パートの出勤はいつも、
朝のラッシュ時の電車に乗っている。
今朝、
乗っていた急行が、終点に着いた。
私がいつも乗るのは、下り階段に近い車両なので、
けっこう混雑している。
降りると同時に、
隣のドアから降りた、ひとりの女子高生が、
男の腕をつかんでいるのが見えた。
男は、30代くらいのスーツ姿の男。
私は、鈍いほうなので、
一瞬、彼氏と彼女が仲良く腕を組んで降りてきた・・
そんな構図に見えてしまった。
しかし、女子高生が叫ぶ。
いや・・大声が出せなかったのだろうか、
あまり大きな声ではなかった。
『痴漢・・痴漢です』
男は、彼女の手を振りほどくようにして、
右側通行の階段の反対側、
つまり、上ってくる人にぶつかりながら逃げていった。
中年の男性と、若い男性が、
「痴漢だ、痴漢!」と、今度は通る声で叫ぶ。
その二人も含め、何人かが追おうとした。
しかし、まさに階段を降りる人波の中である。
その波が崩れかかった。
「あぶない、あぶない!」 別の男性が叫ぶ。
そう、無理に追ったら、下り階段で将棋倒しになってしまう。
誰の目にも危険だった。
結局、
女子高生と、最初に声をあげた中年男性が、
足早に追っていくのが見えたが、
その先はわからなかった。
あの人波と、
ゆっくり歩いている下り階段では、どうすることもできない。
階段を降りきったところで、何人かの人が、
心配そうに、そして悔しそうに遠くを見つめていた。
階段付近の車両での痴漢。
そして素早く、上り階段を逆走して降りていく手口。
常習犯なのだろう。
男性への冤罪も、問題になってはいるが、
あの逃げ方は、犯人に間違いない。
犯人の男は、そのあと会社に出勤して、
何くわぬ顔で、仕事をしているのだろうか。
痴漢は許せない。
しかし、今日のような状況に遭遇して思ったが、
捕まえたくても、捕まえられない。
よく、「朝は忙しくて、皆見て見ぬふり」と言われるが、
今日の周囲の人達を見る限り、
「許せない」「捕まえたい」という気持ちは皆にもあった。
ただ、
あまりにも身動きのとれない、危険な場所すぎた。
それだけに、私もとにかく悔しい。
でも、結果的に捕まえられなかったのだから、
私も、何も出来なかった一人に過ぎない。
知人や友人の女性に、
痴漢に遭ったことがあるかどうか聞くと、
ほとんど皆、被害に遭ったという。
それで怖くて、もう電車に乗れない・・という、
そこまでの女性はいなかったが、
『とにかく気持ちが悪い』というのは共通していた。
同じ男として、
なんだか今日は、悔しくて悲しくてしょうがない。
今日の女子高生の子も、とても気になる。
後味がとにかく悪い。
犯人の男は、
必ずいつか捕まるだろう。
常習犯というのは、そういうものである。
そう思いたい。
朝のラッシュ時の電車に乗っている。
今朝、
乗っていた急行が、終点に着いた。
私がいつも乗るのは、下り階段に近い車両なので、
けっこう混雑している。
降りると同時に、
隣のドアから降りた、ひとりの女子高生が、
男の腕をつかんでいるのが見えた。
男は、30代くらいのスーツ姿の男。
私は、鈍いほうなので、
一瞬、彼氏と彼女が仲良く腕を組んで降りてきた・・
そんな構図に見えてしまった。
しかし、女子高生が叫ぶ。
いや・・大声が出せなかったのだろうか、
あまり大きな声ではなかった。
『痴漢・・痴漢です』
男は、彼女の手を振りほどくようにして、
右側通行の階段の反対側、
つまり、上ってくる人にぶつかりながら逃げていった。
中年の男性と、若い男性が、
「痴漢だ、痴漢!」と、今度は通る声で叫ぶ。
その二人も含め、何人かが追おうとした。
しかし、まさに階段を降りる人波の中である。
その波が崩れかかった。
「あぶない、あぶない!」 別の男性が叫ぶ。
そう、無理に追ったら、下り階段で将棋倒しになってしまう。
誰の目にも危険だった。
結局、
女子高生と、最初に声をあげた中年男性が、
足早に追っていくのが見えたが、
その先はわからなかった。
あの人波と、
ゆっくり歩いている下り階段では、どうすることもできない。
階段を降りきったところで、何人かの人が、
心配そうに、そして悔しそうに遠くを見つめていた。
階段付近の車両での痴漢。
そして素早く、上り階段を逆走して降りていく手口。
常習犯なのだろう。
男性への冤罪も、問題になってはいるが、
あの逃げ方は、犯人に間違いない。
犯人の男は、そのあと会社に出勤して、
何くわぬ顔で、仕事をしているのだろうか。
痴漢は許せない。
しかし、今日のような状況に遭遇して思ったが、
捕まえたくても、捕まえられない。
よく、「朝は忙しくて、皆見て見ぬふり」と言われるが、
今日の周囲の人達を見る限り、
「許せない」「捕まえたい」という気持ちは皆にもあった。
ただ、
あまりにも身動きのとれない、危険な場所すぎた。
それだけに、私もとにかく悔しい。
でも、結果的に捕まえられなかったのだから、
私も、何も出来なかった一人に過ぎない。
知人や友人の女性に、
痴漢に遭ったことがあるかどうか聞くと、
ほとんど皆、被害に遭ったという。
それで怖くて、もう電車に乗れない・・という、
そこまでの女性はいなかったが、
『とにかく気持ちが悪い』というのは共通していた。
同じ男として、
なんだか今日は、悔しくて悲しくてしょうがない。
今日の女子高生の子も、とても気になる。
後味がとにかく悪い。
犯人の男は、
必ずいつか捕まるだろう。
常習犯というのは、そういうものである。
そう思いたい。