シャープ & ふらっと

半音上がって半音下がる。 それが楽しい、美しい。
思ったこと、感じたことはナチュラルに。  writer カノン

痴漢は許せない

2007-09-26 17:02:33 | 日常から
パートの出勤はいつも、
朝のラッシュ時の電車に乗っている。


今朝、
乗っていた急行が、終点に着いた。
私がいつも乗るのは、下り階段に近い車両なので、
けっこう混雑している。

降りると同時に、
隣のドアから降りた、ひとりの女子高生が、
男の腕をつかんでいるのが見えた。

男は、30代くらいのスーツ姿の男。
私は、鈍いほうなので、
一瞬、彼氏と彼女が仲良く腕を組んで降りてきた・・
そんな構図に見えてしまった。

しかし、女子高生が叫ぶ。
いや・・大声が出せなかったのだろうか、
あまり大きな声ではなかった。

『痴漢・・痴漢です』


男は、彼女の手を振りほどくようにして、
右側通行の階段の反対側、
つまり、上ってくる人にぶつかりながら逃げていった。

中年の男性と、若い男性が、
「痴漢だ、痴漢!」と、今度は通る声で叫ぶ。
その二人も含め、何人かが追おうとした。

しかし、まさに階段を降りる人波の中である。
その波が崩れかかった。

「あぶない、あぶない!」 別の男性が叫ぶ。

そう、無理に追ったら、下り階段で将棋倒しになってしまう。
誰の目にも危険だった。


結局、
女子高生と、最初に声をあげた中年男性が、
足早に追っていくのが見えたが、
その先はわからなかった。

あの人波と、
ゆっくり歩いている下り階段では、どうすることもできない。
階段を降りきったところで、何人かの人が、
心配そうに、そして悔しそうに遠くを見つめていた。


階段付近の車両での痴漢。
そして素早く、上り階段を逆走して降りていく手口。
常習犯なのだろう。
男性への冤罪も、問題になってはいるが、
あの逃げ方は、犯人に間違いない。

犯人の男は、そのあと会社に出勤して、
何くわぬ顔で、仕事をしているのだろうか。


痴漢は許せない。

しかし、今日のような状況に遭遇して思ったが、
捕まえたくても、捕まえられない。
よく、「朝は忙しくて、皆見て見ぬふり」と言われるが、
今日の周囲の人達を見る限り、
「許せない」「捕まえたい」という気持ちは皆にもあった。

ただ、
あまりにも身動きのとれない、危険な場所すぎた。
それだけに、私もとにかく悔しい。

でも、結果的に捕まえられなかったのだから、
私も、何も出来なかった一人に過ぎない。


知人や友人の女性に、
痴漢に遭ったことがあるかどうか聞くと、
ほとんど皆、被害に遭ったという。

それで怖くて、もう電車に乗れない・・という、
そこまでの女性はいなかったが、
『とにかく気持ちが悪い』というのは共通していた。


同じ男として、
なんだか今日は、悔しくて悲しくてしょうがない。
今日の女子高生の子も、とても気になる。
後味がとにかく悪い。

犯人の男は、
必ずいつか捕まるだろう。
常習犯というのは、そういうものである。
そう思いたい。