本題の内湯(信玄の薬湯)です。
総木造のすこぶる趣のある浴場で、シンボルの打たせ湯が中央の浴槽に豪快に注ぎ込まれしぶきをあげています。


【写真 上(左)】 「信玄の薬湯」打たせ湯槽
【写真 下(右)】 しぶきをあげる打たせ湯

手前脱衣所側から、冷泉槽(木造2人)、打たせ湯槽(木造3人、90cmととても深い)、加温槽(木造4人)の3つの浴槽が並んでいます。


【写真 上(左)】 「信玄の薬湯」打たせ湯槽と冷泉槽
【写真 下(右)】 「信玄の薬湯」打たせ湯槽と加温槽

冷泉槽は透明度60cmほどのうすい乳白濁でいちばん冷たく18℃くらい。
打たせ湯槽は透明度60cmほどの青味がかったうすい乳白濁で20℃くらい。
加温槽はややにごりが強まり透明度50cmほどで41℃くらい。
いずれの浴槽にも白い湯の花が浮遊&沈殿、打たせ湯槽には白いつぶつぶの湯の花が浮いています。


【写真 上(左)】 「信玄の薬湯」冷泉槽
【写真 下(右)】 「信玄の薬湯」加温槽

冷泉槽は木板から突き出たパイプの湯口から冷泉を少量投入で木樋からの排湯。
打たせ湯槽は木板から突き出た丸太を刳り抜いた湯口から冷泉を豪快に大量投入で、木樋をつうじてとなりの加温槽への流し出し&ザコザコのオーバフロー。
加温槽は木の湯口からの冷泉少量投入&打たせ湯槽からの冷泉流し込み&側面からの熱湯注入で排湯方法は不明。


【写真 上(左)】 「信玄の薬湯」打たせ湯槽の湯口
【写真 下(右)】 「信玄の薬湯」加温槽の湯口

鮮度感は源泉大量投入の打たせ湯槽が抜群で、つぎに冷泉槽。
加温槽はなまり気味ながら、露天風呂(森の温泉)の2槽よりはコンディション良好。


【写真 上(左)】 つぶつぶの湯の花
【写真 下(右)】 「信玄の薬湯」加温槽の湯色

酸性泉特有のレモン味+収斂味+微たまご味+微苦味+僅微炭酸味?
しぶ焦げイオウ臭+ラムネ臭に焦げ臭がまじります。
この焦げ臭は、渋の湯や渋御殿湯では感じられなかったもので、この源泉の個性ではないかと・・・。
酸性泉のぬるのうらにきしきしとした湯ざわりがあるあと曳き系の浴感。

それにしても総硫黄0.4mg/kgで硫黄の規定泉ですらないのに、このイオウ泉系浴感&湯色&湯の花はいったい何事?
加えて、打たせ湯&冷泉槽のからだが引き締まるような独特な浴感は独特のもので、なるほど「信玄の薬湯」の能書きもうなづけるものがあります。

ただし、場内はけっこう混んでいた(日曜14時で森の温泉に3人、信玄の薬湯に4人、信玄の薬湯の脱衣所には服を着ている人が10人ほどもいた。)にもかかわらず、打たせ湯&冷泉槽に入っている人はほとんどいません。

たしかに、湯温20℃はスパ銭の水風呂なみ、しかも高原の涼気&特有の収斂感(&おそらく炭酸冷感)が効いて、温度より冷たく感じるので、湯なれていない人は、時間をかけてからだを慣らしてからでないとまず浸かれないでしょう。
わたしは冷泉浴マニア(笑)で15℃くらいまではふつうにいけるのですが、ここの源泉は15℃の真水の水風呂より体感的にははるかに冷たく感じました。
ただ、入るほどに冷えていくような渋御殿湯の「長寿湯」よりは入りやすいかも?

さすがに冷泉浴のメッカ、蓼科の重鎮「渋・辰野館」。
泊まりでじっくりとこの名湯を堪能したいところですが、高級宿なのでなかなか手がとどきません(笑)

〔HPより〕
単純酸性冷鉱泉(Na・(H)-HSO4・Cl型) 21.2℃、pH=2.9、自然湧出湧出量不明、成分総計=1027mg/kg、H^+=1.3mg/kg (21.21mval%)、Na^+=58.6 (41.93)、Mg^2+=5.6、Ca^2+=13.7、Fe^2+=1.2、Cl^-=95.2 (44.4*)、HS^-=痕跡、HSO_4^-=6.6、SO_4^2-=156.5 (53.9*)、陽イオン計=102.8 (6.08mval)、陰イオン計=259.3 (6.05mval)、メタけい酸=72.1、メタほう酸=6.3、遊離炭酸=588.0、硫化水素=0.4 <H8.1.16分析> (源泉名:奥蓼科温泉 渋鉱源泉)

〔館内掲示より〕
単純酸性冷鉱泉 26.4℃、pH=2.92、湧出量不明、蒸発残留物=430mg/kg、H^+=1.203mg/kg、Na^+=65.0、Mg^2+=3.764、Ca^2+=13.96、Fe^2+=0.174、Cl^-=88.29、SO_4^2-=134.6、メタけい酸=94.12、メタほう酸=9.923、遊離炭酸=226.0、硫化水素=0.068 <S55.12.23分析> (源泉名:奥蓼科温泉 渋鉱源泉)

〔 館内掲示 〕
1.信玄の薬湯の由来
この信玄の薬湯の開湯はとても古く延暦二年(西暦七二八年)奈良時代の末期諏訪神社の神官の霊夢により発見されたと伝えられています。
戦国の雄将武田信玄が上杉謙信との永年のたたかいの為八ヶ岳を巻き奥蓼科の麓を通る信玄の棒道を建設、この湯で将兵や軍馬を湯治させ、以来「信玄の薬湯」と呼ばれています。
この薬湯の湯塩、湯の花は古文書にも多く記され、非常に古くから採取されていたようです。湯を樽につめ薬用としての販売も江戸時代中頃から始まりました。
これら湯塩、湯の花、薬湯の販売は明治の始め頃から非常に盛んになり、それが昭和十年頃まで続きました。
<HPより>日本神話の中で大国主の神と一緒に国づくりで活躍する小人の神・少名毘古那神(スクナヒコナ神)がこの薬湯を発見したとの言い伝えもあって、由来は神秘に包まれています。

2.薬湯の効能
当温泉は硫黄を主に、明ばんと炭酸を含んだ硫黄泉です。(中略)
湯は白く濁っていて、湯面に粒状の「湯の花」が浮いています。
この信玄の薬湯は、源泉で28℃と決して高くはないため、昔から湯治客には苦労が多かったようです。標高も高いため冬の湯治が不可能なことはもちろん、夏でも暖をとっては入浴する必要がありました。そのため効能が非常に大きいと言われながらも、湯治途中であきらめる者も少なくなかったそうです。
初めて沸し湯されたのは明治10年のことで、温湯でも効能は変わらないことが確かめられました。(以下略)

3.薬湯の飲泉
この薬湯は、非常に古くから飲泉も親しまれ、その薬効を讃られてきました。ちょっと渋みのある淡いほろすっぱさは、とてもさわやかな味です。(以下略)
<HPより>古く4世紀の頃、神功皇后が朝鮮征伐凱旋の時、諏訪大明神が夢枕に立って、毒矢などの傷兵にこの薬湯を飲ませよと告げた、との記述も見えます。

〔 2010/01/04UP (2006/09入湯) 〕


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■ 芦之湯温泉 「松坂屋本店」 (リニューアル前)



<芦之湯温泉 「松坂屋本店」 (リニューアル前)>
(神奈川県足柄下郡箱根町芦之湯57、14:00から受付(休前日・多客時不可、要事前問合せ)、1,000円 ←以上、リニューアル前、現在は日帰り入浴不可、0460-83-6511)
オフィシャルHP
紹介ページ (@nifty温泉)
紹介ページ (じゃらんnet)
紹介ページ (温泉みしゅらん)

箱根は古くからの湯場で、江戸期には箱根七湯(湯本、塔之沢、堂ヶ島、宮ノ下、底倉、木賀、芦之湯)と称され湯治客で賑わいました。
なかでも格別の人気を誇ったのが硫黄泉の芦之湯で、温泉番付でもだいたい箱根筆頭の地位を確保していました。

江戸期には湯本に次ぐ規模があったようですが、いまは「松坂屋本店」、「きのくにや」、「山形屋」の3軒の湯宿があるのみ。
駒ヶ岳の山腹にあるこの温泉場は、夏でも比較的涼しく、霧の多いしっとりと落ちついたところで、古くは名だたる文人たちがこの地に逗留、当時の様子は東光庵跡(熊野権現旧跡)でしのぶことができます。

「松坂屋本店」は寛文二年(1662)創業、あまたの著名人が逗留したという老舗中の老舗で、箱根では貴重な非造成の自家硫黄泉をかけ流しているので、とくに温泉好きのあいだでは超メジャー。
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日帰り入浴を受け付けていますが、休前日・多客時不可。
平日でも14時の受付開始時点で客数が多いとその場で受付終了してしまうらしく、日帰り難易度の高い施設として知られています。(玄関前に日帰り可否の看板が出ているが不可のことが多い。)
その攻略法は多くの温泉サイトで話題になるほど。
料金も当初の700円 → 800円 → 1,000円としだいに敷居が高くなっています。

日帰り入浴の状況についてはこちら(一郷一会100名湯記事)をご覧ください。
なお、一時日帰り中止説が流れ、日帰り不可としている温泉ガイドもありますが、オフィシャルHPに日帰り入浴の案内が掲載されているので、完全中止にはなっていないようです。
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(以上はリニューアル前の状況。2007年あたりから日帰りで入れないことが多くなり、2008年7月のリニューアル時より、正式に日帰り入浴不可となりました。)

ここは子供のころ何度か泊まっていて大学時代にも泊まったことがありますが、お湯の記憶はきれいさっぱり消え去っていたので、このレポ時はほとんど初入湯状態でした。


【写真 上(左)】 表門
【写真 下(右)】 落ちつきのある館内

館内は手入れが行き届いて綺麗、中庭を廊下&太鼓橋&地下道(上を湯坂道(鎌倉街道)が通っている)で渡ったおくに男女別の浴室があります。
男女入替制のようで、当日どちらが男(女)湯かは、行ってみないとわからないようです。


【写真 上(左)】 浴場へのアプローチ
【写真 下(右)】 男湯入口

芝生の庭を前景にした明るい浴室に、みかげ石枠石敷5-6人の熱湯槽と同20人ほどの適温槽のふたつをシンプルに配置。
風情はさほどないものの、機能的で手入れの行き届いたいい浴室です。
カラン9、シャワーなし、シャンプーあり、ドライヤーなし。
平日14時で一瞬独占(笑)~6~10人。


【写真 上(左)】 ひろびろとした脱衣所
【写真 下(右)】 浴場

この日まだ誰も入っていない湯船にはうすく緑白濁し白い湯の花の舞う、鮮度の高そうなお湯が満々と湛えられていました。
熱湯槽、適温槽おのおのに湯口があり、木筒の湯口から円形の湯溜めに注ぎ込み、槽内へは側面注入か?
槽内排湯はみあたらず、浴槽ふちからたっぷりと流し出す正統派のかけ流し。
湯口そばにはコップも置かれていました。


【写真 上(左)】 浴槽
【写真 下(右)】 湯口

弱苦味たまご味に、かなり強いしぶ焦げイオウ臭とラムネ臭が入り混じる山の硫黄泉らしい湯の香。
メタけい酸系のヌルとろみと硫酸塩泉系の力強い温もり感。
おだやかな湯ざわりはHCO_3^-=157mg/kgが効いているのかも・・・。
とてもよく温まる硫黄系のお湯なので長湯はきびしいですが、異様にクセになるお湯で何度も入ってしまいます。
浴後は爽快感がでてイオウ臭が肌に残ります。

比較的アルカリ性の高い白濁硫黄泉は日光湯元に近いものを感じましたが、やや成分うすめでより硫酸塩泉の特徴がでているようなイメージ。
すこぶる質感の高いお湯で、同じ硫黄泉系にごり湯の大湧谷造成泉とはあきらかに一線を画しています。

入ってしばらくすると、次第にお湯のにごりが強くなり(透明度40cmくらい)、湯の花もくだけて少なくなってきたので、やはり一番湯が狙い目かと思います。
同浴した人はほとんど常連さんのようで、みなさんまったり超長湯モード。
かなり長湯したつもりですが、一番最初にあがったのはわたしでした。(女湯も同じような状況だったらしい、こんなのは初めて・・・(笑))

お湯の風格といい湯づかいといい、やはり箱根を代表する名湯かと思います。

2008年7月のリニューアルにより「鶴鳴館 松坂屋本店」と名称を一新し、2名1室21,000円~という個人客にターゲットを絞り込んだ和モダン系高級旅館に変貌。
日帰り入浴で親しまれ、学生の合宿に愛好された「松坂屋本店」は、今は昔となりました。

含硫黄-Ca・Na・Mg-硫酸塩温泉(硫化水素型) 62.5℃、pH=7.3、湧出量不明※、成分総計=1182mg/kg、Na^+=89.0mg/kg、Mg^2+=43.8、Ca^2+=108、Cl^-=5.20、HS^-=5.85、SO_4^2-=514、HCO_3^-=157、陽イオン計=255、陰イオン計=683、メタけい酸=227、硫化水素=3.31 <H5.11.12分析> (芦之湯第9号泉(芦刈の湯))

※ オフィシャルHPには、「毎分220リットル湧出する自家源泉を館内全ての浴槽と足湯に直接引いており、加水や加温、循環などは行っておりません。」と掲載されています。
※ 「箱根オフィシャルガイドブック」(生活情報センター刊)によると、「源泉井戸は庭園に続く森の中にあり、湧出する温泉は直接浴槽に引かれる」とのこと。(→泉源の写真

<温泉利用掲示> 当館は掛け流しの(循環濾過・加熱・加水など一切なし)温泉をご利用いただける数少ない旅館であります。

〔 館内掲示(抜粋) 〕
当館は自家源泉より湧出した温泉を直接浴槽に引いております。
約六十度の源泉を自然に冷ますので特に気温の影響を受けやすく、バルブの開閉具合のみで温度調整をおこなっております。
pH7.3という弱アルカリ性の硫黄泉である当館の源泉は大変希少価値が高いものです。
そのコロイドを含んだ温泉成分は、天候・気温・湿度などの影響を受け、その表情も変わり、透明の日もあれば白く濁る日もありますし、湯の花の出具合も違ってきます。(ふたつある浴槽は一つの源泉から引湯しておりますが、温度の差により一方が透明で一方が白濁するといった時もあります。)
蛇口の湯も源泉から直接引いた温泉を使用、(以下略)

一郷一会100名湯

〔 2010/01/04UP (2006/08/17レポ (2005/08入湯)) 〕


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■ 大仁温泉 「一二三荘」 〔 Pick Up温泉 〕



<大仁温泉 「一二三荘」>
(静岡県伊豆の国市(旧 大仁町)大仁503、7:00~23:00、300円、0558-76-3123)
紹介ページ (「ゆうゆうネット伊豆」(伊豆観光推進協議会/(株)静岡新聞社)
紹介ページ (「アットエス」((株)静岡新聞社)

大仁温泉は、伊豆長岡(古奈)と修善寺にはさまれた地味な温泉地です。
高台にある「大仁ホテル」をのぞき、こぢんまりとした湯宿がまちなかに点在しているイメージです。
ここもそんな宿ですが、湯づかいがいいのと、低価格で長時間日帰り受け入れをしてくれるので、温泉好きのあいだではわりに知名度の高いお宿です。
また、日本プロ友釣協会(JPA)公認アユ釣りプロの 井川弘仁さんが経営するお宿で、鮎料理が名物の宿としても知られているようです。

県道80熱海大仁線が大仁橋手前で伊豆箱根鉄道を横断する踏切のよこにあります。
オープンで入りやすい玄関、湯宿というより、地元の銭湯的なイメージがあり、じっさい夕方には地元客で賑わうそう。


【写真 上(左)】 玄関
【写真 下(右)】 フロントまわり

フロントまわりには鮎の魚拓がいくつかかかげられ、釣りの宿の趣。
脱衣所、浴場ともにこぢんまり。

おくの窓側に赤みかげ石枠石敷5-6人の浴槽が据えられています。
窓のすぐわきは伊豆箱根鉄道の線路、線路わきの浴場というと、南会津の湯野上温泉 「清水屋」谷津温泉 「薬師の湯」が記憶にありますが、ここは本数が多いのと、内湯の至近距離を走っているのではるかに迫力(?)があります。


【写真 上(左)】 男湯-1
【写真 下(右)】 ナゾの浴槽?

手前に丸石がちりばめられたぬる湯がためてある浅い浴槽(?)がありますが、これは何?
(釣り客が多そうなので足洗い場か?)

カラン3、シャワー・シャンプー・ドライヤーあり。カランもたぶん温泉だと思います。
年末の15時でエアーポケット的に独占。(玄関前Pは満車。入るときも出るときも地元の人と入れちがいだった。)


【写真 上(左)】 男湯-2
【写真 下(右)】 湯口

樹脂製竹樋風の湯口から熱めの源泉をしぼり投入。
べつに手前にカラン×3があって、まんなかのだけ生きていました。(緑青&石膏まみれの蛇口からでる熱湯はこれもたぶん温泉)
槽内注吸湯はなく、全量をオーバーフローのかけ流し。

適温~ややぬるのお湯は、うすく懸濁しうす茶の浮遊物がただよいます。
はっきりとした芒硝塩味は長岡・古奈よりつよめ。
ほこほことした石膏~芒硝系の湯の香。


【写真 上(左)】 生きてるカラン
【写真 下(右)】 湯色&湯口

ヌルすべととろみのあるやわらかないいお湯で、あたたまりはさほどつよくなく、お湯のイメージは韮山に似ているかと・・・。

鮎釣りプロの話しをきけて、鮎料理三昧。
しかも質のよい温泉のかけ流しですから、鮎釣りファンにとってはたまらないお宿ではないでしょうか。

Na・Ca-塩化物・硫酸塩温泉 63.5℃、pH・湧出量不明、成分総計=1.021g/kg、Na^+=244.0mg/kg、Ca^2+=69.2、Cl^-=262.8、HS^-=0.3、SO_4^2-=283.1、HCO_3^-=61.5、陽イオン計=315.7、陰イオン計=610.9、メタけい酸=86.9、メタほう酸=5.8 <H3.7.3分析> (源泉名:大仁6号泉)

<温泉利用掲示> 当温泉は泉質維持の為、ろ過・循環をしておりません

■ブランドグルメ
〔 狩野川の鮎 〕
美しい姿と香り高い味わいから「香魚」とも言われる鮎。
狩野川は鮎の友釣り発祥の川で、例年、5月下旬の解禁から秋にかけて、多くの鮎釣りファンで賑わいます。
当然、鮎料理も名物で、塩焼きはもちろん、ひらき、甘露煮、洗い、雑炊、塩辛などの多彩なメニューを地元の旅館、民宿、料理店で存分に味わえます。(「駿豆」駿豆地区広域市町村圏協議会HPなどを参考)

〔 2010/01/04 (2006/12入湯) 〕


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■ 谷川温泉 「檜の宿 水上山荘」 〔 Pick Up温泉 〕



<谷川温泉 「檜の宿 水上山荘」>
(群馬県利根郡みなかみ町(旧 水上町)谷川556、14:00~15:00/18:00~20:00、900円、0278-72-3250)
オフィシャルHP
紹介ページ (@nifty温泉)
紹介ページ (MAPPLE観光ガイド)

高級旅館のメッカ、谷川温泉のいちばん奥にある温泉旅館。
ここは昼間は14~15時の1時間しか日帰り入浴できないので、未湯となっていましたが、「スノーキャンペーン in 水上2006」の割チケをつかいようやく入湯しました。

日帰り受付開始の14時すこし前に到着。
Pはあまりないらしく、フロントにキーを預けます。
入館すると仲居さんが並んでいて一瞬気圧されますが(^^)、日帰りしたい旨をいうと、こころよくフロントに案内してくれました。
ここも高級宿の域に達していて、館内には重厚な空気がただよっています。


【写真 上(左)】 女湯(月光乃湯)
【写真 下(右)】 高級宿らしい備品類

廊下の奥に小さな休憩所と男女別の浴場があり、男湯は”仙人岩乃湯”、女湯は”月光乃湯”と名づけられています。
”仙人岩乃湯”は、古代檜造7.8人の入りごこちのいい内湯と岩枠石敷20人以上(一部屋根付)の大きめの露天の2槽。


【写真 上(左)】 男湯(仙人岩乃湯)の露天
【写真 下(右)】 男湯(仙人岩乃湯)露天からの眺め

露天は谷川の渓谷と谷川岳方面の山肌をのぞむすばらしいロケーションで、冬場は開放感あふれる絶好の雪見風呂になります。


【写真 上(左)】 女湯(月光乃湯)の檜風呂
【写真 下(右)】 女湯(月光乃湯)の岩風呂

カラン6、シャワー・シャンプー・ドライヤーあり。
土曜14時で男女湯とも贅沢にも1時間ず~と独占。
なお、女湯の浴槽は内湯2、露天2(すべて5.6人)とのことでスペースも男湯より広そうです。


【写真 上(左)】 男湯(仙人岩乃湯)の内湯-1
【写真 上(左)】 男湯(仙人岩乃湯)の内湯-2

内湯は木の湯口から25L/minほどを投入で、竹筒(飲泉用?)がおいてあります。
槽内注排湯はなく全量をオーバーフローのかけ流し。
14時過ぎにオーバーフローが始まったので、それまでは清掃&お湯張りしていたかと思います。


【写真 上(左)】 男湯(仙人岩乃湯)の内湯湯口
【写真 下(右)】 男湯(仙人岩乃湯)の露天湯口

露天は竹樋の湯口から50L/minほども大量投入で、ここにも竹筒あり。
湯口まわりの岩にはわずかに石灰華と赤茶の色変がみられます。
冬場は保温&屋根からの落雪のため、奥の1/4ほどのスペースは閉鎖しています。
ここも槽内注排湯はみあたらず、排湯方法は不明ですがかけ流しとのこと。


【写真 上(左)】 かけ流し掲示
【写真 下(右)】 析出

内湯で適温、露天でややぬるめのお湯は、無色透明でほのかに石膏味臭。
弱いキシキシがあり浴後は肌がすべすべになる上質な湯あがり感。
インパクトは薄いものの、長湯で真価を発揮する通好みの渋いお湯とみました。
お湯だけというより、周囲の自然や宿の雰囲気をあわせて味わう大人向けのお宿だと思います。


【写真 上(左)】 湯色&湯口
【写真 下(右)】 本気で降るとこうなります

※お湯は、「鶴の湯」「亀の湯」「不動の湯」の3源泉を混合使用。「鶴の湯」「亀の湯」は独自源泉かもしれません。
泉質:アルカリ性単純温泉(「鶴の湯」「亀の湯」「不動の湯」の混合泉)

「鶴の湯」 *単純温泉(Ca・Na-SO4・Cl型)
31.8℃、pH=8.3、湧出量不明、成分総計=0.28g/kg、Na^+=34.4、Ca^2+=42.0、Fe^2+=0.02、Cl^-=34.2、SO_4^2-=110、HCO_3^-=17.7、陽イオン計=78.7、陰イオン計=165 <H14.12.4分析>

「亀の湯」 *アルカリ性単純温泉(Ca・Na-SO4・Cl型)
47.9℃、pH=8.5、湧出量不明、成分総計=0.54g/kg、Na^+=71.2、Ca^2+=86.3、Fe^2+=0.02、Cl^-=80.8、SO_4^2-=227、HCO_3^-=3.05、陽イオン計=161、陰イオン計=319、メタけい酸=54.0 <H6.10.7分析>

「不動の湯」 *単純温泉(Ca・Na-SO4・Cl型)
54.4℃、pH=8.3、湧出量不明、成分総計=0.40g/kg、Na^+=59.4、Ca^2+=54.3、Fe^2+=0.09、Cl^-=62.9、SO_4^2-=143、HCO_3^-=14.7、陽イオン計=116、陰イオン計=226、メタけい酸=57.9 <H13.7.23分析> 

*は、筆者にて補足記載。

<温泉利用掲示> 加水:なし 加温:なし 濾過循環:なし 塩素系薬剤等:一切使用なし

■ブランドグルメ
〔 小荒井製菓の生どら焼き 〕
「湯の花饅頭」でも有名なお店ですが、最近はこっちのほうが人気らしい。
自家製の生どら焼は、中身に小豆あんと生クリームをミックスしたものが入っています。「フルーツ生どら焼き」もあります。

〔 2010/01/03UP (2006/02/28レポ (2006/02入湯)) 〕


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■ 宮城野温泉(強羅引湯) 「食彩湯宿 箱根いこい荘」 〔 Pick Up温泉 〕



<宮城野温泉(強羅引湯) 「食彩湯宿 箱根いこい荘」>
(神奈川県足柄下郡箱根町宮城野116、14:00~18:00、575円、0460-82-2826)
オフィシャルHP
紹介ページ (じゃらんnet)
紹介ページ (BIGLOBE温泉)

宮城野にある地味めの湯宿が日帰り開放するもの。
場所は小田原方面からだとR138箱根裏街道「宮城野橋」を渡ってすぐを鋭角に右折、すぐ左折して細い路地をしばらく走った右手にありますが、えらくわかりにくいです。(右左折ポイントに看板あり。)

もとは保養所だったようで、それらしきこぢんまりとした雰囲気を残しています。
やたら奥まっていてとても日帰り入浴できそうもない佇まいですが、受付のお兄さんの対応はとても親切なものでした。


【写真 上(左)】 浴室
【写真 下(右)】 浴槽

廊下のおくにある男女別の浴場は、黒みかげ石枠水色タイル貼浴槽ひとつだけのシンプルなもの。
なんとなく共同浴場的な趣のあるすがすがしい浴場です。
カラン4、シャワー・シャンプー・ドライヤーあり。土曜17時で独占~2人。

底面からかなりの量の熱湯を注入で浴槽ふちから全量をザコザコオーバーフローのかけ流し。
浴室の内床は洪水状態。箱根では希有のかけ流し量です。
浴場全体から湯気があがっていますが、天井が高くこもりがすくないのは優。

熱めのお湯は無色透明で茶色の湯の花が少量ただよっています。ほぼ無味でごく弱い礒の香?。
しっかりとしたとろみとヌルすべがあり、熱いのに湯ざわりやさしい入りごこちのいいお湯です。
よく温まりますが、浴後は湯ぎれよくすっきり爽やか。


【写真 上(左)】 洪水状態の内床
【写真 下(右)】 湯色

ここは強羅の「けやき荘」(未レポ)と同じ混合泉(強羅掘削泉)をつかっていますが、お湯のイメージは「けやき荘」よりやさしく、ごつごつとした強羅の掘削泉というよりは、むしろ底倉や宮ノ下のお湯に近いニュアンスを感じました。
お湯の熱さからして加水はないかすくないと思うので、引湯しているうちにお湯がこなれてやさしくなるのかもしれません。

落ちついた浴場で上質なお湯を楽しめ、しかも料金は箱根では破格の575円!。
場所はわかりにくいですがおすすめの1湯です。

Na-塩化物温泉 71.6℃、pH=7.3、湧出量不明、成分総計=2.07、Na^+=576mg/kg、Ca^2+=65.4、Cl^-=987、SO_4^2-=116、HCO_3^-=30.8、メタけい酸=188、メタほう酸=49.5 <H16.7.20分析> (源泉名:宮城野第88.126.130号混合泉(強羅引湯))

〔 2010/01/03UP (2008/05/01レポ (2006/05入湯)) 〕


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