シャープ & ふらっと

半音上がって半音下がる。 それが楽しい、美しい。
思ったこと、感じたことはナチュラルに。  writer カノン

27年ぶりの再会

2007-12-03 17:57:42 | 人とのつながり
先日、ひとりの女性とお会いした。
私より、6歳上の方なのだが、
私が前回、この人とお会いしたのは・・、

1980年夏。
当時、彼女は大学4年生。私は高校2年生。

27年ぶりの再会だった。


27年前・・、
バイト先で知り合ったこの女性、
私はずっと「お姉さん」と呼んでいた。
高校生だった私にとって、
彼女は、ある時は優しく、ある時は厳しく、
本当に、親身になって下さったお姉さんだった。

受験を目指していた私に、
彼女は、良い参考書や本などを教えてくれたり、
人生についてのアドバイスも、
手紙に、便箋10枚近く書き綴ってくれるなど、
本当に、大切な人だった。


彼女は、美大の学生だったが、
やがて絵画の勉強をするために、
結婚して、イタリアへ旅立って行った。
私は高3になり、
受験勉強の毎日となった。

1981年の秋。
花の街・フィレンツェからの絵葉書を最後に、
彼女との音信は不通となった。

それでいい、と思っていた。
若かりし頃の、ひと時出会った大切なお姉さん。
思い出の中にしまっておこう・・と。


しかし二年前、
彼女から戴いた手紙を、たまたま読み返し、
何か大事なものを忘れてしまった気がした。

その後の私、そして彼女の人生。
お互いに知らないままの四半世紀。

お姉さんはどうしているだろう・・

会おうとは思わない。
でも、連絡だけでも取りたい。

昔の連絡先を頼りに、
お姉さんと連絡がついたのは、間もなくのことだ。
彼女は、日本に帰っていて、
実家の近くで暮らしていた。

その後二年間、
手紙やメールで連絡を取り合ってきた。
そして・・

今回、再会することになった。


彼女は、綺麗に、美しく歳を重ねていた。
お互い、長い年月すぎて、
昔のイメージすらおぼろげになっていた。
しかし、昔の会話は、
やはり正真正銘の「お姉さん」だった。

私からの手紙は、
相次ぐ渡伊・帰国の連続で、
失ってしまったという。

しかし、そんなことはどうでも良かった。
なぜなら、
私のことを、今も変わらずに接してくださるのだから・・。


お姉さんは今、養護学校で美術の教員になられている。
毎日が、子供達との格闘だという。
多忙な中、時間を作って会って下さったのだ。

翌日、メールが来た。
『昔のままの、純な部分を持ち続けているあなたに、
 とても偉いなぁと思いました』

そう、お姉さんだから、
ずっと純でいられたんですよ・・。
思わず、そう返したくなった。


写真はスイートピー。
昔、彼女から戴いた手紙に、種が同封されていた。
結局、蒔くこともせず、
今もそのまま、封筒の中に収まっている。

スイートピーの花言葉は、
青春の喜び、別離、優しい思い出、門出・・だという。

お姉さんは、それらを知ってて同封したのだろうか。
それを聞くのを忘れてしまったが、
聞かないでおこうと思う。

27年目の、素敵な再会をしたのだから・・。