シャープ & ふらっと

半音上がって半音下がる。 それが楽しい、美しい。
思ったこと、感じたことはナチュラルに。  writer カノン

合唱の思い

2016-10-09 18:24:15 | 音楽を聴く

NHK合唱コンクールの全国大会が開かれている。
昨日は高校、今日は小学校、
そして明日は中学校の部である。

私は合唱団にいたが、大人になってからだ。
学生時代に合唱の経験はない。
いや、学校の合唱コンクールはあったが、
音楽部として入った事はない。

高校の合唱コンクールでは指揮者をやり、
クラスは準優勝した。
その思いから、大学に入った時、
合唱団に入ってみようかと思い、
新入生のクラブ勧誘の時、聞いてみた。

しかしその部長は、
『高校で合唱やってましたか?』
私が「ない」と答えると、
『今年、福島のW高卒の新入生が入ります。
その為、レベルの高い練習をします。
合唱歴がないと、ついていけないと思います』

福島は合唱が盛んらしく、
NHKのコンクールでも、好成績を収めている。
W高は全国屈指の実力高だったらしい。

高校の合唱コンクールで指揮者をやりました、
入賞もしました、
大学ではちょっと合唱楽しみたいです、
その程度の考えで入部しようとした私は浅はかだった。

だが社会人になり、
合唱のサークルに入ってその話をしたら、
『その部長は間違っている』という意見と、
『部長の言う事が正しい』という意見に割れたのだ。

合唱はおそらく、個人や学校やサークルの中で、
どの位置を目指しているかで、
その考えは変わっていくのだろう。
賞をとり、全国の上位を目指すのか、
それとも、歌う事や仲間と楽しむ事を目的とするか。

私は単純に音楽が好きで、歌が好きというだけだ。
なので、高校時代までは、
苦しみながら練習をする音楽部には
入ろうという気がなかったのだ。
そんな調子で、大学で『楽しく歌いたい』などという
カラオケ的な考えは通用しなかったのだ。


NHKのコンクール、
銀賞や銅賞の名前が呼ばれても、
あまり喜ばない学校が多い。
彼らは、金賞目指してやっている。
私も、高校の合唱コンクールで、
準優勝でクラスの名前が呼ばれた時、
皆、一瞬落胆したのだ。

レベルは違うが、気持ちはわかるというものだ。
音楽部など入って苦労したくない、
楽しくやれればいい、と考えていた私でも、
やはり狙っていた賞を取れなかった悔しい気持ちは、
NHKの彼らと同じようにあった。


そういう気持ちを持たないと、
合唱は続かないと思うし、
聴いて評価してくれる相手がいて初めて、
合唱の喜びを感じるものなのだろう。

やっぱり音楽部に入って、
合唱に泣き笑いする学生生活も良かったかな・・ と、
TVに映る彼・彼女らを見てて思う。