NHK合唱コンクールの全国大会が開かれている。
昨日は高校、今日は小学校、
そして明日は中学校の部である。
私は合唱団にいたが、大人になってからだ。
学生時代に合唱の経験はない。
いや、学校の合唱コンクールはあったが、
音楽部として入った事はない。
高校の合唱コンクールでは指揮者をやり、
クラスは準優勝した。
その思いから、大学に入った時、
合唱団に入ってみようかと思い、
新入生のクラブ勧誘の時、聞いてみた。
しかしその部長は、
『高校で合唱やってましたか?』
私が「ない」と答えると、
『今年、福島のW高卒の新入生が入ります。
その為、レベルの高い練習をします。
合唱歴がないと、ついていけないと思います』
福島は合唱が盛んらしく、
NHKのコンクールでも、好成績を収めている。
W高は全国屈指の実力高だったらしい。
高校の合唱コンクールで指揮者をやりました、
入賞もしました、
大学ではちょっと合唱楽しみたいです、
その程度の考えで入部しようとした私は浅はかだった。
だが社会人になり、
合唱のサークルに入ってその話をしたら、
『その部長は間違っている』という意見と、
『部長の言う事が正しい』という意見に割れたのだ。
合唱はおそらく、個人や学校やサークルの中で、
どの位置を目指しているかで、
その考えは変わっていくのだろう。
賞をとり、全国の上位を目指すのか、
それとも、歌う事や仲間と楽しむ事を目的とするか。
私は単純に音楽が好きで、歌が好きというだけだ。
なので、高校時代までは、
苦しみながら練習をする音楽部には
入ろうという気がなかったのだ。
そんな調子で、大学で『楽しく歌いたい』などという
カラオケ的な考えは通用しなかったのだ。
NHKのコンクール、
銀賞や銅賞の名前が呼ばれても、
あまり喜ばない学校が多い。
彼らは、金賞目指してやっている。
私も、高校の合唱コンクールで、
準優勝でクラスの名前が呼ばれた時、
皆、一瞬落胆したのだ。
レベルは違うが、気持ちはわかるというものだ。
音楽部など入って苦労したくない、
楽しくやれればいい、と考えていた私でも、
やはり狙っていた賞を取れなかった悔しい気持ちは、
NHKの彼らと同じようにあった。
そういう気持ちを持たないと、
合唱は続かないと思うし、
聴いて評価してくれる相手がいて初めて、
合唱の喜びを感じるものなのだろう。
やっぱり音楽部に入って、
合唱に泣き笑いする学生生活も良かったかな・・ と、
TVに映る彼・彼女らを見てて思う。