シャープ & ふらっと

半音上がって半音下がる。 それが楽しい、美しい。
思ったこと、感じたことはナチュラルに。  writer カノン

選び方いろいろ

2022-12-14 17:08:45 | 世の中あれこれ

前回に続いて食べ物の話。

というか、食べ物に絡む人間の心理の話。

 

ある鰻屋には、鰻重の「上」と「並」がある。

お客さんは大半が「並」を注文する。

でも店側としては、なんとか「上」を売りたい。

そこである事をしたら、その後は「上」のほうが売れるようになった。

店は一体何をしたのでしょう?

 

という問題があった。

値段、量、器など「上」も「並」も一切変えていません。

大々的に広告を打った、というわけでもありません。

なぜでしょう?

 

 

答えは、「特上」を設けた。

 

人間、三段階に分かれたものを選ぶ時、

たいがいは真ん中を選ぶそうだ。

鰻は元来値段の張るものだし、

特上ではちょっと・・、でも並だと味が落ちるかな、

という心理から「上」を選ぶようだ。

これは、いろんな商売に通用するかもしれない。

 

 

もう30年前くらいだろうか、

TVで『料理の鉄人』という番組があった。

この中の、フレンチの鉄人・坂井宏行氏が、

ある大学の学園祭でクレープの露店を出すという企画があった。

 

鉄人の作るクレープ。もちろん多くの学生が列を成した。

メニューは3種類で、たしか¥1000・¥1500・¥2500の3つだと思った。

どれが一番人気だったか・・という以前に

当然ながらすべて完売した。

 

私はそれを見て、

「自分だったら一番安い¥1000のにする。

鉄人が作ったものを、安い額で食べられるならラッキー」と言った。

 

しかし妻は違った。

「一番安いのにしてそれが美味しかったら、

¥2500のはどんなに美味しいだろうと考えて後悔する。

なので私は最初から一番高いものにする。」

 

 

では先述の鰻屋に行ったらどうか。

持ち金があると仮定して考えたら、

私は、せっかくだから特上。

妻は、いつでもどこでも食べられる鰻なら並。

と、逆になると思う。

 

ネームバリュー、限定品、

元が高いもの、安いもの、

日常で食べられるか、それともめったに食べられないか、

それによって、選択は変わってくるようだ。

 

 

¥2500のクレープはどんな味だったのだろう?